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セミナー第10回応用幹細胞医科学部門セミナー【シンシナティ小児病院医療センター 吉田先生】

  • [開催日時]2017年6月21日(水)17:00-18:00
  • [開催場所]総合研究棟1階105号室
  • [対象]どなたでも参加可能です
備考・問合せ先
以下の通り、シンシナティ小児病院医療センターの吉田 富(よしだ ゆたか)博士をお招きし、セミナーを開催いたします。

吉田博士は、歩行運動及び巧緻運動における神経回路形成・再構築について研究を行って来られました。また、海外で独立した研究室を運営し活躍されている研究者でもあります。

今回は、これまでに一連の内容に加え、高等霊長類における巧緻運動制御の進化に関与している可能性を示唆する最新の成果もお話いただく予定です。

皆さま、奮ってご参加ください。

【第10回応用幹細胞医科学部門セミナー】

日時:2017年6月21日(水)17:00-18:00
場所:総合研究棟1階105号室
対象:どなたでも参加可能です

演者:吉田 富 博士(シンシナティ小児病院医療センター 准教授)

講演タイトル:

運動系の神経回路再構築
Reorganization and synapse elimination of corticospinal circuits underlying skilled movements

要旨:
我々の研究室では、歩行運動及び巧緻運動における神経回路について研究を行っている。今回のプレゼンテーションでは、巧緻運動の神経回路を中心に我々の最近の研究結果を報告したい。哺乳類の巧緻運動は、幾つかの特徴を有する。第一に、機能的に関連する筋肉群の協調的活性化または抑制するために、生後の発生において運動系の神経回路の再構築を必要とし、発達中に巧緻運動の習得が徐々に起こる。我々は、最近、その神経回路再構築に、神経活動依存的、非アポトーシスBax/Bak-caspase経路が関わっている事を報告した(Gu et al., 2017, Neuron)。第二の特徴として、異なる種では、巧緻運動を行う能力が異なる事が知られている。例えば、霊長類の手の器用さは、他の動物よりも優れている。この形質は、哺乳動物皮質脊髄路の進化の間に皮質ニューロンと運動ニューロンの直接の結合(corticomotorneuronal(CM)connection)の出現と共に現れ、霊長類に独特であると考えられていた。しかしながら、我々は出生後早期のマウスでCM connectionが存在することを見出した。更に、このCM connectionはSema6D-PlexA1シグナル伝達によって排除されることを示した。PlexA1 変異マウスは成人期にCM connectionを維持し、コントロールのマウスと比較して優れた手指の器用さをもたらした。また、PlexA1の発現は、マウスの皮質ニューロンで強いがヒトでは弱い事が分かった。最後に、PlexA1の発現は、高等霊長類にのみに見出されるFEZF2
cis-regulatory elementsによって調節され得る事を見出した。従って、PlexA1発現の種特異的調節は、高等霊長類における巧緻運動制御の進化に関与している可能性が考えられた(Gu et al., in revision)。

Skilled movements including reaching and grasping have two unique features in mammals. First, the acquisition of skilled behaviors gradually occurs during postnatal development, requiring anatomical changes in neural circuitry to support the development of coordinated activation or suppression of functionally related muscle groups. We recently reported how the activity dependent, non-apoptotic Bax/Bak-caspase pathway regulates reorganization of CS motor circuits in mice (Gu et al., 2017, Neuron). Secondly, different species vary in their abilities to perform different skilled movements. For example, manual dexterity in higher primates is often superior to that of other animals. This trait emerged together with the appearance of cortico-motoneuronal (CM) connections during the evolution of the mammalian CS system, and was thought to be unique to higher primates.
However, we identified CM connections in early postnatal mice, which are eventually eliminated by Sema6D-PlexA1 signaling. PlexA1 mutant mice maintain CM connections into adulthood, resulting in superior manual dexterity compared to controls. Furthermore, differing PlexA1 expression in layer 5 of the motor cortex, which is strong in wild-type mice but weak in humans, may be regulated by FEZF2-regulated cis-regulatory elements that are found only in higher primates. Thus, species-specific regulation of PlexA1 expression may be crucial to the evolution of enhanced fine motor control in higher primates.

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