『開業医の電子カルテ』

オーガナイザー 山口大学病院医療情報部 井上裕二

 世界の経済や社会の在り方まで変える情報技術(IT)の発達にともなって、各国がIT戦略を最優先課題に掲げて取り組んでいます.わが国が5年以内に世界最先端のIT国家になることを目標として2001年に掲げられた「e-Japan戦略」は、目標まで2年半を残すだけとなって本格的な実践段階を迎え、さらなる加速が求められています.医療サービスのIT化を推進する医療界はいうにおよばず、経済財政諮問会議、産業構造改革・雇用対策本部でも「電子カルテ」がキーワードのように扱われているのです.
 本総会では電子カルテの企画が2つ設けられています.ここでは個人開業医の電子カルテに焦点を当て、診療所の情報化および地域医療のコミュニティ形成の2部構成としました.第一部は、電子カルテの利用者と開発者が同じ土俵にあがって現状を認識し、これからの展開を積極的に進める場となること、第二部では、各地で芽生えている地域医療ネットワークが日常のコミュニケーションの場として定着するよう、その課題を明確にして一致協力してその障壁を乗り越えること、がこのセッションの目標です.
 6人の出演者の先生方には、一、二部共通で質問を投げかける形で電子カルテの課題を浮き彫りにしていただきます.皆さん、特に個人開業の先生方には是非参加していただいて、医療の情報化の扉を大きく開いていただくようおねがいいたします.


プログラム
司会:大橋克洋(大橋産科婦人科医院、東京都医師会)
太田吉夫(岡山大学病院医療情報部)

 
第一部.
診療所の情報化.電子カルテと“レセコン”
出演
吉本正博(吉本医院、山口県医師会理事)
吉原正彦(吉原内科クリニック、ダイナミクス)
石原 謙(愛媛大学医学部、日医総研)
内容
・診療所の情報環境の変遷、自作のレセプトシステムの今
・実地診療の現場で必要なもの、便利で診療・経営に役立つ電子文房具
・日本医師会のネットワーク端末、日医標準レセプトソフト、電子カルテ開発キット
・地域の利用者へのサポート、保険点数改訂への対応
 
第二部.
地域医療のコミュニティ形成と経済性
出演
森脇博信(SRL)
長友信裕(AVOC西村、電気通信高度化協会)
坂手恭介(山口大学経済学部)
内容
・医業支援.医療サービス産業との連携、検査センター、医薬品、経営コンサルタント
・病診連携の last one mile 、セキュアな医療ネットワーク.広域電子カルテの運営支援
・広域(地域)の電子カルテやネットワークの経済性.
・地域医療ネットワークの継続運用を阻むもの、マニアの電子カルテから95%の普通の医者のものへ