九州大学病院検査部  2008年6月16日
検 査 だ よ り
第35号
IFCC General Conference に参加して:IFCCの委員であることの意味
検査部長 康 東天
 この4月、地中海というかエーゲ海というかとにかく海に面したアンタルヤというトルコのリゾート都市の近郊で国際臨床化学会International Federation of Clinical Chemistry (IFCC) のGeneral Conferenceがありました。IFCC General ConferenceとはIFCCに加盟するNational Memberである各国の臨床化学会(日本なら日本臨床化学会)の国代表(National Representative)とIFCCの各種委員会の正規委員が集まり、今後のIFCC活動のあり方について討議する集まりで、学術集会というよりまさに活動報告会議というのがふさわしい集会です。3年か4年に一度開かれます。私はIFCCの酵素標準化委員会(Committee on Reference System of Enzyme)の5人のメンバーの一人としてこの会議に参加しました。

ある1日は、この5人(出身国は委員長がドイツ、その他のメンバーはフランス、スペイン、デンマーク、そして私が日本)が小さな円卓を囲み、朝の9時から夕方の5時まで、現在のプロジェクトの進行状況評価(現在はアルカリホスファターゼ、ALPのIFCC標準化法の確定)と次期プロジェクトであるアミラーゼ(AMY)のIFCC標準化法の原理にすべき反応系の候補の選定のための討議が延々と続き、なかなかその日はハードでした。私は日本から来ているので、なんとなく日本代表の意識が抜けず、日本の臨床化学会の利益を念頭に置いたような考えから討議に参加していましたが、そのうちに、他のメンバーはその出身国のことなどそもそも全く念頭にないことがわかってきました。たまたま、他のメンバーは全員が国の垣根が低くなる一方のEUということもあるかもしれませんが、彼らの立場としてあるのはIFCCの一員ということだけでした。考えてみたら、私は日本臨床化学会の一員ではあるけれど、日本臨床化学会の代表としてこの委員会のメンバーに選出されたわけではなく、IFCCの委員会の委員として選出され、たまたま属しているNational Memberが日本臨床化学会というだけなのだということに気づかされました。去年のこの委員会はEuroMed Laboという学術集会に合せて開かれ、私は初めての参加でした。このときはopen meeting で多くの参加者があり、それぞれが何かしらの利益を代表しているような発言が多くて、どうも自分の本当のあるべき立場に気づき損ねたようでした。

ある委員が今の日本は20年前のヨーロッパの国のようだという発言をしました。それは、その当時はヨーロッパの各国の臨床化学会が独自の測定法を持って、それをなかなか手放そうとはしなかったということで、現在ではヨーロッパのどの国もIFCCの方法に依拠するのに何の疑問もなく当然として受け入れている状況の変化を言っているわけです。委員長はもっと直裁に、「日本はもっとIFCCの方法の受け入れに積極的であるべきだ。中国ははっきりとIFCC法を取り入れると言っている。このままでは日本は臨床化学においてアジアの中心あるいはリーダーとしての立場を失うかもしれない」と私に言いました。どこがアジアの中心とかリーダーとか言うようなことはどうでもいいのだけれど、九州大学は世界をリードする検査部であるべきと主張している自分が、なんと国単位のローカルの発想から抜け出せていなかったかと痛感した旅となりました。はっきりとした自己主張は絶対に必要だけれど、それとローカルの利益を主張する事とは違うことを実体験した日でした。

さて会場はプライベートビーチが前に広がるリゾートホテルでした。10数年前にドイツに留学していた時も思ったことですが、ヨーロッパ人は日向ぼっこが好きなのを改めて知ることができる場所でした。まあ、海岸のリゾートは日向ぼっこをするためにあるようなところですが・・・。あの委員会以外の日はそれこそgeneralな報告会みたいなものが多くて興味が湧かず、私もつい彼らの真似をして、ある午前中などは海岸でずっと日向ぼっこをしてしまいました。あとで、ああ九大検査部のみんなは忙しくしているのにとしっかりと反省しました!
 

