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セミナー 学会・シンポジウム 市民公開講座

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例)研究発表 生命科学科

セミナー第8回応用幹細胞医科学部門セミナー【アルバートアインシュタイン大学 廣井先生】

  • [開催日時]2016年3月8日(水)17:00-18:00
  • [開催場所]総合研究棟1階105号室
  • [対象]どなたでも参加可能です
備考・問合せ先
統合失調症と自閉スペクトラム症に関与する遺伝子に関する研究成果などをお話しいただく予定です。
ご興味のある方はふるってご参加ください。宜しくお願い申し上げます。

第8回応用幹細胞医科学部門セミナー

日時:2016年3月8日(水)17:00-18:00
場所:総合研究棟1階105号室
対象:どなたでも参加可能です

演者:廣井 昇 先生(アルバートアインシュタイン大学 教授)
講演タイトル:22q11.2染色体数変異--統合失調症と自閉スペクトラム症に関与する遺伝子、行動表現型の解体--

要旨:
2007年に発見されたcopy number
variants(CNV)と総称される染色体欠損重複は、精神疾患との連鎖が前例がないほど高く、自閉スペクトラム症、統合失調症、知的障害など広範な精神疾患のメカニズム解明へ有力なエントリーポイントとなった。特に、染色体22q11.2欠損と自閉スペクトラム症との連鎖は他のCNVに先行して2002年から既に知られており、早い時期から人およびマウスモデルでの研究が進めれれてきている。そのなかで、マウスモデルでの遺伝子背景、行動解析の問題点が浮き上がってきている。
われわれのグループは22q11.2重複欠損マウスを使い自閉スペクトラム症に関与する遺伝子の同定および詳細な行動解析を行ってきた。この研究から、22q11.2CNV内の特定の遺伝子が自閉スペクトラム症の様々な要素に発達時間軸で寄与していることが明らかになってきた。特に、転写因子TBX1はmutationを持つ自閉スペクトラム症患者が数例見つかり、またTbx1欠損マウスは相互社会行動低下、作業記憶能力低下、非マウス物体に対する興味亢進およびストレス下での不安行動亢進を呈する。
仔マウスは母親から離された時10種類ほどの超音波発声型を示すが、Tbx1欠損マウスは特定の発声型が減り、しかも短い。Tbx1欠損マウスの発声型は選択肢が狭まり、これらを連続で発声する場合も野生型とは異なる仕方で発声型配列をする。更に野生型では発声型配列の個体間でのばらつきが見られるが、Tbx1欠損マウスは個体間でばらつきが無く、同じような発声型配列が低エントロピー値として検出された。柔軟性の欠如あるいは個体間でのばらつきの欠如は生まれてから第一週以内で既に仔マウスの発声配列で見られることがわかった。
このように変容した初期発声配列は母親との社会コミニケーションにも作用する。高周波数でも音量を維持できる熱を媒体として発声を再現する装置を使い、野性型仔マウスの発声は母親の接近行動を誘引するがTbx1欠損マウスのそれはできないことを見出した。このことは、自閉スペクトラム症のリスク遺伝子欠損はそれを持つ個体のみで表現型を決定するのではなく、その表現系によって新たに誘引された最適でない母性行動のようなself-generated
environmental factorによってもその最終的な症状の重篤度が影響されうるとこを示唆する。
われわれは更にTbx1が脳内でどのような役割をしているかをマウスおよび細胞モデルで検証した。Tbx1欠損マウスは海馬成体幹細胞の数が少なく、培養細胞でもTbx1レベルをsiRNAで落とすと成体幹細胞増殖が低下する。このことから、Tbx1の一機能は成体幹細胞の正常な増殖を維持することが示唆される。現在われわれは成体幹細胞あるいは成熟神経細胞でTbx1欠損が起こるconditional
Tbx1欠損マウスを作成し検証している。これら二系マウスで同一でない自閉スペクトラム症に関連した表現型が出ることから、Tbx1が成体幹細胞と成熟神経細胞でそれぞれ独自の役割を担っていることが示唆される。
22q11.2CNVマウスモデルでの結果および問題点は、自閉スペクトラム症や統合失調症を高率で発症する他のCNVあるいは単一遺伝子モデルマウスの解析に役立つものであると思われる。



