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例)研究発表 生命科学科
[2008/07/11]
◇いよいよ始まったがんプロフェッショナルの養成

日本人の死亡原因のトップであるがん。適切な治療手段が見つからない“がん難民”という言葉さえ生まれている。「10年後には日本人の2人に1人はがんで死亡する」とする研究者もある。がん対策を総合的に進めるがん対策基本法が、平成19年4月に施行された。これを受けて、がん医療に対して高度な知識や技術を持つ専門医師や看護師、薬剤師などを育成する「九州がんプロフェッショナル養成プラン」[URL http://www.ganpro.med.kyushu-u.ac.jp/]が、平成20年度からいよいよ計画段階から実施に入った。
 文部科学省は同じ試みを全国18ブロックで進めている。九州・沖縄地区では、推進母体として13大学と地域のがん拠点病院や緩和ケア専門病院などと「九州がんプロフェッショナル養成協議会」(会長・高柳涼一九大医学研究院長)を組織し、行政や医師会とも連携して情報交換などを図る。参加大学数は全国で最も多く、国公私立13大学がそれぞれコーディネータを中心に独自の教育コースやプログラムを設けて、優秀な人材を育てる。九大では、がん専門医師養成コース(博士課程)に17人、がん専門薬剤師コースに5人(修士課程4人、インテンシブコース1人)、医学物理士・放射線治療品質管理士養成コース(修士課程)に8人、がん専門臨床検査技師コース(修士課程)に2人が入学した。
 九州・沖縄地区の幹事コーディネータとして、全体を取りまとめる推進役の九大医学研究院の前原喜彦教授(臓器機能医学部門外科学)は、「九州地区の医師、看護師、薬剤師、検査技師が同じ土壌でがん医療を学ぶので、現在の自分の医療技術や知識を客観的に知ることが出来て、各自のレベルアップにつながる」と意義を語る。講義では、今まで無かったがんの基礎から臨床までの系統立てた教育が行われ、また自分の大学には無い他大学の講義も、希望すればインターネットを使ったeラーニングで学ぶことも出来る。
 厚生労働省は福岡県の場合、九大病院と九州がんセンターを県のがん診療連携拠点病院に指定し、県下13の地域拠点病院の指導的役割を期待している。同養成協議会では、養成された医療関係者の就職、派遣、交流なども含めて、今後こうした拠点病院などとの提携、ネットワーク作りにも取り組んでいく。前原教授は「いつでも、どこでも、誰でもが受けたいがん医療を均一に受けられる」(がん医療の均てん化)のが将来目標だと期待している。

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