アンケートにご協力頂いたみなさまへ

九州大学眼科                
九州大学大学院病理病態学 池田康博

 日本網膜色素変性症協会(JRPS)の会報誌「あぁるぴぃ49号」に私の原稿を掲載させて頂いたのを契機として、とてもたくさんの方々に我々、九州大学大学院病理病態学のホームページでの「網膜色素変性症の治療に関するアンケート」にご協力を頂き、みなさまの現状と治療に対する希望などについて多数のご意見を頂戴することができました。この場をお借りして御礼を申し上げさせて頂きます。どうもありがとうございました。今後の診療に役立てていきたいと思います。またアンケートにご回答を頂くだけでなく、今後の我々の研究推進の原動力になるような励ましのお言葉を多数頂戴致しました。これからも少しでもみなさんの『希望のひかり』となれるように研究と診療を続けていきたいと思います。温かく見守って下さい。
 さて、アンケートの回答の中で電話番号やメールアドレスを記載して下さった方も複数いらっしゃいました。しかしながら申し訳ありません、すべての方と直接やりとりをすることは種々の都合により難しいようです。そこで、いくつかの重複しておりました代表的な質問に対してお答えさせて頂きたいと思います。



Q.  九州大学病院を受診するにはどうしたらよいですか?

A.  九大病院眼科に始めて受診される方は毎週月、水、金の午前11時までに新患受付を病院でして頂く必要があります。そこでみなさまの眼の状態についての検査(視力、眼圧、視野検査、網膜電図測定、眼底検査など)を行い、その後に網膜色素変性の患者さんだけを対象とした「網膜色素変性再来」(毎月第3火曜日)にて専門の医師により定期的な診療を受けて頂きます。通常の月、水曜日であれば私が外来診療の担当になっておりますので、最初の診察より主治医をさせて頂く可能性が高いと思います。勿論、他の医師が主治医となる場合もありますが、最終的には私が診察をさせて頂きます。金曜日は不在ですが、後日診察をさせて頂くことになります。詳細は、九大病院眼科外来(092-642-5660)までお電話を下さい。

 

Q.  九大病院では新しい治療を受けることができますか?

A.  みなさんもご存じの通り、現在のところ網膜色素変性に対する有効な治療法は確立されておりません。残念ながら九大病院でも現時点では新しい治療を受けることはできません。しかしながら、新しい治療法の登場へ向けての準備は可能です。我々が研究を進めている遺伝子治療のみならず網膜色素変性の新しい治療法が登場した場合、その治療法の効果の有無を検討する臨床研究という形式で登場する可能性が高いと予想されます。網膜色素変性は非常にゆっくりとした経過をたどる病気ですから、治療後の効果を判定するために少なくとも3年以上の経過を観察する必要があると考えられます。従って、治療前のデータもそれに相当する期間のデータが必要となるでしょう。定期的に九大病院を受診して頂いて、ご自分の眼のデータを積み重ねることにはそれなりの意味合いがあるのではないかと思っております。

Q.  網膜色素変性を専門にしている病院を受診したいのですが?

A.   九大病院と同じように、大学病院などの規模の大きな病院では網膜色素変性の専門外来を持っているところがたくさんあります。まずは、お近くの大学病院にお電話をされてみて下さい。きっと専門にされている先生がいらっしゃると思います。

Q.  特定疾患を受けるにはどうしたらよいですか?

A.  申請に必要な書類等についての情報は、最寄りの保険所にお問い合わせ下さい。臨床調査個人票(申請に必要な書類の一つです)は眼科医師が書きます。この書類を書く際には、視野検査と網膜電図測定が必要となります。すべての眼科でできる検査ではありませんので、あらかじめ眼科にお電話をされて検査ができるかどうかを確認されて下さい。


ー2004.05.11ー