【福岡県済生会福岡総合病院神経内科】

(福岡県済生会福岡総合病院神経内科・脳血管内科 主任部長 山田 猛)

 

 社会福祉法人恩賜財団済生会に属する公的病院であり、「恵まれない人々のために施薬救療し、済生の道を弘める」ことが根底にあります。福岡地区第3次救命救急センター、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院などとして、地域に密着した医療を担っています。また、DPC病院U群(高診療密度病院群)として、質の高い医療を提供しています。

 神経内科は脳神経外科とともに脳卒中センターとして急性期脳血管障害を含めた神経疾患の救急医療にあたっています。スタッフは部長4名、医長1名、レジデント2名の計7名です。神経内科専門医5名、脳卒中専門医5名、脳血管内科専門医2名と、医局関連病院の中でも脳卒中診療は充実していますが、総合脳卒中センターとして機能できるように、診療体制を絶えず進歩させていく必要があります。2011年の年間入院患者数は660名程度、約半数が急性期脳梗塞の患者で、tPA 静注療法の適用は8例と前年実績を下回っています。10月から中垣君がスタッフに加わり、merci、penumbra といったデバイスによる超急性期脳梗塞に対する機械的血栓除去療法や、頚動脈高度狭窄に対する頚動脈ステント治療に積極的に取り組んでいます。SCU(Stroke Care Unit)も整備していますが、脳梗塞患者の救急搬送数が伸び悩んでおり、新聞広告や福岡市民病院と合同で救急隊や地域の開業医の先生を対象とした福岡脳卒中救急カンファレンスを開催して、脳梗塞超急性期治療の適用数増加を図っています。


 脳卒中の初期対応の技量向上を目的に、医療従事者を対象としたISLS(Immediate Stroke Life Support)講習会を、福岡県認知症・脳卒中広域臨床研究プロジェクトの後援を受け、京滋ISLS とISLS中部などの協力をえて、6月、9月、11月に計3回行いました。今後も継続の予定です。
 脳血管障害以外にも、けいれん・てんかん重積、髄膜炎・脳炎、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群などの急性期治療もあり、神経救急を勉強したい人にはうってつけの病院です。


図1. 平成23年度入院患者内訳



図2. 平成23年度入院脳血管障害



図3. Merciretri ever による血栓除去治療。
(左)治療前、左MCA 閉塞、(中)Merciデバイスと回収血栓、(右)治療後、左MCA 再開通。