■検査の充実を目指して その11■     検査部技師長 栢森 裕三

 

桜前線が日本中を駆け巡り終わり、いよいよ新緑が眩しい季節になりました。

また今年度、検査部に新たに採用された新人達もようやく業務に慣れ、各々の立場で九州大学病院を支える人材に育つことを期待しています。

さて、検査部ではこの「検査だより」で何回か取り上げましたISO 15189の第2回目のサーベイランスを7月に控えています。平成18年3月取得後、要求された国際規格が遵守され、実際に組織として実行されているかどうかを4年間で2回の審査を受けなければなりません。ISO 15189の国際規格(要求事項としては組織マネジメントであるISO 9001と試験所認定であるISO/IEC 17025がベースになっている)の本質のひとつは、序文から引用すると以下のようなことです。

「誰が、何時、何処で実施しても期待に応えられる臨床検査サービス、検査結果の精密さ・正確さ・検査所要時間・臨床医への対応・患者への対応等の提供ができる能力があること」

したがって、この能力があるかどうかを認定取得時の審査やサーベイランスの審査時に常に確認されます。昨年の病院機能評価受審の際のことを覚えておられると思いますが、確実に実施している「証拠」が求められます。また、今回のサーベイランスでは次のような書類の提出が求められています。主なところを挙げます。

① 技能試験結果及び不適合のある場合の是正処置回答書

② 組織管理規定を含む「品質マニュアル」

③ 標準作業手順書(SOP)

④ 苦情(部外からの相談事項、問題点の指摘等)

⑤ 内部監査結果(定期的に実施する第一者あるいは第二者評価)

⑥ 教育訓練記録及び教育訓練の有効性を評価した記録

①は主に日本医師会や日臨技等が実施する外部精度管理の成績に対して、良くない場合はその原因となったこと、今後どのような対応で改善するのか、の報告です。さらに、⑤の内部監査とは、正式な内部監査員の資格をもつ検査部員が各々の部署と委員会に対して、ISOの要求事項を満たした業務ならびに活動を行い、PDCAサイクルが機能しているかを見極めます。また、⑥は検査部員の検査実施能力を向上させるために、どのような勉強会、研修会に参加したか、その効果はどのように検査技術に生かされているかを評価した記録類です。取得後3年程度が経過していますので、以前と比較して何も意識せずにこのような記録類を残せるようになって来ています。また、このような記録類は、ISOの活動が部員の意識改革と検査技術向上の証となる「記録」ともなります。

小生の知るところでは、医療分野において、しかも特定の職域を対象にした初めての国際規格であると思っています。それだけ、グローバル化されている医療においては臨床検査データの品質が高く求められていると考えています。

(上記のマークは、外来・入院患者さんの検査報告書を印字すると付加される九州大学病院検査部独自の認定マークです。番号によって施設を特定しています。左図は国際相互認証マーク。また、現在までにわが国でISO 15189を取得している施設の詳細は日本適合性認定協会のHPで参照できます。http://www.jab.or.jp/)
 

■お知らせ■ その1

血沈検査の検査部実施に関して

検査部では従来、看護部で実施していました血液沈降速度(血沈)検査を5月12日より実施しています。依頼方法は通常のオーダリングで行い、結果も情報端末より見ることができます。詳細は下記の通りです。

項目名: 血沈 (オーダは「外来一般検査」の上)

・ 採血容器: 血沈用(真空採血管:クイックアイ パートナー、(株)テクノメディカ)  SPD番号 0002337

・ 報告: 1時間値、2時間値

・ 基準範囲: (1時間値)  男性 2~10 mm, 女性 3~15mm (臨床検査提要より引用)

・ 方法:Westergren法

・ 従来法(用手法)との相関

1時間値  n = 208 、相関係数(r) = 0.965、

回帰式 y=0.963x – 0.94、Syx=4.723、 x = 従来法、 y = 自動機器測定法

                                       生化学 連絡先:5756

■お知らせ■ その2

外注検査変更のお知らせ
①6月2日より血清HER2蛋白定量の測定試薬がEIA法からCLIA法に変更になります。それに伴い基準範囲が変更になるのでお知らせいたします。
       血清HER2蛋白定量    基準範囲    15.2以下    単位:ng/mL
      予約オーダー、Doオーダーでエラーになった場合は、診察画面まで戻ってからオーダーをお願いいたします。  

