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例)研究発表 生命科学科
[2005/12/26]
◇アメリカで、九州大学発の創薬を実現!!
拡大写真1 拡大写真2
 ヒトの目に映像を映し出す網膜。その中心にある「黄斑」部分に異常があると、視野の中心部がボケたり物がゆがんで見える。さらに悪いことに、急に失明する。病態を観察すると網膜に栄養を送っている脈絡膜から不完全でもろい新生血管という不要血管が伸びてきて、血液水分が漏れたり破れて出血して黄斑を変質させる。病気の原因はまだつかめていない。欧米人に多いことから、食生活習慣が原因のひとつとみなされている加齢黄斑変性と呼ばれる難病だ。アメリカでは老年期失明原因のトップで、失明した患者が200万人もいる。日本でも食生活習慣が欧米化したためか、年々増え続けている。
 1999年、九州大学医学部眼科が血管新生に関する新規薬理作用物質を発見した。この物質を加齢黄斑変性の治療薬とするために、ベンチャー企業・アキュメンバイオファーマ(鍵本忠尚会長)が、2005年4月に設立された。研究メンバーでもある鍵本医師を会長兼CEO(最高経営責任者)に、九大眼科同門医やベンチャーキャピタルなどから研究開発資金を調達した。すでにこの薬理物質に関する特許をアメリカに申請し、9月にはアメリカの起業支援組織と業務提携に成功した。12月にアメリカに子会社を作り、前臨床試験に入る。臨床試験を経て2010年に、アメリカの製薬会社と共同で新薬を発売したい考えだ。九州大学発のヒット創薬となることが期待されている。
 石橋達朗教授(眼科学)は「高齢化が著しい日本では、加齢黄斑変性患者が将来急増する心配がある」と予想しており、早い商品開発が待たれる。

<拡大写真1:正常眼底> <拡大写真2:加齢黄斑変性>

<写真説明>①視神経乳頭:網膜と脳とつなぐ視神経の出入り口。少し盛り上がっているので乳頭と呼ばれる。②中心窩:網膜の中心にあるくぼみ。③黄斑:中心窩を中心に直径1.5-2.0ミリの範囲を呼ぶ。網膜の中で一番精細に映像を認識できる場所。黄斑が障害されると急激に視力が低下する。

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