九州大学医学部附属病院検査部  2003年11月1日
検 査 だ よ り
第22号

■細菌検査の新システムが6月より稼動しました■

オーダー画面
・一般細菌検査と抗酸菌検査が1材料より同時にオーダーできるようになりました。
・体温、採取部位(フリー入力可)、オーダーコメント(フリー入力可)等、より詳細な臨床情報が入力可能となりました。

結果照会画面
IBM結果照会画面から、Web☆を経由して検査結果を参照できるようになりました。


Webページ独自の特徴として、
@一部の塗抹検査結果について染色画像を添付しています。
A単語をクリックすることでその単語の意味や判定基準を閲覧できます。

  Webメニュー
    感染症情報、院内感染情報等を掲載しています。感染症治療にお役立て下さい。
    (一部、セキュリティー上閲覧できないメニューがあります。)
      ・感染症診療支援情報・院内感染対策情報
      ・感染症教育研究情報(リンク集)・細菌検査室(ホームページ)
    ※8月末より細菌検査室のホームページを開設しています。
      IBM診療支援→オーダー管理→細菌検査室メニューでWebにアクセスし、細菌検査の掲示板より閲覧できます。     
     当検査室の検査項目とその内容、提出時間、提出容器について詳細を提示しています。検体提出、結果照会の際
     に参考にして下さい。

  Webアクセス法
    @IBM診療支援→オーダー管理→細菌検査室メニューよりアクセス。
   AIBM診療支援→診察→結果紹介→検査Web→細菌検査よりアクセス。      


正しい検体の採取から検査部までーその12
( 濱崎直孝 )

 検体検査の主力部隊が南病棟2階に移転し5ヶ月が経過しました。検査部内の我々も新システムに慣れてきましたし、病院関係者の皆様の御協力もあり、院内に新システムが定着してきたように思います。検査部としてはこれから益々検査の質ならびにサービスの向上へと努めてゆく覚悟です。宜しくお願い致します。今回の「正しい検体の採取から検査部まで」は、血清と血漿の問題点です。

血清か血漿かどちらを測定するのか?
 血液(全血)を凝固させ血小板や凝固因子を除いたものが血清 (serum) です。血清成分は凝固の諸因子が除かれており、血小板の細胞成分や代謝物が増加しています。一方、抗凝固剤入りの容器に採血した血液を遠心分離して細胞成分(赤血球、白血球、血小板)を除いたものが血漿 (plasma) です。血清を用いて測定した時と血漿を用いて測定した場合で、いくつかの検査項目では明らかに違いがでてきます。表1と図1にまとめておりますが、カリウム、無機リン酸、乳酸、アンモニアなどは血清が有意に高くなります。これは、血小板などの細胞成分に含まれているこれらの成分が凝固反応過程に血清中へ漏出するからです。

 図2には、血清中と血漿中のカリウムの差(血清中が高い)が血液中の血小板数に比例している結果を示します。酸性ホスファターゼ、ニューロン特異性エノラーゼ、ドーパミンやセロトニンなど血小板に多く含まれている項目は血清では正しく測定できません。

血清 (serum) と血漿 (plasma) の違いをまとめる。
・凝固反応過程で消費されるもの:フィブリノーゲン、血小板、グルコース
・凝固反応過程で細胞から遊離してくるもの:カリウム、乳酸脱水素酵素(LDH)、無機リン酸、アンモニア、乳酸
・抗凝固剤が測定を阻害するものや抗凝固剤からの混入:γ-GTP、リチウム(炎光分光光度計で定量した場合)
・測定方法が原因で差がでるもの
・フィブリノーゲンが原因となるもの:免疫反応

血漿が血清より都合がよい点
・測定までの時間の節約:凝血する(通常、室温で30分間)まで待たずに遠心することで直ちに検体を得ることができる。
・検体の収量が増える:血漿の方が血清より約15ー20%多く検体を取れる。
・血清だと血清分離後に凝固反応が続いている場合がある。
・血漿の方がより生体内の状態を反映している。
・溶血や血小板が壊れている程度が少ない:健常人で血漿の遊離ヘモグロビン濃度は血清の約10分の1であり、血漿では血小板
 の破壊が原因の異常な高カリウム値を得ることはない(血清では偽高カリウム血症がでることがある)。