      診療科セットに入っている場合は設定の変更をお願いいたします。


②アスペルギルス抗原の結果にCOI(カットオフインデックス)を追加します。基準範囲は0.5以下です。

                                                                                                                                                                受付・外注 連絡先:5771

■お知らせ■ その3

検査通報(20-2)でもお知らせしましたが、血液検査に関する新年度からの検査の変更内容は以下の表の通りです。

院内検査を外注に移行する項目

また、HTLV-Ⅰプロウィルス遺伝子検査、BCL2/IgH(RT-PCR)遺伝子検査についは、保険適用外ですから、外注業者の申し込み用紙と検体を揃えて、検査部に提出してください。所要日数は2~3週間です。

                                                  血液・凝固  連絡先:5758

■お知らせ■ その4

外注検査のお知らせ

外注検査の変更

1. 院内検査を外注に移行する項目

院内検査が中止になった項目:HTLV-Ⅰプロウイルス遺伝子検査、BCL2/IgH(RT-PCR)

HTLV-Ⅰプロウイルス遺伝子検査は、保険適用外ですので外注業者の申込み用紙と検体を揃えて、検査部に提出してください。所要日数は2~3週間です。

2. 基準範囲が変更になる項目

検査項目

 

遊離脂肪酸

基準範囲

140~850

0.14~0.85

単位

μEq/L

mEq/L

ASO

基準範囲

239以下

159以下

単位

U/mL

U/mL

抗SS-DNA 

 IgG抗体

基準範囲

25以下

10以下

単位

AU/mL

U/mL

HANP

基準範囲

43.0以下

40以下

単位

pg/mL

pg/mL

3. 前処理が必要な外注項目

外注項目であるQFT-TB-2G(クウォンティフェロン)は、測定方法の特性により12時間以内に前処理が必要な項目です。祭日の前日(9/22、12/22など)は受託できませんので、日付に注意してオーダして頂くようにお願い致します。検体を提出された場合、検体の再提出を個別にお願いすることになります。

HIVの画面名称変更

患者情報のうち、感染症情報としても利用されるHIVの検査結果は今まで別紙報告でしたが、オンラインで結果を返却するようになりました。

中分類はウイルス検査Ⅰ、表示名称は*Lenti定量、*Lenti抗原・抗体などとなります。項目名にカーソルを当てることで正式名称が表示されます。

                                                         受付・外注 連絡先:5771

■研究室の雑感 その1 -アフリカの大地-   杏李

 さだまさしの曲に「風に立つライオン」という詩がある。ケニアで医療ボランティアに青春を捧げた青年医師からの話を詩にしたものである。彼女を日本に残し、悪戦苦闘する日々、しかしアフリカの大地と人々に魅かれた彼は3年を過ごす。ある日、日本の彼女から結婚するとの手紙、そして「彼から彼女に当てた手紙」を設定にして、詩が綴られる。

診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

私の大学テニス部の後輩医師はこの詩を聞いて医師になることを改めて決意したと聞く。彼は今、故郷宮崎で外科医として地域医療に励んでいる。医療ボランティアといえば九州大学医学部には2人の著名な医師がいる。ペシャワールで活躍の中村哲医師、内乱の続くスーダンで医療活動を続ける川原直行医師である。彼らの話にはいつも感動させられるが、正直自分には出来ないなと感じてしまう。ラガーマンの川原医師とは彼が大学院生のときに同じ研究室で2年ほど過ごした。何事にも型破りの彼ではあったが、非常に熱く、且つ礼儀正しい男であった。大学院卒業後彼は外務省医務官としてタンザニアに赴任した。その後スーダンの医務官から現在はNPOロシナンテを立ち上げ、内乱の続くスーダンで国際医療に貢献している。

10年前一度タンザニアに彼を尋ねたことがある。当時のタンザニアではマラリア感染が一番の問題であった。病院も見学させてもらったが、検査機器など貧弱で簡単な血液生化学検査が出来る程度であった。当時は日本でも高価なPCRマシン、超遠心機(日本から送られてきたと聞く)が部屋の片隅で眠っていた。何より公衆衛生が必要かなと感じた見学であった。しかし、タンザニアの人々は瞳が輝いていた。アフリカ大地の大自然の中でヒトは生き生きしていた。川原医師は「この大自然とヒトが好きなんです」と語ったことをつい昨日のことのように思い出される。

