【神経内科専門医資格と中途入局について (2003年12月15日)】

  日本神経学会では、日本内科学会との合意により、神経内科専門医は内科2階建て方式とすることを決めました。これは、内科のなかの神経の領域(脳卒中も含めて)は、日本神経学会認定の神経内科専門医が専門医として診ることを意味します。循環器内科専門医、消化器内科専門医、呼吸器内科専門医などと同様な位置に神経内科専門医が位置づけられるわけです。したがって、これから神経内科専門医資格の取得を目指す人は、まず内科学会の内科認定医試験を通って、神経学会の神経内科専門医試験に合格する必要があります。内科専門医資格は、2階建て部分(subspeciality)は複数名乗ることができますから、神経内科専門医でかつ循環器内科専門医という人もありえます。脳神経外科医や小児科医は、それぞれ基本診療科なので、神経内科専門医を重複して名乗ることはできません。

  現時点では、doctorユs fee がつきませんので、専門医資格を標榜することができるというだけですが、今後、doctorユs fee (専門医の診療には応分の診療報酬が上乗せされる)が実現される可能性が高いとされています。したがって、医師は何らかの専門医資格を持つことが不可欠な時代になると予想されます。
  日本神経学会専門医試験(現神経内科専門医試験)は、内科系のなかでは最も早い時期から厳密な試験を実施しています。現在においても合格率は70%前後と全ての専門医試験で最難関となっています。今まではこの資格を持っていても現実的には何のメリットもありませんでしたが、今後は試験が難しい分、逆に価値が出てくるともいえます。

  今年九大神経内科では過去最多の7名(100%の合格率)が本試験に合格しています。九大神経内科では専門医試験受験までの道のりが確立しており、入局したものは皆しっかりしたシステムに乗って勉強できます。大学神経内科での1年間の専門的な研修の中で、臨床神経学はいうに及ばず、脳波、筋電図、各種誘発電位検査、睡眠脳波などの電気生理学的検査は臨床神経生理部門の飛松教授の指導を受けて勉強できますし、筋生検、末梢神経生検なども学べます。関連病院のローテートでは脳卒中センターで脳卒中を含む急性期神経疾患の診療を、国立療養所では筋ジストロフィーや神経難病のケアについて研修することができます。システマティックに勉強できますので、比較的短期間に効率よく神経内科の臨床を幅広く学ぶことができます。

  大都市を中心に神経内科医は日本全国どこでも大幅に不足していますから、これから専門医資格を取りたい人には、神経内科専門医資格は大変価値があると思います。私どもの医局は昔から九大以外の卒業生の入局が多く、約半数は外部からです。大学の教官スタッフや関連病院の神経内科部長も約半数は九大以外からの出身者で占められています。中途入局であってもその人の実力次第で差別はしておりません。現在の教官スタッフ6名のうち2名は中途入局ですし、福岡市内の基幹関連病院の神経内科部長として活躍している者もおります。有為な人材をできるだけ活用したいというのが基本姿勢です。今後、臨床研修が必修化されて大学卒業後の医師の流動性が高まることが予想されますので、ますますこの傾向は顕著になると思われます。このような時代にあって私どもの医局ではオープンな医局作りを目指しております。専門医資格の取得は一例に過ぎませんが、福岡市で働きたい、神経内科を学びたいなど様々な動機で中途入局する人は常時あります。特に推薦状がなくても随時中途入局の相談に応じております。中途入局希望のある方は医局長までご連絡ください。