血漿が血清よりも不都合な点
・蛋白質の電気泳動分画像が変化する。フィブリノゲンがγ-グロブリン領域にピークを形成しM-蛋白血症の診断を紛らわしくす
 る。

・抗凝固剤が測定の障害になることがある:抗凝固剤はキレート剤である種(アルカリフォスファターゼなど)の酵素活性を阻害
 する場合が あるし、又、幾つかの測定法を阻害することがある。それ故に、用いる測定方法に対する抗凝固剤の影響を調べて
 おく必要がある(
EDTA、クエン酸、ヘパリンの影響など)。

・陽イオンの混入:ヘパリンはリチウム塩やアンモニウム塩としても市販されているので、このようなヘパリン塩中へ採血した血
 漿はリチウムやアンモニウム測定に適していない。

   まだまだ、血清と血漿の問題はつづきますが、紙面の都合で今回はここまでにしておきます。


               表1                          図1    


               図2


    
             更なる検査の充実をめざして

                                           検査部技師長 栢森裕三

 前号の「検査だより」でお知らせ致しましたように、本年6月新規に開始した内容として細菌検査システム、迅速検査システム、そして生理検査の新項目があります。各診療科への新たなサービスとして現在順調に検査情報を提供しております。
 その中で、迅速検査システムであるPOCT(Point Of Care Testing)は限定した診療科のみでの試験的な提供を行い、運用に関しては試行錯誤を繰り返しておりまがすが、さらなる努力を継続して行っているところであります。また、細菌検査システムは、その後も充実した情報提供を随時行い、すでに7月から血液培養が陽性になったことを常時お知らせするシステム(塗沫同定は今後の課題ですが、)や、新規検査として真菌の薬剤耐性検査を実施致します。このように細菌検査に関しては今まで以上に新規検査項目の充実とさらなる院内感染情報の発信を目標に日々努力しております。一方、いくつかの診療科からは、現在検査部で実施していない項目を院内で実施することにより、検査のさらなる充実を望む御意見が検査部へ寄せられています。例えば、髄液中の細胞数の測定があります。従来各診療科の医師が実施していた検査ですが、検査部で実施することにより精度の高い検査データを提供することができ、さらに病院情報システムに検査データを登録することで時系列データとして参照が可能となります。この検査については10月中旬に全科開始いたします。
 このように検査部では各診療科からのご要望には柔軟に対応し,新規項目の導入や精度の良い検査データを提供する所存であります。今後も来年度の法人化にむけて、更なる検査の充実をめざし日々努力を重ねています。

    

■新規測定項目開始および測定変更のお知らせ

免疫部門より
可溶性インターロイキン2受容体(IL-2R)の検査を行っています。
 インターロイキン2受容体(IL-2R)は、新規項目として2003年3月24日より院内検査に取り込まれました。
 IL-2Rはα鎖、β鎖、γ鎖のサブユニットからなる複合体で、このうちα鎖は一部可溶性となって血中に遊離することが知られています。これを可溶性IL-2Rとして測定しています。可溶性IL-2Rは活性化T細胞、B細胞によって産生されるため、その血清値は体内の活性化リンパ球の指標の一つとなり、慢性関節リウマチ、SLEなどの自己免疫疾患やウイルス性肝炎、AIDSなどのウイルス感染症、悪性リンパ腫で高値を示すことが報告されています。

   基準範囲(参考文献)  206713U/mL
     測定範囲                2006000U/mL 
                                 連絡先 内線
5754  中村


細菌部門より

○新規実施項目
   真菌の薬剤感受性検査
○測定法変更項目
   嫌気性菌の薬剤感受性検査

 測定開始日:平成15年10月14日
 検体提出時間:平日のAM8:30から17:00まで
                                 連絡先 内線5757

血液部門より
○新規実施項目
  髄液中の細胞数

  白血球数(WBC)
  基準範囲: 5cell/μl以下
  測定機器: ADVIA120(バイエルメディカル株式会社)
  相関係数および回帰式:
    相関係数0.999  (目視法との相関係数)
    y1.01x0.30  (y=ADVIA120,  x=目視法)
                                 連絡先 内線5758

    


