予防医学分野の研究
疾病予防・健康増進を目指した生活習慣要因に関する疫学研究を研究テーマとしているが、 我が国にあって特異な疫学像を持つ疾病や我が国に特有な食物要因(大豆製品、緑茶、魚など)に注目して、 研究を進めている。主要な研究課題と研究手法を図に示す。

T がん予防に関する疫学的研究

  1. 大腸がんの大規模症例対照研究
  2. 自衛官研究における大腸前がん病変の横断的研究

U 虚血性心疾患予防に関する疫学的研究
  1. 福岡心疾患研究(心筋梗塞の多施設症例対照研究研究)
  2. 自衛官研究における冠動脈危険因子の横断的研究

V 生活習慣病予防を目指したコホート研究
COEプロジェクトの一環として平成16年2月からおこなっている研究である。 基礎調査では詳細な生活習慣調査と遺伝子解析を目的とした血液試料の提供を受けている。 福岡市東区住民約2万人の参加を見込んでいる。

疾病の予防的要因を解明するためには、人の生きざまを観察し、疾病発生への影響を適切に検討することが重要である。 日本人におけるこのような研究こそが、医学研究で世界に貢献できる一つの方法である。適量飲酒が虚血性心疾患に 予防的であること示した日本人医師のコホート研究 (Int J Epidemiol 1986; 15:527-32) や緑茶が胃がんに予防的で あることを最初に報告した研究(Jpn J Cancer Res 1987; 78: 1323-28)は今でも世界で引用されている。 以下は最近の研究成果である。

最近のあるいは、代表的論文5編(和文を含めて)

Peer-reviewed Journal Articles
Marugame T, Tsuji E, Kiyohara C, Eguchi H, Oda T, Shinchi K, Kono S. Relation of plasma folate and methylenetetrahydrofolate reductase C677T polymorphism to colorectal adenomas. Int J Epidemiol 2003; 32(1):64-66.
Toyomura K, Yamaguchi K, Kawamoto H, Tabata S, Shimizu E, Mineshita M, Ogawa S, Lee KY, Kono S. Relation of cigarette smoking and alcohol use to colorectal adenomas by subsite: The Self-Defense Forces Health Study. Cancer Sci 2004; 95(1): 72-76.
Kono S. Secular trend of colon cancer incidence and mortality in relation to fat and meat intake in Japan. Eur J Cancer Prev 2004; 13(2): 127-132.
Iwashita M, Matsushita Y, Sasaki J, Arakawa K; Kono S, for the Kyushu Lipid Intervention Study (KLIS) Group. Relation of serum total cholesterol and other risk factors to risk of coronary events in middle-aged and elderly Japanese men with hypercholesterolemia: The Kyushu Lipid Intervention Study. Circ J 2004; 68(5):405-409.
田島和雄(監修)古野純典・中地敬(編集)「がん予防の最前線 上巻 基礎知識から新戦略へ」京都: 昭和堂,2004.