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研究院長挨拶

九州大学大学院医学研究院長 住本 英樹  九州大学医学部は、1903年(明治36年)ここ馬出の地(当時の地名は堅粕東松原)に京都帝国大学福岡医科大学として創立されました。1911年(明治44年)の九州帝国大学設立に伴い九州帝国大学医科大学となり、1947年(昭和22年)には九州大学医学部と改称して今日に至っています(下記注参照)。開学以来一貫して、医学・医療の教育、医学研究の発展、および医療の実践に尽力してきました。

 九大医学部には、医学科、生命科学科、保健学科の3つの学科があります。入学後1年間は伊都キャンパスで一般教養を学んだ後、それぞれの専門教育を通じて、未来の医学と医療を担うプロフェッショナル(の卵)を育てる学部です。プロフェッショナルとは、現状に満足せず一生学び続ける人のことです。とくに、「世界中の先達によって培われてきた医学・医療を単に消化吸収するだけでなく、将来はそれぞれの領域で新たな一歩を切り開くことができる医学研究者・医療人」を育てることを九大医学部は目指しています。ただし、学部学生の皆さん、焦る必要はありません。まずは、よく学びよく遊び(部活にいそしみ)そして本を読みましょう。医学だけにとらわれず、できるだけ広い分野の本を読みながら、いろいろと考えてみましょう。それは思考力を育む上での一番の近道でもあります。また、研究に興味がある人、講義・実習では満足できない人は、遠慮なく教授室(研究室)のドアを叩きましょう。そして、いろいろとやらせてもらいましょう。それは大学の学生生活の醍醐味のひとつ(それも大切なひとつ)なのです。私も学部学生時代はいくつもの研究室に出入りしていました。そして、いろいろと教えてもらったりご馳走になったりしていました。学部学生の皆さんには、大学の中を自由に探検してほしいと思っています。

 九大医系の大学院(医学系学府)には、医科学専攻(修士課程)、医学専攻(博士課程)、保健学専攻(修士課程)、保健学専攻(博士後期課程)、医療経営・管理学(専門職学位課程)の5つの専攻があります。そこは、世界に通じる独創的な研究を行う場です。研究の世界では、例え未熟でも大学院生は一人前扱いされます。例えば、大学院生の研究成果は原著論文として英文雑誌に発表することになりますが、大学院生だからといって採点を甘くして論文掲載を許可してくれるような雑誌はありません。逆に、大学院生でも優れた研究をすれば、それは世界的に高く評価されます。2014年ノーベル物理学賞に輝いた赤崎先生と天野先生の受賞対象研究が、当時大学院生だった天野君と定年間近だった赤崎教授のコンビによるものだったことは記憶に新しいところです(そうです、天野先生は大学院生の時に行った研究でノーベル賞を受賞したのです)。大学院生には、学部卒業後直ちに進学した人も、一度医療現場を経験して進学した人もいると思います。その多様性が医学系学府の特徴であり強みでもあります。大学院生の皆さんが、自由闊達に討論し独創的な研究に取り組むことを期待しています。

 医学部の学生、医学系学府の大学院生には、それぞれの時期に応じて、時には助けてくれる先生が、時には一緒に歩む先生が必要です。九大医学研究院の教員はそのための努力を惜しみません。一方で、教員は、優れた研究・優れた診療を通して自分自身をも磨き続けていかなくてはなりませんが、九大医学研究院の教員は皆そのための地道な努力を重ねています。何となく元気がなくなってしまった最近の日本にあって、九大医学研究院は、今こそ、腰を据えた教育・独創性が高い研究・きめ細かい先端的な診療を行い、未来の医学・医療を担っていきたいと考えています。

注)九州大学では2000年(平成12年)に学府研究院制度を導入しました。医学研究院は、九州大学における医学教育およびその基盤となるべき医学研究・診療を担う教員を束ねる組織です。したがって「医学研究院」は、医学科・保健学科・生命科学科の学部学生教育のための組織である「医学部」、医学系の大学院生の教育のための組織である「医学系学府」、診療の場であるとともに医学部学生の教育の場でもある「九州大学病院」と切っても切れない関係にあります。

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