臨床研究

患者血清・髄液を用いたアトピー性脊髄炎の血清・髄液中病態関連マーカー探索研究

免疫学的特殊

  • 中枢神経脱髄性疾患において日本人の遺伝的背景が皮質病変形成に及ぼす影響の解析

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研究課題名:中枢神経脱髄性疾患において日本人の遺伝的背景が皮質病変形成に及ぼす影響の解析

【はじめに】

 私たちの神経活動は神経細胞から出る細い電線のような神経の線を伝わる電気活動によってすべて行われています.家庭の電線がショートしないようにビニールのカバーからなる絶縁体によって被われているように,神経の線も髄鞘というもので被われています.この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄性疾患です.脳や脊髄において,この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑と言います),再発・寛解を繰り返すのが多発性硬化症や視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患です.病変(脱髄)のできる部位によって,視力が低下したり,しゃべりにくくなったり,歩きにくくなったり,手足にしびれや痛みを感じるなど様々な症状が現れます.
多発性硬化症及び視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患は,他の多くの病気と同じように,複数の遺伝的要因と環境的要因が関与する多因子疾患と考えられていますが,詳細な病態メカニズムは解明されておらず,現時点では根本的な治療法はありません.また,近年,若年者の発症が増えており,重度の身体機能障害をきたしうるなど大きな社会問題となっています.
私たちは,日本人の多発性硬化症における皮質病変が欧米人同様に認められるのかどうか,視神経脊髄炎/視神経脊髄炎でも存在するかどうか,そしてその病変がどのような遺伝的特徴や臨床的特徴に影響を受けているのかを明らかにすることを目的として臨床研究を実施しました.
欧米人による報告によると,多発性硬化症患者では,発症早期から皮質病変が高率に認められ,その存在が将来の障害度に影響を与えていると報告されていますが,欧米人とは異なる遺伝的特徴を持つ日本人でも同様に皮質病変があるかどうかは分かっていません.また,視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患では皮質病変が存在しないのではないかとされていますが,十分な検討は行われておりません.
そこで私たちは,まずその皮質病変がどの程度認められるかを,頭部MRIのDIR法という撮像法により明らかにしたいと考えています.そして,皮質病変が認められやすい患者さんの特徴を見出したいと考えています.この研究により,皮質病変の存在頻度が明らかとなり,その存在を予測する方法が明らかになれば,当該患者さんに対するより適切な治療を提供できるとともに,新たな治療法・治療薬の開発に役立つと考えています.

    対象

この研究では,承認日~平成30年3月31日の期間に九州大学病院を受診した多発性硬化症の患者さんが対象となります.また多発性硬化症の類縁疾患である視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患の方も対象となります.対象人数は多発性硬化症の方が100名,視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患の方が50人を予定しています.対象者となることを希望されない方は,下記連絡先までご連絡下さい.

    研究内容

 この研究では,多発性硬化症とその類縁疾患の視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患と診断され,かつ同意が得られた患者さんの血液を対象とさせて頂きます.多発性硬化症は100名,視神経脊髄炎/視神経脊髄炎関連疾患は50名を対象とする予定です.
この研究への参加に同意頂きますと,研究用の血液を約10ml採取させて頂きます.この血液からDNAと呼ばれる遺伝情報を採取します.また,double inversion recovery法という撮影法を含む頭部MRIを撮影し,その撮影日前後7日以内に全体的な認知機能,記憶力,注意力などを見る聞き取り式の検査を行います.

    個人情報の管理について

個人情報漏洩を防ぐため,九州大学大学院医学研究院神経内科学分野においては,個人を特定できる情報を削除し,データの数字化,データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り,第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております.また,本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には,患者さんを特定できる情報は一切含まれません.  
また,この研究の成果を発表したり,それを元に特許等の申請をしたりする場合にも,あなたが特定できる情報を使用することはありません.
この研究で得られたあなたの血液や測定結果,カルテの情報等は,将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります.そこで,前述の試料,データを保存し,将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えております.これを「データの二次利用」といいます.なお,データの二次利用を行う場合には,改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し,承認された後に行います.二次利用に同意されない場合は,下記連絡先までご連絡ください.

    医学上の貢献

 この研究により,皮質病変の存在頻度が明らかとなり,その存在を予測する方法が明らかになれば,当該患者さんに対するより適切な治療を提供できるとともに,新たな治療法・治療薬の開発に役立つと考えています.

    研究期間

研究を行う期間は承認日より平成30年3月31日までです.

    研究機関

研究責任者: 医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 教授 吉良 潤一
研究分担者: 医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 講師 松下 拓也
九州大学病院 放射線部             助教 樋渡 昭雄
九州大学病院 神経内科             臨床助教 篠田 紘司
医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 大学院生 中村 優理

 

 

連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
電話:092-642-5340 神経内科学医局 篠田 紘司
E-mail:kshinoda@neuro.med.kyushu-u.ac.jp




連絡先:九州大学大学院医学研究院神経内科学
shinkei@neuro.med.kyushu-u.ac.jp
TEL 092-642-5340  FAX 092-642-5352