TOP > 研究成果情報 > 研究情報データベース > 詳細

研究情報データベース

キーワード検索
例)研究発表 生命科学科
[2006/12/25]
◇胆のうがんは静脈から転移する―画像診断法で独創的研究相次ぐ

 吉満研吾助教授(臨床放射線科学)のグループは、画像診断装置を活用して肝がんや胆のうがんの発育と転移メカニズムなどに独創的な研究成果を挙げている。
 アンギオCTは、アンギオ(血管造影)とCT(コンピュータ断層撮影)を組み合わせた機器で、血流の動きを正確につかめる。肝臓は動脈血と門脈血から栄養を供給されるが、吉満助教授らは、このCTを使って肝がん組織を見ると、がんの発育段階に応じて、両血流の流量が減ったり増えたりする特徴的な変化をしていることを解明した。「これによりがんの発育段階に対応して、従来の治療方法の中から適切なものを選びやすくなった」(吉満助教授)という。他の研究者からも同様の発表がなされており、この研究がきっかけで「肝がん診療ガイドライン」(日本肝癌研究会、2005年2月)の作成につながった。
 さらに吉満助教授らは、胆のうがんが肝臓へ転移するメカニズムについて、アンギオCTを使って、静脈からの転移を実証した。これまでリンパ管から伝わる説と、静脈説と両論あった。吉満助教授らは、胆のう動脈に造影剤を注入するという方法を考案し、このCTで胆のう静脈からの転移を三次元撮影することに成功した。転移組織を顕微鏡でも確認できた。「肝臓がんの多段階発育研究に用いた手法の応用編だ。これによって摘出する転移範囲が限定される」と同助教授。
 このほか、MRI(磁気共鳴画像)で脳梗塞の超急性期の診断に使う拡張強調画像(写真参照)という方法を、腹部腫瘍の診断にも使えるようにメーカーとも共同研究した。もともと細胞の水分子の動きを撮影する方法なので対象が固定していないと難しいが、高速撮影技術を導入した機器の進歩などがあって、リンパ腫、子宮がん、乳がん、前立腺がんなどの診断に採用している。「今後は全身に応用していきたい」(同助教授)と語る。

<参考論文>
Yoshimitsu K, Honda H, Kuroiwa T, Irie H, Aibe H, Tajima T, Chijiiwa K, Shimada M, Masuda K:Liver metastasis from gallbladder carcinoma - Anatomic correlation with cholecystic venous drainage demonstrated by helical computed tomography during injection of contrast medium into the cholecystic artery
Cancer. 2001 Jul 15;92(2):340-8.

ページの先頭へ戻る