MedXMLコンソーシアムセミナー

オーガナイザー
特定非営利活動法人 MedXMLコンソーシアム
吉原博幸
Hiroyuki yoshihara

1995年に産声をあげたMML(Medical Markup Language)は、1999年にSGMLからXMLへの変貌を遂げ、2000年3月にその管理をMedXMLコンソーシアムへと移した。その後、バージョン2シリーズで実装に耐えるレベルとなり、2001年度の経済産業省プロジェクト(地域医療連携プロジェクト)において、施設間の情報交換フォーマットとしてMMLが、電子カルテと医事システムの連携にCLAIMが実装されるに至った。また、HL7 V3の出現に伴い、MMLとHL7のシームレスな統合を目指したプロジェクトが計画され、現在、鋭意作業中である。本セミナーでは、MML Ver.3.0の設計概念および、MML/CLAIMの実装の概要について解説する。





MML Version3.0

特定非営利活動法人 MedXMLコンソーシアム

中島裕生
Yusei Nakashima

1.はじめに
 本セミナーでは、HL7とのシームレスな統合を実現した医療情報交換規約MML(Medical Markup Language) Version3.0について説明する。
MML Version3の開発のゴールは次の2点である。
□ HL7 Version2および3に完全準拠したMML Version3.0の提供
□ 現バージョンを使用している既存ユーザにとって新しいMMLバージョンへの移行コストを最小限にする
新たに開発されたMML Version 3.0で、従来のMML Version 2.3[1]の仕様はHL7 Version 3 Standard: Clinical Document Architecture Framework Release 1.0[2] (以後HL7 CDAと記す)の仕様を満たす構造に改変された。これにより、HL7で標準とされる交換方式に対応するとともに、従来MMLで記述したデータをHL7のデータ交換規則に基づいて交換することが可能になった。
セミナーでは、MML Version 3.0におけるHL7 CDAの役割とCDAそのものについても言及する。

2.MML Version 3.0開発方針
MML Version 3.0の開発では、HL7 CDAとの互換性をとるため、HL7 CDAの拡張記述の方法を利用している。それに基づいて以下の再定義、ルール策定を行っている。
□ MML Version3.0でのMML Version 2.3で使用されていたモジュールの再定義
□ CDAHeaderへの「MMLヘッダー」の組み込みルール
□ CDA Bodyへの「MMLコンテンツモジュール」の組み込みルール
? MMLヘッダー、MMLコンテンツモジュール内での制約ルール
セミナーでは上記各項目の説明と、具体的なインスタンス例を示す。

3.HL7メッセージによるMML Version 3.0インスタンス搬送の仕方
MML Version 3.0インスタンスはHL7 Version2 および3のメッセージを利用して搬送することが可能である。セミナーでは、特にHL7 Version3のメッセージを利用する場合について詳述する。
HL7 Version3のメッセージは以下の部分で構成されている。
    HL7トランスポートラッパー
    HL7コントロールアクトラッパー
    HL7メッセージペイロード
HL7メッセージペイロードはドメイン固有のデータを含む。例えばHL7 CDA に準拠したMML Version 3.0インスタンスの場合、それがHL7メッセージペイロードの対象になる。セミナーではMML Version 3.0インスタンスを含んだメッセージペイロードのパッケージングについて、以下の具体的な例についてストーリーボードを交えながら説明する。
?医事会計-電子カルテ連携のためのデータ交換仕様であるCLAIM(CLinical Accounting InforMation)でのやり取り
?紹介状、逆紹介状のやり取り
?カルテ情報の保存やり取り

Clinical Document Architecture[2]について
Clinical Document Architectureは、HL7で「clinical documents」の交換時の意味と構造を定義した仕様である。CDAは HL7 Reference Information Model(RIM)から導かれており、HL7 Version 3 Data Types, Release 1 を利用している。2000年にはANSI規格になっている。

参考文献
[1]  MML ver.2.3: http://www.medxml.net/mml23/
[2]  HL7:Version 3 Standard: Clinical Document Architecture Framework
Release 1.0, 2000





MML/CLAIMの実装経験

特定非営利活動法人 MedXMLコンソーシアム
荒木賢二
Kenji Araki

ドルフィンプロジェクトとMML/CLAIM

 ドルフィンプロジェクトとは、熊本・宮崎にて共同で実運用中の地域医療情報連携事業である。平成13年度に、経済産業省の事業として実証試験を行い、現在も引き続き実患者で運用されている。センターに共同利用型サーバーを置き、病院、診療所、薬局、検査センター、患者の間で医療情報の共有・連携を実現している。診療所には、新規に開発したドルフィン電子カルテを配布し、医事業務は日本医師会の日医標準レセプトソフト(ORCA)を使用している。
 ドルフィンプロジェクトの特徴の一つとして、システム間連携のオープン化が挙げられる。すなわち、電子カルテとレセコンのデータ連携にはMML/CLAIMが用いられているために、仮にドルフィン以外の電子カルテ、ORCA以外のレセコンを利用したい場合でも、それらがMML/CLAIMに対応しておれば、利用可能である。
 診療所でのデータの流れとしては、患者受付時に、ORCAにて受付処理を行うと、患者情報モジュール、健康保険情報モジュールが、ORCAよりドルフィン電子カルテにMML/CLAIMインスタンスとして送られる。診察時に電子カルテに入力された病名と診療行為情報(実施した処方、検査等)は、診断履歴情報モジュールとCLAIMの予約請求情報モジュールに変換され、MML/CLAIMインスタンスとしてORCAに送られる。ORCAで窓口会計処理を行い、計算結果が、CLAIMの点数金額モジュールに変換され、やはりMML/CLAIMインスタンスとして電子カルテに送られ、点数の確認が電子カルテ側でも可能となる。
 これらの情報は、すべて適切なアクセス権を設定され、MMLインスタンスとしてセンターの共同利用サーバーにも送られる。
 MML/CLAIMでは、マスタ類の規定はしていないが、実際の連携のためには、決めておく必要がある。よって、ドルフィンプロジェクトとしては、病名−「標準病名マスタversion2.1」、医事コード−「レセプト電算処理システムマスター(厚生労働省)」、医薬品と材料−「レセプト電算処理システム医薬品・特定器材マスタ」を採用している。今後CLAIMを採用する場合の事例として、参考になると考えられる。

参考文献
[1] ドルフィンプロジェクト http://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dolphin/whatsnew.html
[2] MedXMLコンソーシアム http://www.medxml.net/