TOP > 研究成果情報 > 研究情報データベース > 詳細

研究情報データベース

キーワード検索
例)研究発表 生命科学科
[2005/07/06]
◇ 医工連携によるデジタルヒューマン ――パーキンソン病の病態生理を3次元アニメ化

 九州大学と九州芸術工科大学(現芸術工学研究院)との統合で生まれた感性融合創造センター。科学の論理性と芸術的感性を融合した新しい研究アプローチが狙いだ。ここで医学研究院の飛松省三教授(臨床神経生理学)が、情報科学や芸術工学の教授たちと取り組むのが「病を知るデジタルヒューマン」。いま注目の医工連携の新分野である。
 現在の研究対象はパーキンソン病だ。発病率は10万人に約100人とされ、50歳以降の人に多く高齢になるほど増えている脳神経疾患である。この病気は手足の震え、手足のこわばりで動作が遅くなる、小刻みに歩いたり、すくんでしまうなど病気特有の運動障害がみられる。
 まず、3次元デジタイザで患者の全身の輪郭データをとる。これにアニメ制作などに使われるモーションキャプチャーシステムを使って、患者の独特の動きを3次元的に捉えてリアルな仮想人間として映像化する。とりわけ足の筋肉の動き(筋電図)や体の重心の変化(足圧計)などを一緒に取り込む技術に腐心し、3次元アニメを作るのに成功した。これがいわゆるデジタルヒューマンである。脳の生理機能の異常を、視覚的に捉えることができるという画期的な試みだ。
 飛松教授は「7月ごろから臨床試験に入りたい。パーキンソン病などの脳神経病の診断だけでなく、医学教育のための教材作りや高齢者など運動障害者の福祉機器や介護支援システムなどにも応用できる」と強調する。ますます進む高齢化社会にあって、医療、福祉面での貢献に期待がかかる。

ページの先頭へ戻る