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例)研究発表 生命科学科
[2006/07/10]
◇糖尿病の合併症を起こす酸化ストレスー発生のメカニズムを解明。

 わが国では潜在患者、患者予備軍を入れると約1620万人といわれる糖尿病。20歳以上の6人に1人に当たる(いずれも厚生労働省平成14年調査)。網膜症・腎症などの細小血管障害や脳梗塞・心筋梗塞などの動脈硬化障害といった合併症につながるので大変に怖い。なぜ合併症を起こすのか。最近の研究では、酸化ストレスの影響が注目されている。
 大学院医学研究院の高栁涼一教授(病態制御内科学)、井口登與志講師(同)らは、高血糖と酸化ストレスのメカニズを解明し、将来的に有用な薬剤開発へつなぐ挑戦を続けている。細胞内や細胞間の情報伝達機能にかかわるプロテインキナーゼC(PKC)という重要な酵素がある。井口講師らは、このPKCが糖尿病の血管壁細胞では高血糖によって活性化され、さらに血管壁のNDA(P)Hオキシダーゼという別の活性酸素生成酵素を刺激して、酸化ストレスを増長させるメカニズムを、初めて明らかにしてきた。私たちの体内では酸素がエネルギーに使われる際に、一部は有害な活性酸素になる。PKC活性化が、それを手助けしていたわけだ。
 酸化ストレスは血管合併症を進展させるだけでなく、血糖値を下げるホルモン・インスリンが作られる膵β細胞にも障害を与えていたことが、井口講師らの研究で明らかになった。こうした酸化ストレス亢進の流れをターゲットにして、PKCの活性化をいかに阻害して合併症を起こさせないようにするか、また膵β細胞を保護してインスリン分泌を正常化させるか、その創薬に向けた研究も進めている。

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<参考論文>
T. Inoguchi : NAD(P)H oxidase activation: A potential target mechanism for diabetic vascular complications, progressive beta-cell dysfunction and metabolic syndrome. Current Drug Targets 6, 495-501, 2005

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