教室の歴史

 

  臨床神経生理は昭和57年4月1日に脳研"生理部門"として発足しました。内科部門(神経内科)、外科部門(脳神経外科)、病理部門(神経病理)に続く第四の部門の誕生でした。同年9月16日に加藤元博(神経内科講師)が教授として発令されました。加藤教授の下、脳神経外科より島 史雄助手(のち講師、助教授)、神経内科より細川晋一助手(のち神経内科講師)がスタッフとして加わり、"脳神経病の診断・治療の研究"に生理学的立場から貢献することを目標として研究を開始しました。

  加藤、細川が局所脳糖代謝を指標とした大脳基底核機能、実験的てんかんの脳内伝播経路の研究、島が定位脳手術を含む"機能的脳外科"を発展させました。昭和62年11月細川晋一の後任として神経内科より飛松省三が加わり視覚の研究を開始しました。7年間の時限を更新し、平成元年4月から "臨床神経生理部門"として再出発した。ここに名実ともに我が国で初めての臨床神経生理学専攻の教室となりました。
 
  平成2年10月には生理研連シンポジウム「ヒトの脳機能研究の最近の進歩」を加藤が世話人として開催しました。平成3年11月には開講10周年記念会として「臨床神経生理シンポジウム」を開催しました。平成9年11月には加藤が第34回日本脳波・筋電図技術講習会、第27回日本脳波・筋電図学会を福岡で主催し、盛会でありました。平成11年3月に加藤教授が定年に伴い退官しました。同年4月からは時限が撤廃され、12月1日に飛松省三講師が教授に昇任しました。飛松は加藤名誉教授の基本研究方針を引き継ぐとともに、教室の研究テーマを脳波・誘発電位・脳磁図などの電磁気生理学的手法とポジトロンCT・機能的MRIなどの脳機能イメージングを統合した高次脳機能の研究としました。
 
  平成12年1月には神経内科より谷脇考恭講師が加わりました。10月には島が第39回日本定位・機能神経外科学会を開催し、盛会でありました。島の退官に伴い、平成13年4月より脳神経外科から後藤純信が助手として加わりました。その後、谷脇(九大神経内科准教授→久留米大学神経内科教授)の異動に伴い緒方勝也(助教)が、後藤(国際医療福祉大学リハビリ学部准教授)の異動に伴い山崎貴男(助教)が、山崎(三野原病院)の異動に伴い、重藤寛史(講師)が加わりました。重藤(九大神経内科講師)の異動に伴い、萩原綱一(助教)が加わりました。平成22年4月1日現在のスタッフは、飛松省三(教授)、緒方勝也(助教)、萩原綱一(助教)、山崎貴男(特任助教)、大石文芽(特任助教)です。