話は変わるが我々の研究テーマであるミトコンドリアゲノムは母性遺伝する。ミトコンドリアゲノムを詳細に解析することによりヒトの起源にたどりつくことが出来る。我々の母の母の母・・・は一人の女性にたどり着く、彼女の名はミトコンドリア・イブと名づけられた。15万年前イブはアフリカの中央部、タンザニア、ケニアあたりに生まれたと推定されている。彼女の子孫達の一部はユーラシア大陸を渡り、遥か日本まで辿り着いた。日本人の95%のヒトがミトコンドリア・イブの9人の娘の子孫だと推定される。9人の名は恵美子、由美、寧々、千恵、愛、幸、フフェ、ガイヤ、イナと名づけられた。私はどの母の子孫なのだろうか?と考えるとワクワクする。その母はどうやって日本にたどり着いたのだろう?イブはどんな所でどんな生活をしていたのだろうか?想像は膨らみ、癒される時間を過ごす。やはりアフリカの大地は我々にとっては「母なる大地」なのかも知れない。青年医師が母なる大地に魅せられるのも当然の帰結である。

中洲の飲み屋でたまたま、劇団四季の俳優に出会った。彼は四季ミュージカル「ライオンキング」のプンバ役で出演していた。話は大いに盛り上がった、皆母なる大地アフリカの話は心に響くものである。ライオンキングにはサークル・オブ・ライフ(命の連鎖)という詩が出てくる。すべてのものは大地に帰る、めぐり、めぐり人々は生き続ける。

■新人紹介(研究室)

高崎 伸也

こんにちは。4月から九州大学医学研究院臨床検査医学分野の助教になりました高崎です。二年前まで四年間この研究室で大学院生として学びました。この研究室で学んだ何よりも大切なことは、研究の楽しさと厳しさだと思います。当時、私が何か足りない時は必ず、先生達からものすごい勢いで怒られました。気の弱い私にとっては正直かなりのダメージで、怒られながらいつも先生達の研究に対する激しい情熱と研究に対する厳しさを痛感したものです。しかし、本気で指導してくれる先生方の存在には本当に感謝しており、私に同じ研究の道を進みたいと強く思うようにさせてくれた大きな要因だと思っています。それからこの研究室を出てからは、熊本の崇城大学薬学部で二年間助手をしました。ここで行った仕事の1つは、ハブ毒やカボチャ等のプロテオミクスです。大学院生のころがバンド3という1つのタンパク質を細かく扱っていたのに対して、ある集団のタンパク質を網羅的に解析することとなり、広い視野で考えることができるようになったのではないかと思っています。そして、今回はミトコンドリアのヌクレオイド構造を明らかにする事を大きな目標に、まずはTFAMとmtDNAの複合体の構造を明らかにすることを目的としています。この研究室に帰ってきて改めてすばらしいことだと思うのは、以前と同様今も康先生や内海先生達によって研究しやすい環境が作られていることです。私もそれに貢献し、またそれを最大限に生かしてがんばりたいと思います。また、尊敬する康先生のもとで働けることを心から嬉しく思い、期待に応えられるようにがんばりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

金 星勳 (キム ソンフン)

 今年3月から来年2月まで九大病院検査部で働く金星勳(韓国人)です。
まだ日本での生活になれていませんが, 楽しく働いて暮らしています。これから 多くを教えていただきたいと思っておりますのでよろしくおねがいします。
いつも最善を尽くそうとする姿勢をもって 検査部で一所懸命に頑張ります。

小方 貴子

 今年2月から恒松さんの後任でお世話になっている、小方貴子です。

前の会社でも4年ほど研究の仕事をしていましたが、時間に追われ、実験を忙しく終わらせていく毎日。出産・育児での2年のブランクもあり、仕事のことは何も覚えていません。

働き始めて3ヶ月、周りの方のご指導もあり、やっと勘を取り戻し始めたところです。

1歳半の息子が保育園でいろいろな病気をもらってきて、デイケアルームの方に名前を覚えられてしまうほどで、私も来るのが遅くなることもあり、すでにご迷惑をおかけしていますが、これからもよろしくお願いします。

