TOP > お知らせ・イベント一覧 > 詳細

お知らせ・イベント情報

キーワード検索
例)研究発表 生命科学科
[2005/10/18]
◇高度先進医療として厚生労働省が全国初認可 ―― 九大の膵臓移植

 名古屋在住の小野信子さん(仮称38歳)の表情は明るい。「すべてが新しく、人生をやり直している感じです」。
 3年前に九州大学病院で膵臓(すいぞう)と腎臓を同時に移植する手術を受けた。小野さんは、糖尿病とわかった小学6年生からインスリンの注射を続けて来たが、25歳で網膜症を併発、両方の視力を失った。30歳で腎不全による人工透析を始めた。1型糖尿病の典型的な重症化パターンだった。
 移植を受けたおかげで今では、インスリンを毎日注射する痛みも、腎透析のために週3回透析機械に長時間拘束される煩わしさも無い、健康者の生活を送っている。浮腫を防ぐために飲水量も制限してきたが、もう飲みたいだけ飲める。さらに幸福なことに昨年3月には、コンピュータープログラマーと知り合い、結婚して九州から名古屋に転居した。
 今夏、九州大学病院では9人目の膵臓移植(このうち8人が膵腎同時移植)に成功した。日本ではまだ21例しかない膵臓移植だから、ダントツの実績数だ。その中心が第1外科(田中雅夫教授)の杉谷篤講師。全国の膵臓移植手術の応援に駆け回る。脳死移植の是非論議については「移植でしか助からない人が有れば、それが最善策なら脳死移植に道を開くべきだ」と杉谷講師は語る。
 九州大学病院は昨年12月、膵臓移植が高度先進医療として全国で初めて厚生労働省から承認された。その結果、1千万円近い手術が116万円の自己負担で出来るようになった。
 日本人の糖尿病患者の95%は、過食・肥満・運動不足などによる2型糖尿病である。九大病院では2型糖尿病患者が腎不全になって受ける(膵臓は移植しない)腎臓だけの移植にも積極的だ。過去30年間平均して1、2件だったが、昨年は26例と全国トップレベルだ。

<イラスト説明> 提供者のお腹の中で繋がっていたそのままの形で、膵臓と十二指腸を一緒に最初に移植する。そのあとで、腎臓を移植する。

ページの先頭へ戻る