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[2009.05.07] ◇細胞だけで立体的な心筋細胞作りに成功――再生医療に画期的な展望。

 医学研究院整形外科(岩本幸英教授)の研究グループは、細胞だけで複雑な立体構造体をつくり、マウスのES細胞を使って心臓と同じように拍動する心筋細胞の構造体をつくることに、世界に先駆けて成功した。このほど3月5日に東京で開催された日本再生医療学会で発表した。5月にはアメリカで開かれる国際細胞治療学会でも発表する。
 研究グループでは、細胞に備わった自己凝集能力に着目して、これまでに細胞だけによる構造体の作成法に成功している。この技術をさらに発展させて大型・複雑な構造体をつくるために、JST(科学技術振興機構)とのプロジェクトチームで開発してきた。
 従来、細胞だけではシート状の構造体しか出来ないために、立体構造にするには細胞のほかに生体分解性ポリマーや動物のコラーゲンなどの生体材料と組み合わせなければ出来なかった。
 研究グループは、ばらばらの細胞が約1万個単位で集まった塊(スフェロイド)を、生体材料を使わずに培養液の中で特定の位置に24−48時間固定させて立体構造化させる技術を開発した。これまでは細胞だけで立体をつくろうとすると、厚みのために培養液が浸透しないために壊死してしまうなど困難だった。今度の研究では、内部をメッシュ状に保つことでそれを克服した。
 これを受けて、マウスのES細胞から誘導した心臓の細胞を、内部をメッシュ状にしてハート型に積み上げると、拍動を伴った心筋細胞の構造体をつくることに成功した。生体材料を使った場合は、その安全性や副作用などについて心配されるが、主任研究員の中山功一特任助教は「その心配がないのが特徴だ。将来的には自身の細胞だけで関節軟骨や半月板、鼻、耳、心臓弁といった形が大切な器官・臓器を再生する医療への実用化が期待される」と話している。次の段階として、スフェロイドを正確、迅速に固定させるロボット製作にも取り組んでいる。

〈写真説明〉マウスのES細胞から誘導されて拍動する心筋細胞。動画

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