新人紹介(検査部)

青木 香苗

 4月より搬送化学で働くことになりました青木香苗と申します。検査部内に同じ苗字の方と同じ名前の方がおられるので、覚えてもらえるような呼び名をただいま募集しております。大学ではラケットボールというマイナーなスポーツをしていました。密かにラケットボール人口を増やしたいと目論んでいるので、興味がある方は教えて下さい。一生懸命頑張りますので、これからどうぞ宜しくお願い致します。

板倉 朋子

 今年の春に九州大学を卒業し、免疫部門に勤務させて頂くことになりました板倉朋子と申します。バスケットの観戦が好きで、夏はテニス、冬はスノーボードをしています。
日々ご迷惑をおかけしていますが、早く先輩技師の方々に追いつけるように頑張りますので御指導の程よろしくお願い致します。

清祐 麻紀子
 4月から細菌検査室でお世話になっております、清祐 麻紀子と申します。
久しぶりに出身大学に戻り、毎日楽しく働いています。感染症は近年注目されている部門ですし、いい仲間といい仕事ができるように努力していきたいと思っています。また、私のモットーは文武両道です。ホノルルマラソンを一緒に走ってくれる仲間も募集中です。宜しくお願い致します。

田本 純子

 5月から生化学検査でお世話になっております、田本純子です。以前は心電図などをやっていて、検体検査の経験がなく毎日ご迷惑をおかけしています。もっと知識を増やして早く仕事を覚えられるように頑張りますので宜しくお願い致します。

門司 宜久

 新人の門司宜久です。出身は福岡で、東京DLと同い年、宮崎県知事と同じ誕生日です。学生時代は柔道をやっていて、昨年神主の資格を取りました。現在は細菌検査室でお世話になっていますが、家出していた知識たちとはじめましての知識たちが多すぎて、ほぼ毎日フリーズしています。現在復旧の目処は立っていませんが、一日も早く復旧するように努めますので、何卒よろしくお願い致します。

山崎 美佳

 4月から生理検査室でお世話になっています山崎です。病院実習でお世話になった先輩技師の方々と一緒に働くことができることを大変嬉しく思っています。高校までは剣道を続けていました。社会人になったことを機に、休日も色々な事に挑戦して趣味を増やしていこうと思います。これから宜しくお願い致します。

山下 美樹

 4月から血液検査室でお世話になっております、山下美樹です。最近は,競馬(GⅠ)にはまっていて毎週テレビで見ています。馬の引き締まった筋肉とつやのある毛並みはたまりません。これから九州大学病院で求められる技師になれるように多くのことを吸収し,大きく成長していきたいと思っています。よろしくお願い致します。

山下 有加

 今春、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻を卒業し、九州大学病院検査部で勤務することになりました 山下有加です。福岡での生活にも少しは慣れてきたのですが、かなりの方向音痴のため最初は道に迷ってばかりでした。出身は熊本県の天草で、九州に戻ってこれてすごくうれしいです。
色々とご迷惑をおかけすることもあると思いますが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。

吉岡 潔志

 4月から生理検査室で受付をやっています、吉岡です。理学療法士になるために、夜は専門学校に通っています。たまに間違えられますが、私は検査技師ではありません。なので、今は本当にわからないことだらけですが、これから一つ一つ仕事を覚えていきたいです。大学時代はやりたい放題遊んで、それもまたいい経験になったと思っています。これからは勉強と仕事をがんばります。よろしくお願いします。

■感染制御のために(13) ■     検査部助手  内田勇二郎

メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA、MRCNS)の薬剤感受性の少しマニアックな話

-グリコペプチド系抗菌薬を中心に-

ブドウ球菌は文字どおりグラム染色で陽性(紫色)の葡萄状に配列した球菌である。ヒトや動物では皮膚、鼻咽腔の粘膜、腸管内に常在している。

コアグラーゼはブドウ球菌の病原因子のひとつで血漿中のプロトロンビンと結合しトロンビン様物質に変えることにより血漿を凝固させる。この有無でコアグラーゼ陽性ブドウ球菌(主に黄色ブドウ球菌、S. aureus )と、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS: coagulase negative staphylococci 、主に表皮ブドウ球菌、S. epidermidis )に大きく分けることができる。S. aureus は健常人にも化膿性病変をつくることがあるが、CNSはS. aureusに比べ病原性は低く、免疫不全状態などの要因がない限り感染することは少ない。