九州大学医学研究院
応用幹細胞医科学部門
基盤幹細胞学分野
中島欽一

セミナー循環器内科学セミナー【ラトガース、ニュージャージー医科大学 佐渡島先生】

  • [開催日時]2017年3月13日(月)18:00-19:00
  • [開催場所]総合研究棟105室
  • [対象]
備考・問合せ先
佐渡島純一教授は心不全の分子機構や心筋の生存・細胞死に関する研究で世界的に活躍されており、近年はHippo Pathwayに関する新たな知見を数多く報告されています。皆様のご来聴をお待ちしております。

演者:佐渡島 純一 教授
所属:Department of Cell Biology and Molecular Medicine, Rutgers New Jersey Medical School(ラトガース、ニュージャージー医科大学)
タイトル:「心臓におけるHippo Pathwayの生理的な機能-心筋の脱分化によって引き起こされる心不全-」

●日時:2017年3月13日(月)18:00~19:00
●場所:総合研究棟105

【要旨】
アメリカ、ニュージャージー州にあるわれわれの研究室では、心不全をもたらす分子メカニズムをマウスモデルを用いて研究している。Hippo Pathwayは種を超えて保存され、アポトーシスを促進し細胞増殖を抑制することにより、臓器のサイズをコントロールする重要な情報伝達系である。我々は、今までにHippo Pathwayが心臓において圧負荷などのストレスによって過剰に活性化され、下流に位置する転写補助因子であるYAPを抑制し、心不全の促進に重要な役割を果たすことを報告してきた。
しかしながら、成人の心臓ではいったん細胞死に陥ると再生が起こりにくいことを考えると、そもそも何故心臓にアポトーシスを促進する情報伝達系があり、心筋細胞の生存と増殖を促すことで本来心臓にとって保護的に働くはずのYAPが抑制されるのか疑問である。我々は、Hippo Pathwayの欠如とそれによるYAPの恒常的な活性化は、心筋細胞の脱分化を誘発し、圧負荷を受けた心臓では収縮機能の低下がもたらされることを見出した。
セミナーでは、YAPの活性化によってもたらされる心機能の低下の例を提示し、心臓は細胞死に陥るという危険を冒してまで分化した状態、すなわち良好な収縮機能、を保とうとするという仮説を検証したい。

担当:循環器内科 松島(内線5360)

セミナー第137回臨床化学セミナー【奈良先端科学技術大学院大学 吉本先生・佐々木 先生】

  • [開催日時]2016年3月14日(火)17:00-19:00
  • [開催場所]北棟2階 検査部会議室
  • [対象]
備考・問合せ先

近年、機械学習技術(を基盤とする人工知能AI)が世の中を席巻し、生命科学や医療分野を始めとする様々な分野でパラダイムシフトをもたらしているのはご周知の通りだと思います。本セミナーは、情報科学者による初学者向けの機械学習入門講座になっております。ぜひこの機会に機械学習の扉をたたき、自らデータ解析を担わんとするきっかけを掴んでいただければと考えています。

 

皆様のご来聴を歓迎いたします。

 

 

第137回臨床化学セミナー(検査部と精神科共催)

演題: 機械学習技術を活用した多元生理データからの知識発見
 
演者:○吉本 潤一郎・佐々木 博昭(奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
 
日時:3月14日(火)17:30-19:00

場所:九州大学病院北棟2階 検査部会議室
 
世話人 瀬戸山大樹(内線5752)、加藤隆弘(内線5627)
 
