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[2019/11/13]
第10回人体・病理ミュージアム一般公開(開催報告)

  第10回人体・病理ミュージアム一般公開が11月8日(金)に開催されました。
  
  九州大学医学部病理学教室は明治37年の発足以来、約110年の年月をかけて、6,000体を超える病理解剖摘出臓器の肉眼臓器標本を作製してきました。2005年の西方沖地震による破損や劣化で火葬を余儀なくされたものを除き、現在は約1,300体を所有しています。標本の中には医学、医療の発展により、今では見ることのない病態も含まれており、標本の医学教育への活用と継承を目的として、平成22年4月に人体・病理ミュージアムが設置されました。
   ミュージアムの一般公開は、一般の方への正しい医学知識の公布と病理学への理解を深めていただくことを目的に、ミュージアム設立当初の平成22年度より年に一度行っており、今年で第10回を迎えました。  

  ミュージアムには、標本の中で医学的に重要で希少性の高いものを系統別に展示しています。標本の他にも、九州大学病院および病理学教室史を写真パネルで掲示したものや、実際に医学部教育で使用されていたキュンストレーキ(紙製人体模型)、ムラージュ(皮膚疾患を蝋模型にしたもの)、そして病理とは切り離せない顕微鏡のうち、骨董的価値のあるものなども展示しています。キュンストレーキは日本国内での保存が数体しか確認されておらず、またムラージュは現在では制作されていないなど、歴史的価値をも感じる展示となっています。
  
   本年度の人体・病理ミュージアム一般公開は、午前の部、午後の部の2回開催されました。 
  はじめに視聴覚エリアにて神経病理学分野 岩城教授より開催内容の概要説明があり、参加者に病理学が担う役割について説明したDVDを鑑賞して頂きました。
  続いてミュージアムの見学にうつり、岩城教授より写真パネルの前で九州大学病院、病理学教室の歴史についての説明が行われ、各展示棚で系統別の標本についての概略説明がなされた後、全体でのご案内は終了しました。その後は、参加者それぞれに興味のある標本を自由に見て頂く時間となり、病理に携わっている現役のスタッフが会場内を巡回し、個別の質問にお答えし説明するなど、参加者により理解を深めて頂きました。
  
  午前の部、午後の部ともに定員を上回る人数の参加があり、「色々な方々の協力により、医学が発達していることが分かった。もっと多くの方に見学してもらいたい。」や「非常に分かりやすく説明していただき、勉強になった。標本を残すこと・作ること・使用することの意味について考えさせられました。これまで伝わってきたものをいかに残し、維持し、後世に残せるか考えさせられた。」などのご感想を頂きました。

 

  今回は、来場者の方に記念品の贈呈、記念撮影エリアを設けるなど、10周年を記念した企画を行いました。
  病因、病態と死因を明らかにする手段として『病理解剖』は唯一、実証的な学問として重要な役割を果たしています。臓器の正常構造とその破綻に基づく疾病と臓器を形態学的に検証することで得られる貴重な情報の蓄積が医学の進歩に大きく寄与することは揺るぎない事実であり、九州大学医学部病理学教室はこれからも、人体・病理ミュージアムの維持と更新を行っていきます。

 

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