♪ちょっと一息♪
 
                     ペンネーム:白いかもめ

 検査部鉄分検査室よりF

《鹿児島本線》

 「鉄道の日」という言葉を御存知だろうか?
 日本で最初の鉄道が開業した日を記念して設けられた記念日である。
 明治5(1872)57日に品川?横浜間が仮開業し、同年912日に新橋?横浜間が開業したのが、日本の鉄道の始まりである。当時、太陰暦を使用していたが、開業日を太陽暦に換算すると1014日となり、現在1014日を「鉄道の日」としている。
 「汽笛一声新橋をはや我汽車は離れたり」の歌詞で知られる《鉄道唱歌》に歌われている新橋駅はこの駅のことである。開業時の新橋駅は、かつての汐留貨物駅に位置していた。大正3(1914)東京駅が開業した際、初代新橋駅は本線からはずれ汐留貨物駅となり、烏森駅が改称され現・新橋駅となった。旧汐留貨物駅一帯は、大規模再開発が行われシオサイトに生まれ変わっている。初代新橋駅舎は、関東大震災の時焼尽に帰した。近年、旧・新橋駅が発掘調査されその後駅舎が復元され今年(2003)410日に一般公開された。また、開業時の横浜駅は現在の横浜駅の位置ではなく、現・桜木町駅である。
 因に、新橋?神戸間東海道本線全線が繋がったのは、明治22(1889)71日である。11往復の直通列車が、所要時間20時間5分で走った。

 ところで日本最初の鉄道が何処に開業したのかは、比較的御存知の方は多いと思われるが、では九州最初の鉄道は何処に開業したのだろうか。
 その手懸りは、博多駅1階柵外コンコースの中央改札口近くの柱に埋込まれたレリーフにある。ヘルマン・ルムシュッテルHermann Rumschoettel の胸像が刻まれている。目立たないレリーフのため、その存在に気付かず改札を利用している方も多いもの思われる。この人物こそ九州の鉄道開業の立て役者の一人である。
 鉄道の重要性の認識により、明治期鉄道建設熱が高まり、地域間競争の様相を呈した。鉄道の建設には資本力を要した。近代化の推進には、国のlevelで建設するのが望ましそうだが、明治政府は財政的にその力がなく、官営鉄道の形と並行して、私鉄の形での鉄道建設が相次いだ。九州の鉄道は、九州鉄道という私鉄により建設が始まった。この九州鉄道が、技術顧問として招請したのが当時プロシア国有鉄道機械監督であったルムシュッテルであった。彼の他にも数名の技術者が来日した。
 新橋?横浜間は、イギリス式、明治13(1880)開業の北海道の手宮?札幌間は、アメリカ式であったが、九州の鉄道はルムシュッテルの出身国であるドイツ式で建設されることとなった。
 九州鉄道は、当初第1工区(門司?遠賀)、第2工区(遠賀?博多)、第3工区(博多?久留米)、第6工区(高瀬?熊本)4工区を同時着工することになっていた。が、資金難のため利害対立でもめたあげく結局第3工区(博多?久留米)を最初に着工することとなった。明治22(1889)41日施行の市町村制発足時、市となったのは福岡県内では福岡市と久留米市の2市のみであり、この工区は地形的に比較的平坦であったことも有利に働いたのかもしれない。尚、九州内でこの時市制を施行したのは、上記の2市を含め、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の6市である(全国では31)
 ドイツ製のレールや機関車、客車等鉄道資材は、博多湾から荷揚げし、トロッコで博多駅建設予定地に運ばれた。馬場新町(旧町名)に博多駅は建設された。旧博多駅は、現在の駅より大博通り博多湾寄り約300 mにあった。現在駅には、昭和38(1963)に移転した。
  明治22(1889)1211日九州初の鉄道がこの区間で開業した。当初久留米駅に乗入れるはずであったが、筑後川に架ける鉄橋建設が洪水のため予定より遅れ、筑後川右岸の千歳川(筑後川の旧名)仮停車場が用いられた。この日開業した駅は、千歳川仮停車場を含め博多駅、二日市駅、原田駅、田代駅、鳥栖駅、久留米駅の7駅。列車は乗入れてはいなかったものの当日、久留米駅も開業し切符の発売も行われた。千歳川鉄橋は、翌明治23(1890)31日に開通し、千歳川仮停車場は廃止され、列車が久留米駅に乗入れた。13往復、所要時間1時間23分で博多?久留米間が結ばれた。 
 その後鉄路は、順調に延びて行き、明治24(1891)71日門司?熊本間が開通した。

