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例)研究発表 生命科学科
[2006/06/21]
◇子供の病気死亡原因のトップは、大人と同じくガンです。

 日本人の死亡原因の第1位がガンであることは、よく知られる。実は15歳未満の子供についても、病気の面から見るとガンが最も多い(図1)。その中でも最も多いのは、大人の肺がん・胃がんなどとは異なり、「血液のガン」といわれる白血病だ。
 医学部保健学科の松崎彰信教授(小児看護学)は、九州大学など22施設が参加する「九州山口小児がん研究グループ」の中心メンバーとして疫学解析を続けている。松崎教授によると、1年間に15歳未満児の1―1.3万人に1人、つまり日本で1600人前後の子供にガンが発症し、その40%近くが白血病である。次いで脳腫瘍、神経芽腫など。しかし治療法の著しい進歩によって、小児白血病の中で最も多い小児急性リンパ性白血病についてみると、20年前には60%台であった長期生存率は、現在では90%近くまで向上している(図2)。「30、40年前までは不治の病とされた子供のガンが、助かる病気になった」と松崎教授。
 抗がん剤の進歩、それも複数の薬剤を使う多剤併用化学療法によって、多くの小児ガンを治癒させることが出来る。しかし、一部には造血幹細胞移植など、高度先進治療に頼るケースもある。小児白血病が治る病気へと改善されてきた反面、その発症原因の詳細はよく分かっていない。また、対象が成人への成長発達途上にある子供であるため、治療の副作用による臓器障害などを成人期にまで持ち越す患者も存在する。治療率を上昇させるだけではなく、このような晩期障害への取り組みも研究者にとっての大きな課題である。

〈参考論文〉
Matsuzaki A, Ishii E, Nagatoshi Y, Eguchi H, Koga H, Yanai F, Inada H, Nibu K, Tamai Y, Akiyoshi K, Nakayama H, Hara T, Take H, Miyazaki S, Okamura J:
Long-term outcome of childhood acute lymphoblastic leukemia treated with protocols AL841, AL851 and ALHR88: Results of the Kyushu- Yamaguchi Children's Cancer Study Group.
Int J Hematol, 73: 369-377, 2001

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