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写真16
写真16:道教寺院の門で王さんと

  翌日は、前回は慮山(ろざん)に行ったので、今回は、九江にある竜虎山へ行くという。ここには道教発祥の地として有名な世界遺産にもなっている寺院がある。 レンガ色の土塀の続く、それはそれは広大で立派なお寺であった(写真16〜19)。ただ残念なことに、ここでも文化大革命により多くの歴史的な文物が破壊されていた。 同地には天安門事件の責任を問われて失脚した、開明派・親日派の胡耀邦主席の大きな墓地があり、訪れる人も少なくない(写真20)。 あいにくの雨で竜虎山の河くだりができず、昼はまた田舎の料理屋に行く。ここでは石鶏(シージー)のスープが特においしかった。 この石鶏というのは、食用ガエルみたいな感じなので、カエルかと聞くとカエルじゃないという。 でも僕の椀にはカエルの目玉がついた頭の上半分が浮かんで僕を見ているけどね(これは後で調べると渓流にすむカエルで、上下まっぷたつに切って内蔵を取り出しスープにしたものである)。 例によって四特酒で乾杯である。四特酒も15年ものは、生で飲んでもなめらかでおいしい。でも、陳さん、僕はあなたと乾杯したくない。あなた、運転手でしょう。 これから高速道路を2時間ほども雨の中を車でぶっとばして帰るんでしょう。昨夜も酔っ払い運転でよろよろしていたじゃないですか。

写真17
写真17:道教寺院の中で

  王さんのお母さんは認知症という。4人の娘は全て家を出ているので家政婦に日ごろはみてもらい、週末はみなが母親のもとに集まるという。 4人集まってマージャンをするんだそうである。もちろんお金をかけてする。わずかでもお金をかけないと賭け事はおもしろくない。中国人は一般にギャンブル好きである。 このためマージャンは台湾でも大陸でも一時禁止されたが、復活している。毛沢東も好んだという。字牌(ツーハイ)のない数字の牌だけのマージャンも普及しているらしいが、これではトランプみたいでおもしろくない気がする。 中国は一人っ子政策のためもあり、日本以上に早いペースで少子高齢化が進んでいる。認知症のケアは、この国にとって近い将来日本以上に大きな問題になることであろう。中国はまだ家族が同じ地域に住むことが多いので、認知症患者は家族がみていることが多いという。

写真18
写真18:道教寺院の庭にある亀の頭部は壊されている

  高山正之氏のコラム集、変見自在(サダム・フセインは偉かった、新潮社)によれば、中国では共産党幹部850万人は医療費が免除されているという。 その分、一般の患者の負担が増え、医療を受けられない階層が存在し、病院に担ぎ込まれても所持金がない場合は放置され死亡に至る例もあるとのこと(韓国の外交官で最初にVIPであることを言わなかったため、そのようなことになった事例を本で読んだことがある)。 このような格差社会・階級社会で良心的に神経内科診療をやっていくのは、これは大変だろうなあと思う。
ところで、中国から帰った後、1週間ほども微熱がありお腹が張ってとても痛かった。寄生虫ではあるまいかと思ったが、自然に治ったので、まだ抗寄生虫抗体は調べていない。 手足でもシビレてきたら調べようかと思っている。

写真19
写真19:寺院の煉瓦色の土塀が続く

写真20
写真20:胡耀邦主席の墓地

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