 鹿児島側は、官営鉄道で建設が開始された。明治
34(1901)610日鹿児島?国分(現隼人)間が開業したのを皮切りに、明治42(1909)1121日矢岳越えの人吉?吉松間の開通で、門司?鹿児島間が全通した。門司?鹿児島間を昼間急行が所要時間約13時間で結んだ。ちょうど今年1月百周年を迎えた嘉例川駅は、開業時のままの木造駅舎でその頃の面影を伝えている。この間明治40(1907)71日に九州鉄道は国有化された。

 ここで、オヤッと思われた方は、かなり「鉄分」高値の方である。現在の鹿児島本線は、八代から海岸沿いに水俣、出水、阿久根、串木野経由で鹿児島に至っている。開業当時の鹿児島本線は、この「海線」ではなく、八代から現・肥薩線の人吉、吉松、隼人経由で鹿児島に至る「山線」だった。雄大な360度のループのある大畑を越え、霧島連峰、桜島、開聞岳の大パノラマを車窓から一望しながら列車は走っていたのだった。「海線」の現行線に切り替わったのは、昭和2(1927)1017日のことである。

 第1工区の東端の門司駅は、現・門司駅ではなく、現・門司港駅である。開業時の駅は、現駅舎より約200 m南に位置していた。関門トンネル開通により、大里駅が門司駅に、門司駅が門司港駅に各々改称された。旧・門司駅に赤煉瓦2階建ての九州鉄道本社が置かれていた。当初、博多馬場新町に仮本店が置かれていたが、門司開業に伴い移転したもの。九州鉄道が国有化された後も、国鉄の出先が使い、JR発足後は、日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部九州支社が入居していた。
 今夏、この旧・九州鉄道本社社屋は、九州鉄道資料館として新たな歩みを始めた。キハ07形気動車やC59型蒸気機関車等8両が車両展示場に展示され、運転シュミレーターや列車パノラマ模型、九州を中心とした鉄道の歴史が室内展示されている。また、レール幅450 mm のミニ鉄道が走るミニ列車公園があり、試乗することができ子供連れに大人気である。門司港レトロ地区の新しい名所となっている。家族での遠出にお勧め。  

  山口県下松市の笠戸工場で造られた九州新幹線800系《つばめ》の第1編成6両が、84日海路川内に向け積み出された。純白の車体は、博多?長崎間を走る《白いかもめ》の進化形とでも言えそうな、流麗な印象を与える。9月下旬から試験運転に入った。
 九州新幹線新八代?鹿児島中央(現・西鹿児島)間の部分開業は、平成16(2004)313日に決定された。現行の在来線《つばめ》は、《リレーつばめ》となり博多?新八代間を約1時間35分で走り、新幹線《つばめ》が新八代?鹿児島中央間を約35分で走る。これにより九州内の時間地図が縮小する。
 山陽新幹線岡山部分開業時、岡山駅での乗継ぎはかなりの移動を強いられた。今回の部分開業では同一ホーム対面乗り換えで横滑りで移動できる設計になっている。これを実現するため下り在来線列車に乗ると八代手前で本線から枝線が右側に分岐し登攀線となって高架駅の新幹線新八代駅に滑り込んでいる。利用客の利便性がこうして確保されている。
 この部分開業により八代?西鹿児島間はJR九州から切離され、肥薩おれんじ鉄道として営業される。すなわち、鹿児島本線は、門司港?八代間に短縮となる(正確には西鹿児島?鹿児島間も鹿児島本線だが列車の運用は西鹿児島で分けられている)。鹿児島本線全線走破の機会は、約半年しか残されていない。「鉄分」高値の人は、ついつい最後の姿を網膜に焼きつけようと乗りに行くかもしれない。今、九州の鉄道史の節目の時期に居合わせている。

                 ■新人紹介■


八木美佳子
(臨床検査医学/病院検査部)
 
