九州大学皮膚科学教室 ムラージュコレクション

色素性乾皮症

83.

現在の病名
しきそせいかんぴしょう
色素性乾皮症
Xeroderma pigmentosum
2911_4183

 日光紫外線は皮膚の表皮細胞の核にいろいろな傷を発生させる。正常の細胞では傷が発生してもさまざまな蛋白質のおかげできれいに修復することができる。色素性乾皮症ではこれらの修復蛋白質の遺伝子異常によって、傷の修復がうまくいかないため、光老化が小児期から進み皮膚癌が発生してしまう。この症例(乳児と思われる)では、右眉毛部や頬骨部に鱗屑りんせつ (フケのこと)を認める。通常では赤くならないような短時間の日光曝露で日焼けが発生したものと想像する。遮光を徹底させることが最も大切な予防策である。整理番号1462も同じ疾患である。

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