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例)研究発表 生命科学科
[2005/11/17]
◇世界初、飲んで手術する ―― カプセル手術ロボットを開発

 「これまでの医療は、患者を診ずして患部だけを診ていた」。そう語る九州大学医学研究院の橋爪誠教授(災害救急医学)は、日本の医療用ロボット開発に最初から携わっている第1人者だ。「患者に侵襲(外部から加わる肉体的危険と精神的苦痛)が少ないやさしい医療、QOL(生活の質)を高める医療が今世紀の医療目標です」と語る。その究極がロボット手術だと。
 たとえば、ガンの手術にしても、今は安心のために病巣だけでなく正常細胞まで切り取る。手術は成功したが、寝たきりになったり合併症を起こしたりもする。それが20世紀までの医療だった。本当に悪い患部だけを取り除く、そのためには人間の能力の限界をはるかに超えたハイテクの技術を利用して、精度を高めていく。1秒間に千回以上の安全システムチェックをするというから、ロボットはコンピューターの集積でもあり安全だ。
 今開発に取り組んでいるのは、飲み込んで手術が出来るカプセルロボット。もちろん完成すれば世界初となる。直径1センチ、長さ2センチの大きさ。この中に鉗子(かんし)を付けた長さ7ミリの腕や、目となる超小型カメラなどを搭載している。医師はモニター画面を見ながら遠隔操作(ナビゲーションシステム)してロボットを胃、小腸、大腸内を動き回らせる。小さな腫瘍は切除して体外に運び出す。ロボットが胃から小さな穴を開けて体内に出て治療することも出来る。まるでSFの世界が、現実になりつつある。患者は傷もなく短時間の手術に、回復が早く入院日数も短くて済む。現在、目と腕の部分が完成している。

研究論文
1.Hashizume M: Telerobotic-Assisted Gastric Surgery. Primer of Robotic and Telerobotic Surgery 147-154, ed by Garth H.Ballanryne, Jacques Marescaux, Pier Cristoforo Giulianotti, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2004
2.橋爪 誠:手術支援ロボットの現状と未来. 日本ロボット学会誌 22(4):423-425, 2004

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