TOP > お知らせ・イベント一覧 > 詳細

お知らせ・イベント情報

キーワード検索
例)研究発表 生命科学科
[2005/09/14]
◇ 検査困難だった小腸内部を診る――ダブルバルーン電子内視鏡

 50歳代の男性は貧血がひどく、血便が1年以上も続いた。レントゲン造影検査や大腸スコープ検査をしても、胃や大腸に異常が見つからない。かかりつけの病院で輸血をして、持ち直してはまた出血することの繰り返し。「おそらく小腸のどこかに原因がある」と言われた。
 小腸は内部を検査する良い方法がなく、“内臓の暗黒大陸”だ。空腸、回腸合わせて5-6mもある。これまでの胃十二指腸内視鏡や大腸内視鏡では小腸まで届かない。
 九州大学病院第2内科(飯田三雄教授)は、昨年からダブルバルーン電子内視鏡を小腸検査に導入している。松本主之医局長の手で、この男性の“犯人”を空腸で突き止めることが出来た。病名は「小腸腫瘍」。正常粘膜に被われた腫瘍があって出血していた。
ダブルバルーン内視鏡は、小腸内部を映し出すスコープの部分と、スコープを包みこんでいるオーバーチューブの部分の計2箇所に、バルーンが付いていることからそう呼ばれる。この内視鏡は口からでも肛門からでも挿入できる。2個のバルーンを交代で膨らませたり、しぼませたりしながら、一方を小腸壁に固定させている間に他方を進ませて、シャクトリムシのように進む。途中、小腸内部をモニター画面に映し出して異常がないかをチェックしながら奥へ。ポリープがあれば切除したり、止血したりも出来る。
 九州大学病院では、約100例の実績があるが、松本医局長は「小腸の悪性腫瘍の検査法がこれまでなかった。小腸の異常を訴えて来られ、この検査で悪性腫瘍は無いと分かって安心される方が多い」と言う。健康保険も適用される。

<イラスト説明>(左図)オーバーチューブ(グリーン表示)を口から挿入しバルーンを膨らませて小腸壁に固定する。(右図)チューブ内の内視鏡ファイバーをさらに奥に挿入して、赤の位置で固定する。これを繰り返しながら進んで小腸全体を診る。


ページの先頭へ戻る