概要
機械学習とは、与えられたデータからその背後に潜む規則性を発見し、予測や意思決定に役立てようとする情報技術の総称である。計測技術の発展に伴い、あらゆる分野で利用できるデータの大規模化と高次元化が進み、人手によらない機械学習を活用した知識発見の自動化が試みられている。しかしながら、一言で機械学習といっても多種のアルゴリズムが提案されており、各アルゴリズムの特性を知らないままに活用しても、多くの場合は望ましい結果を得ることはできない。そこで、本発表では、初学者が代表的な機械学習手法をユーザとして利用する際に最低限理解しておきたい概念や理論を解説し、医学・生命科学分野におけるその代表的な応用例を紹介する。また、情報科学を専門とする著者らが、医工連携として近年取り組んでいる1) 情動制御の神経メカニズムの解明に向けた情報基盤の開発と2) 客観的指標によるうつ病診断とサブタイプ同定を目指した多元生理データ解析に関する研究について紹介する。
 
 参考文献
・Nagai T, et al. (2016). Phosphoproteomics of the Dopamine Pathway Enables Discovery of Rap1 Activation as a Reward Signal In Vivo. Neuron, 89(3), 550–565.
・Shimizu Y, et al. (2015). Toward Probabilistic Diagnosis and Understanding of Depression Based on Functional MRI Data Analysis with Logistic Group LASSO. PLOS ONE, 10(5), e0123524.
・Yoshida K, et al. (in press). Sparse kernel canonical correlation analysis for discovery of nonlinear interactions in high-dimensional data. BMC Bioinformatics.
 

セミナー第9回応用幹細胞医科学部門セミナー【Austin Smith博士(ケンブリッジ大学教授)】

  • [開催日時]2017年3月31日(金)16:30-18:00
  • [開催場所]コラボステーションI 視聴覚ホール(2階)
  • [対象]どなたでも参加可能です
備考・問合せ先
 以下の通り、ケンブリッジ大学のAustin Smith博士をお招きし、セミナーを開催いたします。


Smith博士は、今では当たり前になった、フィーダー細胞なしでもサイトカインLIFの添加によってES細胞の未分化状態を維持できることを世界に先駆けて発見され、それ以来一貫して多能性幹細胞の研究を行っておられます。その過程では、LIFと同時に2つのキナーゼ阻害剤を加えることで、ground stateと呼ばれる均一なES細胞集団を得るという画期的な方法(2i法)も開発され、それまで困難であったラットES細胞の樹立にも応用されています。また、山中先生と同時期に、Nanogと呼ばれるES細胞の未分化状態維持に重要な転写因子も同定されています。

今回は、ナイーブとプライムドという2つの多能性維持状態をつなぐ、第3のフォーマティブ多能性状態の発見を中心にお話いただく予定です。

皆さま、奮ってご参加ください。

【第9回応用幹細胞医科学部門セミナー】
日時:2016年3月31日(金)16:30-18:00
場所:病院キャンパス コラボステーションI 視聴覚ホール(2階)
対象:どなたでも参加可能です
演者:Austin Smith博士(ケンブリッジ大学 教授)
講演タイトル: The pluripotency continuum in mammals: phases and states
要旨:
The regulative capability of single cells to give rise to all primary embryonic lineages is termed pluripotency. Observations of fluctuating gene expression and phenotypic heterogeneity in vitro have fostered a conception of pluripotency as an intrinsically metastable and precarious condition. Two pluripotent states, called naïve and primed, have previously been proposed. However, in the embryo and in defined culture environments the properties of pluripotent cells progress through an orderly sequence of transitions. This developmental continuum may be more appropriately considered as a series of phases rather than a binary state transition. Specifically, an enabling third phase, termed formative pluripotency, may exist to fill the continuum between naïve and primed pluripotency. The formative phase is hypothesised to encompass remodelling of transcriptional, epigenetic, signalling and metabolic networks in order to constitute multi-lineage competence and responsiveness to specification cues. The phased progression of pluripotency is expected to be broadly conserved in mammalian embryos and reflected in the capture of discrete stem cell states in vitro, although specific features may vary. Data will be presented for mouse and human pluripotency.

九州大学医学研究院
応用幹細胞医科学部門
基盤幹細胞学分野
中島欽一

セミナーに関する問い合わせ先:
今村拓也(imamura(a)scb.med.kyushu-u.ac.jp)
※(a)を@に置きかえてメールをご送信ください。

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