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例)研究発表 生命科学科
[2008/06/18]
◇医学系大学院改革―今年度から、博士課程を6専攻から1専攻5コースに。

九州大学では、大学教育の大学院重点化方針に沿って、平成12年度から大学院組織を大胆に改編した。各学部の上位にある研究科というとらえ方ではなく、柔軟性を持たせることでより時代に沿った学際的な研究も行うことができるように組織を改め、教員の研究組織である「研究院」と学生が所属する教育組織「学府」を設置するという全国初めての試みを行った。
 平成19年度の医学系学府改革では、主任教授以下の教室任せであった臨床研究に関する教育が系統的でないなどの反省から、①臨床に関する基本的な知識や技能を1年間で習得する②医学史や医学倫理を初年次必修―と教育内容を充実させた。これを、②勤務医などの院生が受講し易いように原則夜間の授業にした。さらに大きな特徴は、③ポートフォリオを導入した点。ポートフォリオとは、受けた講義や実習、研究理論や技術の習得状況、学会研究会での発表、国内外留学、読んだ書籍や論文などを一元的にファイルし、整理していく。従来大学院生の評価は論文だけだったが、この方法によって学習到達度や学習活動なども総合的に評価することが可能になった。
 従来、医学系学府の博士課程は、機能制御、生殖発達、病態、臓器機能、分子常態、環境社会の6つの医学専攻から構成され、縦割りの「たこつぼ教育」が行われていた。しかし21世紀は医学知識だけでなく、薬学、理学、工学、農学などと融合した知識が求められ、生命情報学やシステム生物学などの新しい領域の学問も生まれている。そうした社会のニーズに合った人材を養成するため、平成20年度からさらに思い切った改革を実行した。
 その内容は、特定の専門領域の研究者ではなく、他分野の知識も身につけた医師科学者(Physician Scientist)や研究者を養成するために、6つの専攻を一本化したことである。その上で新たに①基礎医学研究者養成、②バイオメディカルリサーチ、③臨床研究専門教育、④がん専門医師養成、⑤生活習慣病研究教育、の5つのコースに改編した。がん専門医師養成には、臨床腫瘍医師養成と放射線腫瘍医師養成を設けて、単なるがんの専門医ではなくそれぞれ「指導的立場になるがん専門医」を育成することにした。この変革により個々の大学院生の目的に応じた最適なコースを選択履修可能となる横断的システムへと教育体制が変わり、次世代型の研究・教育者を養成できるものと期待されている。
〈写真説明〉写真は改定された医学系学府博士課程の授業計画


関連記事 (九州大学医学部同窓会「学士鍋第145号(平成19年12月20日)」より)
九州大学大学院医学系学府一専攻化について 医学研究院副研究院長 飛松 省三

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