九州大学医学部小児科学教室は、より質の高い小児医療・医学の実践に向けて、日々努力を重ねるとともに、将来の小児医療に貢献しうる、質の高い小児科医を育成することに力を注いでいます。
卒後臨床研修(初期研修:2年間)
九州大学病院での研修を希望される場合は、九州大学病院臨床教育研修センターのホームページ
の募集案内をご覧下さい。
卒後臨床研修後の研修(小児科専門研修:3年間)
1.小児科専門医コース
九州大学小児科では、2年間の初期臨床研修終了後、小児科専門医の取得(小児科専門医概要はこちら)を目指して研修を希望する医師のために、3年間の小児科専門医コースを用意しています。
小児科専門医取得のためには、稀な疾患を含め広い疾患領域を経験する必要があります。本コースは一般小児科診療に必要な知識・技術を習得するだけでなく、高度な小児先進・先端医療にも携われるよう作られており、広範な臨床経験と高度な専門性に対応できるようになっています。また単一の病院でこれら全てを網羅して研修することは困難です。九州大学病院だけでなく福岡県内をはじめ九州山口地区のKPI研修中核施設で経験豊かな小児科専門医の指導を受けることができるのも本コースの特色です。
九州大学病院では、10の診療グループ(血液、免疫、腫瘍、感染症・アレルギー、神経、循環器、腎、内分泌、代謝・遺伝、新生児)の指導医の下で、小児医療センター、総合周産期母子医療センター、感染症病棟、救命救急センターにおいて、主治医として研修を行います(小児科専門研修プログラムはこちら)。小児医療センターは平成18年に新病院(北棟)6階にオープンし、西日本の大学病院では初めての、小児科だけでなく小児外科など診療科の垣根を越えた病棟です。当院では、救命救急センターにも専属の小児科スタッフがおり、救急医療や高度医療を研修することも可能です。子どもの心の問題に興味のある方は、精神科児童外来、教育学部と共同で行っている「子どものこころの診療部」で研修を受けることもできます。また希望により、臨床遺伝医療部(部長:原寿郎教授)で行われている遺伝カウンセリングの基礎トレーニングを受けることが可能です。
3年間の研修は、原則として、1年間の九州大学病院と2年間の希望するKPI研修中核施設とで研修を行い、小児科臨床におけるグローバルスタンダードを身につけ、あらゆる局面に対応できる小児科医を目指します。
2.大学院/研究生コース
初期研修の後、直ちに研究を行いたい方には大学院/研究生コースを用意しています。将来、基礎医学研究者を希望している方が対象ですが、1-2年間小児科専門医コースで研修を行った後に、早期に研究を開始することも可能です。
臨床研修体制とスケジュール
診療体制
指導医/主治医(スタッフ/医員)、担当医(主科研修医)、副担当医(クリニカルクラークシップ)のチームで医療行為を行う。
一日のスケジュール
九州大学病院小児科病棟における一日の研修内容をご紹介します。
月曜日から木曜日は、毎朝、8時30分に北6階カンファレンスルームに集合します。そこで、各主治医と当直医が前日の入院患者と夜間時間外の緊急入院患者についてプレゼンテーションを行います(Morning Conference:病棟医長、副病棟医長、病棟医、研修医が参加)。担当医は患者情報を把握し、検査/治療方針を考えてプレゼンテーションに臨みます。また、入院中の重症患者や病状が急変した患者の報告も行います。病棟医長から連絡事項が伝えられると、Morning Conferenceは終了です。終了後はベッドサイドに足を運び、患者の状態を主治医に報告し、ディスカッションを通して方針を決定します。必要な検査、薬などの処置オーダーを行い、患児の容態、問題点、ケア方針をカルテに記入します。午後は疾患グループ毎にAttending Roundsがあります(グループによって曜日、開始時間が違います)。各グループの指導教官を囲んで、各患者一人ひとりに関する簡単な経過説明に引き続き、患者のケアに関するディスカッションがおこなわれます。そして、ディスカッションをもとに新たなプランを立てていきます。
一週間のスケジュール
以下に述べるのは曜日別のスケジュールです。
月曜日
月曜日のMorning Conferenceは前の週の金曜日の当直帯からの報告になります。午後からは疾患グループ毎にAttending Roundsがあります。
火曜日
昼頃、ランチゼミがあり、小児医療について実践的な講義があります。13時30分から回診が行われます。北6階2病棟の個室から北7階感染症病棟まで回診し、16時頃に終わります。18時からは、北6階カンファレンスルームで「小児科カンファレンス(九州大学母子総合研究リサーチコアカンファレンス)」が行われます。ここでは小児科の各分野のさまざまなトピックスが論じられます。内容は基礎的な研究報告から実践的な臨床の話、入院中のProblem caseについて検討を行う「Case Conference」また各専門分野の最新動向など多岐にわたります。第二火曜日は「クリニカルカンファレンス」と称して大学病院外の先生も参加し、開始は19時からになります。
