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例)研究発表 生命科学科
[2005/12/12]
◇難治性固形ガンを自分のガン細胞を使って治す

 ガンの治療法として、外科療法、化学療法、放射線療法に加えて、ヒトの免疫機能を活性化させる免疫療法が盛んになってきた。その方法にも種々あるが、医学研究院の片野光男教授(腫瘍制御学)は、難治性固形ガンに対して「免疫監視機構構築療法」という新しい治療法を開発した。
 私たちの体には、もともとガン細胞を見つけると排除する免疫監視機構が備わっている。ところがその網の目をくぐって増殖したのがガンだ。片野教授は、その監視役を担う樹状細胞を活用する。患者の白血球から樹状細胞を誘導して培養して増やし、増やした樹状細胞に患者のガン細胞を取り込んで、“敵”として十分勉強させる。いわば監視役の“兵隊”の数を増やし質を高める、つまり免疫監視機構を「構築」するわけだ。
 ガン細胞を取り込んだ樹状細胞をワクチンとして患者に注入する。そして樹状細胞からの連絡を受けて、実際にガン細胞を攻撃するリンパ球の一部を患者から取り出して、活性化(数を増やす)し、活性化リンパ球を患者に注入する。これを数回にわたって治療する。この療法は、他人のガン細胞を用いるのも可能だ。
 片野教授は、この治療法を学ぶ研究生を「腫瘍制御学認定免疫療法医」として育成して、関連免疫療法病院に派遣している。同じ療法を行う九大病院の11診療科と「樹状細胞療法研究会」を作って、情報交換や勉強会を行っている。将来的には「九州大学癌免疫療法グループ」の創設を展望しているのだという。

〈写真説明〉免疫監視機構構築療法から

研究論文 Combination Therapy with Tumor cell-pulsed Dendritic Cellls and Activated Lymphocytes for Patients with Disseminated Carcinomas(ANTICANCER RESEARCH 25:3771-3776 2005)

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