昭和30年頃より研究室としての形態を整えてきた肝臓・酵素学研究室は、当時、米国で報告されたトランスアミナ−ゼを測定するために、組織トランスアミナ−ゼ測定法を改良し、わが国でも一、二を争う早い時期に血清による肝疾患診断法としてル−チン化に成功した歴史がある。その後、臨床酵素学、重金属代謝異常を中心に研究が行なわれてきた。
神経系と肝臓との関連に関しては、未だ臨床的概念が漠然としていた肝レンズ核変性症(ウイルソン病)の診断にセルロプラスミンのもつ酵素活性を利用した測定法を開発し、診断に役立ててきた。これらの研究の蓄積は、現在、肝性脳症における脳内モノアミンの代謝異常に関する研究に引き継がれている。臨床的に肝硬変にみられる潜在性脳症の研究を進めるとともに、肝性脳症動物モデルを使った実験的研究を行っている。
臨床的には種々の肝疾患の日常診療を行なっているが、原発性胆汁性肝硬変などの自己免疫の関与した肝疾患における免疫異常や、ウイルス肝炎に対するインタ−フェロン治療の研究を進めている。最近、C型慢性肝炎に対するインタ−フェロン療法が開始され、患者数が増加している。