文字サイズ
文字サイズ_小
文字サイズ_中
文字サイズ_大
color
ごあいさつ

教授挨拶

教授 廣岡 良隆


廣岡 良隆

 このたび、九州大学大学院医学研究院に寄附講座 先端循環制御学講座が開設され、2011年4月1日より私廣岡 良隆が本講座の教授に就任致しました。以下に、本講座の紹介と私の抱負について述べさせていただきます。

 本講座は、心不全や血圧調節異常(高血圧症、肺高血圧症)等の難治性循環器疾患の根幹である制御破綻の機序を解明することにより、画期的な診断法や治療法を開発することを目指すものであります。同時に、当該領域の研究を担うことのできる人材を育成し、先端医学の開発を通じて、国民の健康と福祉に貢献することを目的として設置されました。

 先端医学の目覚ましい進歩にも関わらず、循環器疾患は人類最大の死因であり、日本人の主要な死因にもなっています。その最大の危険因子は血圧異常であり、循環制御の破綻がその根幹をなしています。長期における血圧調節異常は心不全を惹起します。左心不全の予後は不良であり、5年生存率は約50%であり治療法の進歩にもかかわらず劇的な改善は未だ認められていません。さらに、高齢化社会を迎えた現代、その患者数は増加しています。また、肺高血圧に由来する右心不全はさらに予後が悪いことが知られています。したがって、これらの克服は国家的な急務であります。

 このような背景の元、難治性循環器疾患を克服するために、循環制御機構や心不全の発症機構について、世界中で多くの研究が推進されてきました。その結果、循環制御の破綻は心不全を惹起するだけではなく、心不全が循環制御を破綻させる悪循環に機序が背景にあることが明らかになってきました。しかしながら、何が悪循環の引き金を引くのか、依然として未解決です。この問題を解決するためには、循環制御の破綻と心不全の発症に関する研究を一元的に進めることが不可欠であります。幸い九州大学大学院医学研究院循環器内科では、循環制御に関して最先端の研究が推進されています。また、心不全の発症機構に関しても、世界を先導する研究開発が進められています。そこで、これらの研究資源を駆使して、循環制御と心不全発症機構に関する研究を一元化して行う組織を設置することができれば、難治性循環器疾患の克服に大きく貢献することができます。

 具体的な教育、研究、臨床の概略は下記の通りです。これらを通じて臨床現場での診療の向上に貢献していきたいと考えております。

教育について

  1. 血圧調節異常の病態生理学、その分子生物学的機序および治療
  2. 肺高血圧症の病態生理学、その分子生理学的機序および治療
  3. 左心不全の病態生理学、その分子生理学的機序及び治療
  4. 右心不全の病態生理学、その分子生理学的機序およびその治療

研究について

  1. 血圧異常の発症進展における神経体液性循環制御機構の解明およびそれに基づいた診断治療法の開発
  2. 肺高血圧症の発症進展における神経体液性循環制御機構の解明およびそれに基づいた診断治療法の開発
  3. 血圧異常から左心不全に至る神経体液性循環制御機構の解明
  4. 血圧異常から右心不全に至る神経体液性循環制御機構の解明
  5. 難治性左心不全における神経体液性因子活性化機序解明およびそれに基づいた治療法の開発
  6. 難治性右心不全における神経体液性因子活性化機序解明およびそれに基づいた治療法の開発
  7. 基礎研究で得られた成果を診断・治療に応用する臨床研究

臨床について

 本講座の教員は九州大学病院・循環器内科での診療に携わります。特に上記教育・研究に関わる分野では難治性心不全・治療抵抗性高血圧症(【ご来院の方へ】 【医療従事者の方へ】)に対するコンサルトを受け、肺高血圧症については専門外来が開始されます。

 このように本講座では循環器疾患の病態に本質的に関わる循環制御機構を明らかにし診断・治療法開発を目指していきます。また、そのような知識・思考法を身につけた循環器専門医・医学者を育成し、明日の医療を創造することに勢力を注ぎたいと考えています。


▲ページの先頭へ戻る