会長挨拶

九州大学大学院医学研究院
生殖病態生理学
和氣 徳夫

 

  この度、「第8回日本婦人科がん分子標的研究会」を福岡市で開催させて頂きますことを大変光栄に感じております。第6回研究会は熊本大学片渕秀隆教授が阿蘇において大変盛会裡に開催されましたことは未だに鮮明な記憶として残っております。 3年間で2度の九州での開催となりますが第6回がMountain Viewを楽しめた阿蘇で、そして今回がOcean Viewを堪能する博多での開催ということで、それぞれ特徴をもった印象深い研究会にするため、関係者一同懸命の努力をしている所です。  ところで癌研究には大きな混乱が生じております。様々な細胞情報伝達系は、その複雑なクロストークにより、細胞の正常性の維持に機能することが明らかにされ、癌化シグナルのリダンダンシーの原因となっております。さらには癌幹細胞というものが存在し、 通常の癌細胞とはその生物学的特性に大きな相違の存在すること、癌発生へのエピジェネティクスの大きな関与、等々です。一度思考回路を整理し、交通整理をすることが、今後の研究の方向性の決定のためには必要不可欠です。本研究会の目的は、同じ空間を共有し、大いに語り合い、次の癌研究の方向性を拓く事にあると理解しております。博多という町で、美味しいお酒、料理をご堪能いただき、婦人科腫瘍医学を志す研究者に次世代における大きな夢を、是非とも持っていただくことのできる研究会にしたいと思います。博多のOcean Viewを楽しんでいただき、少しでも疲れが癒される様、教室員一同鋭意準備をすすめております。