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例)研究発表 生命科学科
[2007/07/15]
◇らくらく人工膝関節―ひらめき着想で正座やあぐらにフィット

 進行した変形性膝関節症や関節リウマチに対するその治療法として、日本では年間4万人が人工膝関節手術を受けている。
 日本人は正座をする習慣があるので、関節の曲がり具合が気になる。人工関節はせいぜい110-120度くらいの屈曲が平均的な値である。ほとんどアメリカなど海外からの輸入品に頼って来たので、サイズや膝の縦・横の比率などが西欧人とは違って、日本人には使い勝手が悪い。こうした不具合からくる不満に答えたのが、九州大学病院リハビリテーション部の三浦裕正助教授のグループが開発した次世代人工膝関節だ。
 三浦助教授によると「これまでの人工関節には正座する発想がなかった」。正座した状態の健常者の膝関節をMRI(磁気共鳴画像装置)で撮影すると、意外なことがわかった。大腿骨と膝蓋骨の接触部分の形が、内側と外側とでは対称的ではないから深く曲げることができる。従来の人工関節ではその部分を対称的に作っているので曲がりにくい。もうひとつの発見は、人工関節の大腿骨部品に少し厚みを増してやると、膝蓋骨部品との接触が和らいで、摩耗も少ない。もちろん複雑な数式データの裏づけがあるが、着想としてはいかにも臨床的なひらめきである。日本人の体格に合うように6種類を考案し、特許と臨床使用許可を申請中。宗教礼拝などで日本と同様に正座の習慣がある諸外国からの需要も期待できるだろう。

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