P2PSA測定試薬の基礎検討 (2011.4.19掲載)
 [はじめに]
近年、わが国における前立腺がんによる死亡者数は年々増加傾向にあり、前立腺がんの早期発見を目的として前立腺特異抗原(PSA)検査が広く用いられています。しかしながらPSAのがん特異性は部位特異性と比較して低く、より正確にガン/非ガンの鑑別を行う腫瘍マーカーの発見が切望されています。現在でも様々なマーカーの研究が行われており、その中でも遊離PSA(fPSA)のアイソフォームの一種である [-2]proPSA(P2PSA)が前立腺がんの鑑別に有用であることが示唆されており、P2PSAの普及により不要な生検の回避など患者さんへの負担軽減につながることが期待されています。
しかしながらP2PSAについての評価は日本国内では未だ実施されていないのが現状です。
今回、P2PSA測定試薬の基礎的な性能評価を行い、臨床での使用に耐えうる性能を有するか検証を行うことを目的としています。
 [対象]
今回の検討で使用する試料は、日常検査のために採取され、検査を終えて廃棄する予定の患者さんの血清 (ゲノム情報はございません。) を利用させていただきます。 検体の取扱いについては患者名や職員名、患者IDや職員IDを一切使用せず個人情報の保護に十分に留意します。なお、検討用試料は平成22年4月1日から平成23年2月28日までに採取された検体を利用します。
 [研究内容]
今回、P2PSA測定試薬及び専用分析器の性能評価として同時再現性、日差再現性、希釈直線性、干渉物質の影響、測定レンジの検証、添加回収試験、キャリーオーバーテストを行います。また、がん判別インデックス (phi) の評価の際に使用するPSA、fPSAについても同時再現性等の評価を行います。検証で使用する検体は日常検査のために採取され、検査部に提出された患者検体 (ゲノム情報はない)の残余分を使用します。今回の検討目的で患者さんより新規に採血することはありません。
 [患者さんの個人情報の管理について]
本研究では個人情報漏洩を防ぐため、すべての試料は年齢、性別、主要な疾患名、測定値の情報のみ抽出し、連結不可能匿名化を行います。個人を特定できる氏名、ID番号等の情報は削除します。したがって、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
 [研究期間]
研究を行う期間は承認日より平成24年3月31日です。
 [医学上の貢献]
今回の検討により前立腺がんの早期発見および前立腺がん、良性腫瘍の鑑別に大いに寄与することが期待できます。
 [研究機関]
九州大学病院 検査部
     部 長    康 東天 (責任者)
         技師長   栢森 裕三
            主任  堀田 多恵子

ベックマン・コールター株式会社
ダイアグノスティックス学術統括部門 部門長 渡邊 正一
同 ダイアグノスティックス学術統括部門 アプリケーション課 満武 忠大
連絡先: 九州大学病院 検査部
    〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
    п@092-642-5749