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例)研究発表 生命科学科
[2007/01/15]
◇ナビゲーションを使ってぴったりの人工膝関節

 大腿部と下腿部が接する膝の軟骨は、磨り減ったりして変形性膝関節症が進み、人工膝関節の手術を受ける人が増えている。ところが設置位置がずれたりすることにより、ゆるみが出てきて再度やり替えることもある。その欠点をなくすために、設置段階での誤差を少なくしようと、整形外科(岩本幸英教授)の松田秀一講師は、コンピュータ・ナビゲーションシステムを日本で初めて人工膝関節の手術に導入した。臨床結果では、従来型に比べると誤差が極めて少ないことが分かった。
 人工関節を挿入する場合に、変形した膝の大腿骨と脛骨の表面をカットして平面にした上で装着する。これまでは計測器を使って切除位置を決めていた。ナビゲーションシステムでは、事前にCTを使って股関節、膝関節、足関節部分の約10-20センチ周囲を撮影して、膝部分の正確な3次元モデルを画像化する。これで人工関節のサイズや設置位置などを決める。これらのデータを取り込んだシステムから実際の膝部分の約20ポイントに赤外線を当てることで、正確な切骨位置が手術時のモニター画面に示される。示された位置の線に沿って切骨することで、人工関節の設置をより理想的な状態に近づけることが可能になる。
 これまでの臨床例から、従来型の手術の場合に3度以内の誤差は7割強だったが、患者さんの了解を得てコンピュータ・ナビゲーションシステムを使用した場合は、すべて3度以内だった(図参考) 。まだ臨床研究の段階で、コストの問題もあってナビゲーションの設置病院は九大病院など限られている。松田講師は「まだすべての症例で理想の誤差1度以内にというわけには行かないので、改良点やロボットによる切骨なども検討していきたい」という。

<参考論文>
The accuracy of image-guided knee replacement based on computed tomography; R.Nabeyama, S.Matsuda, H.Miura, T.Mawatari, T.Kawano, Y.Iwamoto : THE JOURNAL OF BONE AND JOINT SURGERY VOL.86-B,No.3,APRIL2004

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