水曜日
後期研修医は、毎週1名ずつ10:00から原教授の指導による外来実習があります。
木曜日
日常診療に加え、新患を受け持った研修医は金曜日の「新患カンファレンス」の準備を行います。
金曜日
朝8時から小児科カンファレンスルームで「新患カンファレンス」があります。小児科の医師全員が出席します。前の週の金曜日から前日(木曜日)までに入院した患者の報告を担当医毎に行います。さまざまな質問やコメントが飛びかい、情報交換も頻繁になされます。また、その週に死亡退院したケースがある場合もここで報告されます。貴重なケースの場合は、自分で直接その患者を担当しなくても報告を聞くことで多くを学ぶことになります。
引き続いて、南棟5階のNICUから回診が始まります。担当医は患者の状況、今後のケアプランをコンパクトにプレゼンテーションします。Brief presentationの技術修得は、医療の現場において複数のタスクをすばやく、しかも漏れなく同時進行させるために極めて重要なプロセスといわれています。回診は12時頃には終わり、午後の仕事を終えれば一週間が終わりとなります。
小児科専門医取得後
小児科専門医取得後、各人の意志に応じてその活躍の場は様々なかたちで提供されます。
1.一般小児科医/ホームドクターコース
Generalに秀でた小児科医を目指して、関連病院でさらなる研修を続けます。
2.大学院/研究生コース
大学院(小児科・基礎系)に進学し、それぞれの研究分野におけるSpecialistを目指します。九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野(旧、九州大学医学部小児科学教室)では、1.感染・アレルギー・遺伝子治療研究室、2.免疫・遺伝子研究室、3.遺伝子診断・治療研究室、4.脳機能研究室において、診療グループの垣根を越えた研究を展開し優れた研究成果を収めています。
3.サブスペシャリティーコース
小児科の中での専門を決め、その領域(血液・免疫・腫瘍・感染症・アレルギー・神経・循環器・腎臓・内分泌代謝・新生児など)の専門医を目指します。九州大学病院や福岡市立こども病院・感染症センター、福岡病院、九州がんセンター、九州医療センター、福岡東医療センター、九州厚生年金病院、北九州市立医療センター、小倉医療センターなど豊富な症例数をもつKPI参加施設で研修を積みます。各領域において指導的立場にある先生から直接指導を受けられるのが、本コースの特長です。一定の基準を満たせば医学博士学位(論文博士)の取得も可能です。
4.その他
医療行政・福祉にかかわりつつ、小児医療体制の発展に取り組むなど、多様な場所で活躍することも可能です。
小児科専門医概要
1. 専門医の名称およびその概要
名称: 小児科専門医
概要: 日本小児科学会は1896年に発足し、1985年より本会認定医制度を施行した。これを元に2002年より小児科専門医制度を新たに施行した。小児科専門医は小児保健を包括する小児医療に関してすぐれた医師を育成することにより、小児医療の水準向上進歩発展を図り、小児の健康の増進および福祉の充実に寄与することを目的とし、所定の卒後研修を修了した会員に対し、試験を実施し資格を認めている。資格は5年ごとに審査のうえ更新される。
2. 資格取得要件概要
次の各号に該当する医師であって、試験運営委員会の実施する筆記試験、症例要約評価、面接試験および審査に合格したものを専門医として認定する。
- 試験当日に学会会員であり、学会会員歴が引続き3年以上、もしくは通算して5年以上であるもの。
- 2年間の卒後臨床研修を受け、その後さらに小児科専門医制度規則第15条に規定する小児科臨床研修を3年以上受けたもの。もしくは小児科臨床研修を5年以上受けたもの。
なお、症例要約は自ら診療に携わった30症例について記す必要があります。疾患の種類についても以下の分野ごとに2症例以上をカバーする必要があります。
- 遺伝疾患、染色体異常、先天奇形
- 栄養障害、代謝性疾患、消化器
- 先天代謝異常、内分泌疾患
- 免疫異常、膠原病、リウマチ性疾患、感染症
- 新生児疾患
- 呼吸器疾患、アレルギー
- 循環器疾患
- 血液疾患、腫瘍
- 腎・泌尿器疾患、生殖器疾患
- 神経・筋疾患、精神疾患(精神・行動異常)、心身症
![九州大学医学部 小児科 [成長発達医学分野]](image/toptitle.gif)




