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例)研究発表 生命科学科
[2007/07/29]
◇『ウシ化マウス』:狂牛病(BSE)の早期感染と発病メカニズム解明の旗手

 ウシの病気なのに人間に感染する狂牛病の恐怖。一般には狂牛病と呼ばれるが、牛の脳がスポンジ状になることから、牛海綿状脳症が正しい。人間のヤコブ病や羊のスクレイピーなどにも狂牛病と同じ病状が脳にみられる。いずれもプリオン蛋白質が異常プリオンになり、主に脳に蓄積する病気である。
 毛利資郎教授(病態制御学 実験動物学分野)はマウスを使って、プリオン病の発病メカニズムと治療方法を研究している。東北大学と共同で標的遺伝子組み換えの技術を用いて、ヒト化マウスを作ることに成功した。マウスのプリオン蛋白質遺伝子とヒトの正常なプリオン蛋白質遺伝子を、そっくり交換したヒトの代役となる実験マウスの誕生だ。このマウスを使うことでプリオン病の発病メカニズム解明や、治療研究が飛躍的に進んだ。しかも世界が注目したのは、発病する前に感染してわずか14日後には感染したことが分かるのだ。世界最速の感染検出法だという。「ヒト化マウスを使えば、血液製剤などに異常プリオンが含まれていないか、安全性確認が出来る」と毛利教授。
 同教授が新たに取り組み、注目されるのがウシ化マウスである。ウシ化マウスを用いると、BSE感染の有無を感染した75日後に判定できた。「もっと早期に感染を発見できる」という。食肉用牛の安全性チェック法とするには、「残念ながら技術的な課題がまだ多い」。しかし「牛由来の材料が含まれる医薬品やゼラチンカプセルなどの安全性確認に今でも役立つ」という。「家畜の病気がヒトに感染する未だになぞのメカニズムを、早く解明したい」。それが毛利教授の本音だ。

<イラスト説明> 実験用のマウスに、ヒトのプリオン病を発病させるには通常600日もかかり、発病しないマウスもいる。ヒト化マウスを使うと感染後150日ですべてのマウスが発病する。しかも感染して14日後には、脾臓やリンパ節のFDC(臚胞樹状細胞)で異常プリオンを検出、感染したと判定できる。

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