図5

血管内皮機能

 血管内皮機能とは血管の拡がりやすさを表す指標ですが、脈波伝播速度との違いは血管の内面を覆っている血管内皮細胞という一層の細胞の機能を表す指標であるという点です。一昔前までは、内皮細胞は血管内腔と血管壁を隔てる単なるバリヤーと考えられていましたが、1998年にノーベル医学生理学賞を受賞したFurchgott博士らの研究により、一酸化窒素(N0)をはじめとする種々の血管を拡げる物質を産生していることがわかってきました。これらの物質の産生が減少したり、分解が促進されたりすると血管が拡がりにくくなり、臓器の血流低下につながります。これらの内皮による血管拡張反応も高血圧や加齢、糖尿病などの動脈硬化の危険因子があると障害されることが報告されています。さらに、内皮機能が障害されるとそれにより動脈硬化が促進されることもわかってきています。即ち、内皮機能異常自体が動脈硬化の危険因子にもなるわけです。したがって、血管内皮機能を正常に保つことも、血管のしなやかさを保つ上で非常に重要と考えられます。

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