教 授 挨 拶

社長

神経病理学教室は脳神経病研究施設の基礎研究部門として他の3部門(神経内科、脳神経外科、臨床神経生理)と共同で神経疾患の原因追求と治療法開発を目指しております。先代の立石潤名誉教授が昭和49年に脳研病理部門として創設したのが始まりです。平成8年から第2代の主任教授として教室を担当しています。
 研究面では神経変性疾患、痴呆性疾患、脳腫瘍を主に扱っています。特にプリオン病は先代の立石潤名誉教授から継続している息の長い研究テーマです。最近の成果として培養細胞や遺伝子改変マウスなどを用いたバイオアッセイ法にてプリオン病の治療薬開発も行っています。また種々の変性疾患に蓄積してくる異常構造物の成分解析を行い、星細胞に蓄積してくるRosenthal線維の成分を同定しました。神経変性疾患は老化と類似する側面がありますが生体の防御機転の低下との関連も調べています。この他に日常業務として脳腫瘍の生検診断に携わっており,豊富な人体材料を有しています。
 これを活かして脳腫瘍の遺伝子異常についても脳外科や遺伝情報実験センターと共同研究を進めています。平成13年より九州大学病態機能内科学との共同プロジェクトとして久山町研究における痴呆疾患の病理学的解析を開始しました。
 神経病理学は形態学のイメージが強いかもしれませんが、異常な形態の中に研究テーマのヒントが隠されており、特に神経変性疾患ではその原因物質そのものが異常蓄積物を形成していることがほとんどです。形態病理学を元に神経疾患の病態を生物学的手法と生化学的手法の両方を駆使して究明ており、教室内でも様々なアプローチができるような教室作りを目指しています。教室の研究に興味のある方はご連絡ください。脳研究に積極的に取り組む若い研究者を大学院生として受け入れたいと思います。

岩城 徹