治療において耐性菌が問題となるが、S. aureus におけるMRSA率およびCNSの代表であるS. epidermidis におけるMRCNS率はそれぞれ39%、88%である(九州大学病院2007年全検体)。最近ではMRSA、MRCNS感染症に用いられるグリコペプチド系抗菌薬であるバンコマイシン(VCM)やテイコプラニン(TEIC)に対する耐性化が問題となっている。耐性機序がはっきりわかっているものは、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の耐性遺伝子(Van)がプラスミド性にMRSAに移った場合である。日本では今のところそのような株の報告はないが今後出現する可能性もある。日本で多いタイプはグリコペプチド系薬剤低感受性ブドウ球菌である。抗菌薬の使用に対し細胞壁が厚くなる現象は認められており、また耐性に関わる遺伝子がわかりつつある。

 当院で使用しているオキサシリン(メチシリンの代用)感受性判定基準を表1に示す。全検体におけるMRSAの低感受性化は進んでおらず、TEICに至ってはMIC値の低い株が増えていることがわかる(図1)。しかし、治療で最も問題となる血液培養から分離されたMRSAについて、VCMやTEICに対する低感受性株は2005年を中心に増加していた(図2)。最近における感受性改善傾向の原因の一つとして、抗菌薬の適正使用が行き渡ってきていることも考えられる。抗MRSA薬を投与する際、薬物血中濃度を測定するよう感染制御部で指導し、薬剤部で未測定者をチェックし報告する体制をとっており、現在では平均90%を越える測定率になっている(図3)。しかし、CNSについてはMRSA以上の問題がある。グリコペプチド系抗菌薬低感受性株がMRSAに比べ非常に多いことである(図4)。病原性は低いが免疫不全状態の患者に感染すると治療に難渋することが推測される。

 当院においてグリコペプチド系抗菌薬に対するMRSA、MRCNSの明らかな低感受性化の傾向は認めなかったが、本菌のキードラッグであるため、今後の感受性の動向をみていくとともに、感染管理・抗菌薬の適正使用に努めていく必要がありそうである。

■編 集 後 記■

新緑の候、緑が目に眩しい季節となりました。週末、ソニックの車窓から見る新緑と別府湾の朝日に感動しつつ、iPodからはGReeeeNの愛唄が流れ、物思いにふけるひと時。所々にゴルフ場の芝生が見える。「ここのグリーンは難しいのだろうか?」想いはジョージア州オーガスタに飛ぶ。電車での楽しみ方の一つである。

 本年度も4月より検査部では9名の、研究室も3名の新人を迎え、新しい風が吹いています。色にたとえると黄緑色だった茶畑の色が、 ゆっくりと緑色へと深まって行く感じ、新茶の美味しい季節といったところでしょうか。新茶を味わいながらじっくり成熟するのを待つ心境です。新人紹介欄を拝見すると今年も随分と多趣味な人が多いですね。個性を生かし、プロフェショナルを目指し仕事に励んでくれると思います。

 ところで、当研究室のテーマ、ミトコンドリアの色を皆さん緑と想像している人が多いと思います。推測するにミトコンドリアとミドリムシが混同されている人がいました。実際はミトコンドリアには鉄ironが多いので茶褐色に見えるそうです。(確かめたい人は研究室にお越しください、一緒に細胞からミトコンドリアを精製しましょう)。

 康部長の国際化と日向ぼっこ、栢森技師長のISO関連の熱いメッセージいつもありがとうございます。 いまだにISOの略がわからない副部長。そこで技師のONさんに聞くと「副部長、ISOとはInternational Organization of Standardizationというんですよ」、副部長「それだと略はIOSじゃないか」、ONさん「副部長、ギリシャ語で平等を意味するisosと掛けているんですよ」副部長「あいそうですか(はいそうですか)」  

                                             内海 健