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教室について

バイオニック研究室

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研究概要


砂川 賢二の研究教育歴プロフィール

1974年九大医学部卒。78年に米国ジョンス・ホプキンス大学医学部生体医工学、同循環器内科に留学。講師、助教授を歴任し、心臓力学の研究および生体医工学の教育に従事。83年帰国し、九大循環器内科にて循環制御の研究。92年より国立循環器病センター研究所部長、心臓内科部長、世界で初めてバイオニック医学を提唱。砂川は世界に先駆けてバイオニック医学の概念を提唱すると共に、実際に循環器領域に導入し、とりわけ神経リンクを利用して循環の神経制御システムに介入するバイオニック心臓病学は劇的な成果を上げてきた。これらの業績は国内外の評価を受け、米国心臓学会(AHA)で最高の栄誉であるPaul White Awardを2000年に受賞。国内外特許は総数37件にのぼる。04年より九大循環器内科教授、05年よりデジタルメディシン・イニシアティブ長を兼任し、計算心臓病学の開発に関する研究に従事している。

バイオニック医学

近年の医学の進歩はめざましく、従来は難治と思われた幾多の疾患が救われるようになってきた。このような医学の進歩は2つの要因に支えられている。一つは遺伝子関連の科学に支えられた分子生物学である。分子生物学の進歩により、特定の疾患に関しては原因遺伝子が突き止められ、その遺伝子情報を元に治療薬剤の開発が可能になってきた。
バイオニック=医学×生命科学×工学もう一つの要因はコンピューター、ITに象徴されるハイテクである。当初はレントゲンや心電計などの極めて単純な医療技術しか存在しなかったが、その後の進歩は目覚ましく、昨今の医療はこれらの医療機器の存在を除外しては考えられない状態になっている。しかしながら医療機器は、極端なまでに診断装置としての応用に止まっている。近年のマイクロプロセッサに象徴されるハードウエアの高機能化やナノ化、さらに情報や信号処理の論理の発展により、これらのハイテクを難治性疾患の治療に応用するバイオニック医学の可能性が開けてきた。バイオは命、遺伝子など生物系を表し、ニックは電子、工学、IT等ハイテクを象徴している。バイオニック医学は生命科学と先端工学を融合させることにより、従来の医学体系では治療が困難であった疾患の治療を目指す全く新たな医療体系である。

バイオニック医学の基本的な考え方

生体は多くの機能単位で構成されている。生命を維持するためにはこれらの機能単位は相互に整合性のある働きをしなければならない。そのため、生体においては機能単位を統合するための制御系が高度に発達している。バイオニック医学では、この高度に発達した生体の制御系と治療機器を機能的に融合させることにより、疾病により脱落あるいは失調した生体機能の再建を目指す。

周知のように循環器疾患に用いられている薬剤の多くは循環の調節系に作用する。ベータ遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬等その例である。心不全や高血圧などの一般的な循環器疾患においてこれらの薬剤が有効であることは、裏を返せば循環器疾患においては調節系の破綻が病態の本質に深く関わっていることを示している。従って、循環調節系の中枢たる脳幹部と情報交換をする仕組みや、脳幹部の機能が破綻した際に脳幹部機能を代替する仕組みを構築することができれば、多くの循環器疾患がデバイスを用いて治療できる可能性が出てくる。

このようなバイオニック心臓病学では循環器系の詳細なモデリングが必要になる。モデルを用いることで、限られた臨床情報から病因診断が可能になり、その結果、治療戦略が合理的にたてられる。従って、バイオニック医学では生体モデリングは極めて重要な研究開発要素になる。 我々はこのような背景に基づき、工学的に循環調節系に直接介入することで難治性循環器疾患を治療するバイオニック心臓病学の開発を進めてきた。

バイオニック心臓病学の主要な領域

現在の主要な研究開発領域は以下の3つである。

  1. 経神経的な循環器疾患の治療
  2. 生体の詳細な数値モデル:デジタルメディシン
  3. 究極の医療:自動的な診断治療

 

我々の研究により、これらの領域においてバイオニック心臓病学は劇的な治療効果をあげることが明らかになった。この業績で、2000年のAHAでPaul Dudley White Awardを授与された。
Paul Dudley White Award2000

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