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例)研究発表 生命科学科
[2007/08/03]
◇やあ やあ やあ 川原 尚行さん 41―― スーダンに惹かれたから。

  UAE(アラブ首長国連邦)のエミレーツ航空でスーダンの首都ハルツームからドバイ経由で、約15時間かかって日本へ。川原さんが今身を置くガダーレフ州シェリフ・ハサバッラ村の診療所は、ハルツームからさらに500、600㌔東にある。車であと1時間も行けば隣国エリトリアである。「ここはスーダンの医療人は文化の違いなどから行きたがらず、州政府の医療サービスがほとんど行き届いていない」とか。
 日の出前に起床、8時から午後4時ごろまで診療。日中は50度という猛暑。着いたとき診療所にあったのはベット、机、椅子だけ、電気はなく水はドラム缶入りだった。まずは発電機、ポンプを設置して水を井戸からくみ上げて屋上にタンクを作った。こうした支援をするのは、川原さん自らが理事長となって設立したNPO法人ロシナンテスである。
 川原さんとアフリカとの縁は1998年、タンザニア日本大使館の医務官として勤務したことに始まる。3年半の勤務のあとロンドン大学で熱帯病医学を1年間勉強して、次に赴任したのがスーダンだった。国内の政情が今よりもまだまだ不安で、国際的にはテロ支援国家とされ、ODAによる経済支援が止まっていた。
 日本のODAで建設されながら支援が途絶えていたハルツームのイブン・シーナ病院(ベッド150床,消化器、耳鼻、泌尿器各科)を、川原さんは2003年からインフラ面での支援を再開させた。しかし「医務官という立場では、一医師としてやりたいことをやれない」。2005年、外務省を退職しイブン・シーナ病院を拠点に独自の医療活動を始めた。  
 ユニセフで働いていた高校時代のラグビー仲間なども支援してくれ、2006年4月に現地でもロシナンテスを設立した。セルバンテスの小説「ドンキホーテ」の主人公がまたがるやせ馬ロシナンテ。「自分はまだそのやせ馬同然。仲間と合わせてロシナンテスだ」。
 日本とスーダンの医療技術者の交流、ガダーレフ州の巡回診療など、現地の医療レベル向上のためにやれることから始めた。日本人の医学生研修も呼びかけて今年の春は北海道、長崎、鹿児島から訪れてきた。州政府の依頼で、今年からハサバッラにわら葺き民家を建てて、診療所で働くスーダン人のスタッフと5人の共同生活が始まった。
 一部の病院を除いてカルテがない。多くの人が誕生日も不明なお国。川原さんは今、アラビア語で日本の母子健康手帳を製作中だ。「出生証明や子供の診療記録になる。同時に教育の普及にもなる」という。実際の普及には識字率を高めたり難題が多すぎる。
 最後に後輩医学生へのメッセージをどうぞ。
「自分の立場は、何も無いところから患者さんにどうアプローチするのかを考えなければならない。医学の勉強だけでなく、様々な経験によって医師としての世界観、観点が養えると思う」。
<写真説明> スーダンで診療する川原さん。
メモ
NPO法人ロシナンテス 2006年5月設立。事務局は〒802-0066 北九州市小倉北区萩崎町9―35。協力会員約800人。電話093-922-6470。http://www.rocinantes.org/

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