炎症性脱髄性疾患症例に対する血清および髄液抗neurofascin抗体測定の有用性の検討

 

 

はじめに
神経細胞の突起(軸索)の周囲は髄鞘と呼ばれる物質で覆われています.この髄鞘が絶縁体として働くことで,神経は電気信号(神経伝導)を効率よく伝えることができます.髄鞘は,中枢神経 (脳,脊髄,視神経)ではオリゴデンドロサイトという細胞が,末梢神経(脊髄から出た後の手足に伸びる神経線維)ではシュワン細胞が形成しています.
この髄鞘が炎症によって剥がされる病気を炎症性脱髄性疾患といい,髄鞘成分に対するアレルギー反応(自己免疫反応)によって病気が起こると推測されていますが,不明な点が多いのが現状です.

 最近の研究によりneurofascinという,オリゴデンドロサイトが作る中枢神経髄鞘と,シュワン細胞が作る末梢神経髄鞘に共通する成分が炎症性脱髄性疾患に関連していることがわかってきました.そこで私たちは,炎症性脱髄性疾患の患者さんの血液および髄液でneurofascinに対する抗体を測定することにより,その検査の有用性を確立していきたいと考えています.この研究により,炎症性脱髄性疾患と抗neurofascin抗体の関連が明らかになれば,当該患者さんに対するより適切な治療を提供できるとともに,新たな治療法・治療薬の開発に役立つと考えています.

 

 

研究期間
研究を行う期間は承認日より平成33年3月31日までです。

 

 

研究機関
研究責任者: 医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 教授  吉良 潤一
研究分担者: 医学研究院 臨床医学部門神経治療学分野 助教  山﨑 亮

医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 助教 松瀬 大
医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 大学院生 緒方 英紀
共同研究者: 名古屋大学環境医学研究所神経免疫学 教授  錫村 明生
近畿大学医学部神経内科 教授 楠 進

 

 

連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
電話:092-642-5340  

九州大学大学院医学研究院神経内科学医局 緒方 英紀
E-mail:hidenori@neuro.med.kyushu-u.ac.jp