TOP > 研究成果情報 > 研究情報データベース > 詳細

研究情報データベース

キーワード検索
例)研究発表 生命科学科
[2006/07/31]
◇動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳卒中など)に画期的療法―世界初の遺伝子治療と消えてなくなるステント開発

 動脈硬化性疾患は、欧米では死亡率が最も高く、日本でもがんに次いで高い。動脈硬化は加齢やコレステロールなど多くの要因から、血管に炎症が起きることが知られる。それに関わっているのが、本来は免疫の役目をする白血球の一種の単球・マクロファージだ。医学研究院の江頭健輔助教授(循環器内科学)は、その単球を活性化させる因子・MCP-1の働きを抑制することによって、炎症を防ごうと考えた。世界に先駆けて成功した抗MCP-1遺伝子(7ND遺伝子)の開発だ。サルを使った実験でも、筋肉注射によってこの遺伝子を導入して動脈硬化を抑えることが分った。
 重症な動脈硬化症の治療には、カテーテルでステントを挿入して狭くなった血管を拡げる手術が、世界で広く行われている。血液が流れやすくなっても、ただ物理的に拡げるだけだから根本的な治療ではなく、手術後に再発(再び狭くなる)こともある。5個以上もステントが入った患者さんも少なくない。現状では永久植え込み式だから、金属アレルギーを起こす人もいる。そこで江頭助教授は、「生体完全吸収性ナノテクDDSステント」を開発中だ。これは、特殊なマグネシウムで作ったステントに、ナノテク技術を使って開発した粒子(7ND遺伝子)をコーティングしたうえで病巣に運ぶ独創的な方法。ナノ粒子もステントも充分作用した後は体内で吸収されるので、治療のあとは、何も残らない。ステント手術は、国内で毎年20万症例、世界では200万症例も行われている。実用化への良報が大変待たれるところだ。
 江頭助教授のこれら一連の画期的な研究は、平成18年度の国の科学技術賞に選ばれた。

<イラスト1>

<イラスト2>
DDS=薬を病巣に送達するシステム。CCR2=受容体(レセプター)。

<参考論文>
「Molecular Mechanisms Mediating Inflammation in Vascular disease - special Reference to Monocyte Chemoattractant Protein-1」Hypertension 誌、p834-841、2003年11月

ページの先頭へ戻る