 九州大学農学部の修士を卒業して、技術員として臨床分子医学研究室で働いています。修士の時の研究テーマは、植物由来キチナーゼの大量発現系を大腸菌で構築することでした。現在は、酵母を用いた実験を行っています。よろしくお願いします。
山口知宏
(臨床検査医学/病院検査部)

 平成14年6月より検査部で勤務することになりました山口知宏です。大阪に育ち、京都大学理学研究科を経て九州大学にやってまいりました。学生から一人立ちした最初の仕事場所がここ検査部であることをほんとうに幸運だと感じています。この幸運に見合う成果を出すべく精一杯がんばりますのでどうぞよろしくお願いします。

福應 温
(臨床検査医学/病院検査部)

4月1日より検査部助手として赴任しました。東京から大阪、北海道を経てこの九州の地にやって参りました。厳寒の地旭川からの異動(3月末にはまだ時々吹雪いていました)で、さすがに気候に慣れるのに少し時間がかかりました。でも、今では快適な福岡の空気にすっかり慣れました。現在、ミトコンドリアDNAの複製、修復といったミトコンドリアDNAの維持機構の研究をしています。研究スタッフとして将来の臨床検査医学に生きる基礎研究を目指して日々精進の毎日と心得ています。検査スタッフの皆さんとはお話しする機会もなかなかありませんが、是非お気軽にお声をかけてください。
内田 勇二郎
(臨床検査医学/病院検査部)

 今年7月より検査部医員になりました。一内科臨床細菌研究室所属で、6月末にCalifornia大学Berkeley校への留学から帰国してきました。いつの間にか新病院が稼動していて、また検査部がすごい機械だらけになっていまして、びっくりしています。一内科では主に緑膿菌、Berkeleyでは結核について研究をしていました。検査部では、細菌検査室を中心に検査システムのことや院内の感染制御について力を入れていきたいと考えています。
 以前、「趣味は?」と聞かれたら「華道と柔道です。」と答えていたのですが、もう柔道をする体力はなさそうです。その他、スキーやドライブが現在の趣味です。花を生ける際にもしお困りの点がございましたらお気軽にお申し付けください。いろいろとご迷惑をお掛けする予定ですので、よろしくお願い申し上げます。
 

          
        ■アメリカ留学記(2)   交通手段編■


                                                 隅 博幸

 
鉄分検査室と若干重なる気もしますが、今回はアメリカにおける交通手段について書いてみたいと思います。あくまで私の主観であり、一部大都市などではあてはまりませんので悪しからず。
大都市では、日本のように地下鉄やバス交通網が発達しており、普通に利用されています。その他の地方都市には鉄道がなく、移動には自家用車を使うのが一般的です。公共交通手段はバスとタクシーがありますが、タクシーを利用する事が多かった気がします。中小都市での移動はタクシーの方が安全・確実ではないかと思います。ちなみに料金も日本に比べ非常に安いです(チップが必要ですが)。
 街を走っている自家用車ですが、日本車4割、アメ車4割、その他(ドイツ車など)2割といった具合に、やたらと日本車(特にアコード、カムリ、シビック)を見かけました。
車両本体はもちろん日本で買うより高いのですが、税金その他の維持費がほとんどかかりませんでした。私は排気量5000ccの大型アメ車に乗っていましたが、ガソリン代・保険代・税金など全てをひっくるめて年間10万円程度だったと記憶しています。
 500キロを超えるような長距離の移動には、我々の感覚だと鉄道もしくは飛行機というイメージがありますが、アメリカ東海岸の一部を除いては鉄道がほとんど走っていません。「アムトラック」なる旅客鉄道もあるにはありますが、1日1便程度、しかも出発が夜中だったり、平気で数時間遅れたりするので、アメリカ人(少なくとも私の周りの人たち)は、国内移動は基本的に自動車でした。飛行機はよほど急ぐ時、あるいは公費が使える時に乗るものという感じでした。例えばラスベガスへ遊びに行くとき(約3000キロ離れています)、「 飛行機で行くと言う」 と「リッチねぇ」と言われたものでした。ガソリンは確かに安かった(1リットル当たり25円前後)のですが・・・。
 ところが最近はSouth West航空をはじめとする格安航空会社の出現によって少し様子が変わりつつあります。日本でもエアドゥやスカイマークなる航空会社がありますが、あんなものではありません。時には10ドルや20ドルで航空券を売ってみたり、全席自由席だったり、まるでJRのような商売をしている会社もあります。日本ではまだまだJALやANAといった大手航空会社が強いのですが、アメリカでは「ビッグ4」とよばれる大手企業(AA, UA, NW, DL。略号で全て分かる人は通ですね)がこれら格安会社に大苦戦しており、10年後にはこれら大手のシェアが50%を切るとも言われています。「運賃はできるだけ安く、サービスはできるだけ簡素に、しかし接客はフレンドリーに」をモットーとするこれら格安航空会社、アメリカを訪れる際は一度くらい搭乗してみるのもいいかも知れませんね。
   
