臨床研究

患者血清・髄液を用いたアトピー性脊髄炎の血清・髄液中病態関連マーカー探索研究

免疫学的特殊

  • 抗neurofascin155抗体のエピトープ同定およびELISAキットの作成

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研究課題名:抗neurofascin155抗体のエピトープ同定およびELISAキットの作成

【はじめに】

神経細胞の突起(軸索)の周囲は髄鞘と呼ばれる物質で覆われています.この髄鞘が絶縁体として働くことで,神経は電気信号(神経伝導)を効率よく伝えることができます.髄鞘は,中枢神経 (脳,脊髄,視神経)ではオリゴデンドロサイトという細胞が,末梢神経(脊髄から出た後の手足に伸びる神経線維)ではシュワン細胞が形成しています.
 最近の研究によりneurofascin 155 (NF155)という中枢・末梢神経髄鞘に存在する蛋白に対する自己抗体が中枢末梢連合脱髄症(CCPD)や慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)の患者さんの一部で陽性になることがわかってきました.そこで私たちは株式会社コスミックコーポレーションと共同で,CCPD,CIDPをはじめとした神経疾患患者さんの血液成分と髄液,健常者の方達の血液成分を使用させて頂き,より正確でより簡単な抗NF155抗体の測定法を開発しています.抗NF155抗体の測定法が確立されれば,当該患者さんに対するより適切な治療を提供できるとともに,新たな治療法・治療薬の開発に役立つと考えています.

    対象

患者群

  1. 平成7年1月1日~平成27年10月31日までに九州大学病院で抗NF155抗体を測定し,陽性と判断された方の臨床情報,血清,髄液,血漿交換後の廃棄予定の血液成分を利用させて頂きます.目標症例数は50例です. 

対照群

  1. 平成7年1月1日~平成27年10月31日までに九州大学病院を受診した抗NF155抗体陰性CCPD,CIDP,GBS,MS,その他の末梢神経障害症例の臨床情報,血清,髄液,血漿交換後の廃棄予定の血液成分を利用させて頂きます.
  2. 平成7年1月1日~承認日までに九州大学神経内科で施行された臨床研究 (炎症性脱髄性疾患症例に対する血清および髄液抗neurofascin抗体測定の有用性の検討(許可番号26-289)」 許可期間平成27年2月20日~平成28年3月31日)に参加し,検体の二次利用に許諾された健常者の血清.に参加し,検体の二次利用に承諾頂いた健常者の方達の血清も利用させて頂きます.
  3. 目標症例数は各疾患,健常者それぞれ50例です.

対象者となることを希望されない方は,下記連絡先までご連絡下さい.

    研究内容

研究実施場所は九州大学医学研究院および株式会社コスミックコーポレーションです.検体とともに臨床情報(性別,発症年齢,臨床診断,臨床経過,全経過中の神経症候,髄液蛋白値,髄液細胞数,MRI病変,神経生検所見,神経伝導検査所見,治療内容,転帰)を使用させて頂きます.
免疫学的手法を用いて,抗NF155抗体陽性の方達の検体中に存在する抗体がNF155のどの部分に結合するのかを調べます.抗NF155抗体陰性症例および健常者の方達の検体は,検体中のIgGがNF155には反応しないことを確認する(陰性コントロールと言います)ために利用させて頂きます.検体は共同研究施設であるコスミックコーポレーションに送付され研究に使用されることがあります.最終的にはNF155の抗体が結合する成分のみを抽出して検査キットを作成します.そうすることで,偽陽性(本当は陰性なのに陽性と判断されること)の割合が減ると予想されます. 既に採取された血清,髄液,血液浄化療法で除去された血液成分を利用させて頂きますので,対象者の方に余分な負担が生じることはありません.
更に詳しい研究計画書をご覧になりたい場合は下記連絡先に御連絡ください.
なお,本研究については個人情報の開示は行わない方針です.

    個人情報の管理について

個人情報漏洩を防ぐため,九州大学大学院医学研究院神経内科学分野においては,個人を特定できる情報を削除し,データの数字化,データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り,第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております.コスミックコーポレーションと検体をやりとりする場合やこの研究の成果を発表したり,それを元に特許等の申請をしたりする場合にも,あなたが特定できる情報を使用することはありません.またあなたが希望されない場合は,コスミックコーポレーションとのやりとりは行いません.

    医学上の貢献

この研究より正確で簡易な抗NF155抗体測定法が確立されれば,将来CCPD,CIDPのさらなる治療法,治療薬の開発に役立つと考えています.

    研究期間

研究を行う期間は承認日より平成32年3月31日までです.

    研究機関

研究責任者: 医学研究院 臨床医学部門神経内科学分野 教授 吉良 潤一
研究分担者: 医学研究院 臨床医学部門神経治療学分野  助教 山﨑 亮
医学系学府 臨床医学部門神経内科学分野 大学院生 緒方 英紀
共同研究者:株式会社 コスミックコーポレーション      稲垣 貴之

 

連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
電話:092-642-5340 神経内科学医局 緒方 英紀
E-mail:hidenori@neuro.med.kyushu-u.ac.jp




連絡先:九州大学大学院医学研究院神経内科学
shinkei@neuro.med.kyushu-u.ac.jp
TEL 092-642-5340  FAX 092-642-5352