 
    臨床検査精度管理奨励会の第18回研究奨励賞を受賞して

        このたび、「血液ガス・ 電解質のベッドサイド検査システムの構築」という課題で研究奨励賞を頂くことに
        なりました。これは、検査部が各診療科のベッドサイドで測定される血液ガス・ 電解質についてシステム化
        を行い、その検査結果に責任をもち患者の治療に貢献するという目的を高く評価して頂いた結果だと思って
        おります。
          現在6診療科で運用しておりますが、利用状況を分析し他の診療科にも拡大できるよう精進したいと思っ
        ております。
          最後に、このような賞を頂いたのはひとえに検査部濱崎先生の指導のもと、諸先輩を始め同僚の皆様の
        協力があったからこそだと深く感謝する次第です。

                                                           検査部 今村 正一

                                       
    

                    ■人事交流(1)   大分だより■

                                               浦田 美秩代

 平成14年4月から大分医科大学附属病院検査部との人事交流のため、一年間大分で暮らす機会を得ました。病院に隣接する宿舎に住んでいたため通勤時間は徒歩5分、朝は「ホーホケキョ」という鶯の鳴き声で目を覚ますという自然いっぱいの恵まれた環境の中で暮らしてきました。
 でもなぜかアレルギー性の鼻炎に悩まされる一年でもありました。原因はご多分に漏れずハウスダスト。入居した部屋が二年以上空家だったせいかとも思っていますが・・・。
 さて大分医科大学病院検査部は、病理部と輸血部と内視鏡室を含めて技師数27名で、各部門平均3人体制で検査をおこなっていました。27名中女性技師は9名しかおらず、男女比は九大と全く反対でした。外来の中央採血システムに検査部も仲間入りしており、採血当番がまわってきます。患者さま相手の採血は経験がなかったので、デビューの日は手が震えました。
 犀川教授が循環器内科の臨床医ということもあって生理検査室は充実していました。教授の研究室には中国湖南省からの留学生がいて、やはり循環器内科専門の男性医師でしたが、餃子の皮を丸く広げる技術はプロ級でした。中国では夫婦平等、夕飯も早く家に帰った方が作ると聞いていましたが、ホントみたいです。
 検査部での担当は、前半は血清検査、後半は緊急検査と輸血検査をさせてもらいました。思い返せばあっという間の一年間でしたが、他大学で仕事ができたことは貴重な経験になりました。秋には松茸づくしの創作会席料理が待っている大分へ遊びにいくのが、目下のところささやかな楽しみになっています。

    
■編 集 後 記
 
 新病院移転から早6ヶ月、新しい検査部での運営もすっかり安定状態に入りました。今回の紙面にはそれを受けて、本格的な検査サービス充実と新たな検査システムの開発への意気込みとその始動が感じていただけると思います。4人の新人紹介、連載の「正しい……」と「白いかもめ」に加え、アメリカ留学記(2)、人事交流体験記、受賞報告と、まことにバラエティ豊かに盛りだくさんな検査だよりとなっています。それらに気をとられ、本来の検査に関わる新たな情報もお見逃し無きようご注意ください。今回は細菌検査室に直接加わるスタッフに加え、主に研究室に関係する新人が3人も仲間入りしています。研究室では検査に直接関係する研究ばかりで無く、一見検査実務と関係ないかのような実験も多いわけですが、それもまた“あさって”の検査に向けた営みでもあります。彼らの生命医科学に関する知識と経験も検査技師たちの“明日”の検査の開発に必要な情報と技術の向上にきっと貢献してくれることでしょう。                                             
                                                                      ( 康 )