インフォメーション

HOME > インフォメーション

関連リンク

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 

難治性疾患克服研究事業の概要

【事業概要】

原因が不明で、根本的な治療法が確立しておらず、かつ後遺症を残す恐れが少なくない難治性疾患のうち、患者数が少なく研究の進みにくい疾患に対して、その実態把握と病態解明、診断・治療法の確立、進行の阻止、機能回復・再生を目指した画期的な診断・治療法の開発を行い、医療技術の水準の向上を図る。未だ治療法の確立していない希少難治性疾患の根治的治療開発のため、最新技術を駆使することによって、病因、病態解明の研究を推進するほか、診療ガイドラインの作成や新規医薬品開発、医療提供体制の向上等を進め、臨床現場における医療の質の向上を図り、国民への研究成果の還元を進める。

平成21年度より「研究奨励分野」を設けて、「臨床調査研究分野」などにより組織的・体系的に研究がおこなわれてこなかった多くの疾患について、患者や病態の実態把握を目的とした研究を進めてきたところであり、今後とも着実に研究を推進する。

「胎児仙尾部奇形腫の実態把握・治療指針作成に関する研究」

研究代表者 田口 智章(九州大学大学院医学研究院 小児外科学分野 教授)

研究代表者挨拶

【本研究の概要】

研究要旨 【研究目的】本研究の目的は、胎児仙尾部奇形腫の治療実態と自然歴を明らかにし、胎児治療を含めた周産期の治療指針の基盤となる情報を集積して、患児を合併症なく救命するための集学的治療指針を作成することである。
【研究方法】国内周産期センターのうち、調査研究の応諾が得られた施設において、2000年1月1日から2009年12月31日までの期間に、仙尾部奇形腫と出生前診断された症例を対象として、症例調査票を用いた調査研究を実施した。
【研究結果】出生前診断された仙尾部奇形腫97例を検討の対象とした。対象となった出生前診断例は近年増加傾向にあった。11例で人工妊娠中絶が選択され、86例に妊娠が継続されたが、うち3例は子宮内胎児死亡し、11例が出生後に死亡した。従って、人工妊娠中絶を除いた本症の生存率は83.7%であった。31週未満に出生した症例、腫瘍構成成分に充実部分が多いこと、病理組織診断が未熟奇形腫であること、腫瘍が大きいこと、増大速度が速いことや、分娩前超音波検査における胎児水腫徴候、腫瘍径/児頭大横径比などが生命予後不良の因子であった。出生後は96.3%の症例に手術が行われ、うち31%に腫瘍栄養血管の先行遮断が行われた。出生後の主たる死因は出血死であった。手術例のうち、約16%に周術期合併症を認め、退院例のうち、約18%に術後後遺症を認めた。また、再発例は生存退院例の9.7%に認められ、悪性化して再発した例が多かった。
【結論】わが国の主要施設で、過去10年間に出生前診断された仙尾部奇形腫の約半数を集計し、その治療実態と自然歴を明らかにした。わが国の胎児仙尾部奇形腫の生存率は、過去の諸家の報告に比べても良好であった。出生前診断率の向上に伴い、今後も症例数の増加が予想される本症については、胎児治療も含めて、患児を合併症なく救命するための集学的治療指針を作成することが急務であると考えられた。

疾患概要

【胎児仙尾部奇形腫】

1. 概要
仙尾部奇形腫は新生児でもっとも頻度の高い腫瘍で、Hensen’s node(胎児の尾骨先端に位置する原始線状の遺残組織)の多分化能を有する細胞から生じると考えられている。年長児では悪性化していることも稀ではないが、新生児の仙尾部奇形腫は基本的に良性腫瘍であり、染色体異常や重篤な合併奇形を伴うことも稀である。従って、新生児の仙尾部奇形種では、時に認める再発や直腸膀胱障害を除けば、尾骨を含めた腫瘍全摘で良好な予後が期待できる。しかし、胎児例では周産期死亡や子宮内死亡が稀でなく、横隔膜へルニアと同じようなhidden mortalityが存在することが知られるようになった。その病態生理が解明されつつある。

2.疫学
発生頻度は35000-40000出生に1例と言われており、本邦では年間20-30例の児が誕生する計算になる。男女比は1:3-4で女児に多い。

3.原因
不明

4.症状
仙尾部、骨盤内の巨大腫瘍 胎児:貧血、羊水過多、尿路閉塞、腫瘍内出血、心不全、胎児水腫、胎児死亡 新生児:早産、腫瘍破裂、貧血、直腸膀胱障害、悪性化

5.合併症
高拍出性心不全、胎児水腫、ミラー症候群、腫瘍からの出血、腫瘍破裂、悪性化、下肢運動障害、直腸膀胱障害など

6.治療法
摘出術、報告のある胎児治療:胎児手術、ラジオ波焼灼、レーザー凝固、アルコール注入、嚢胞羊水腔シャ

7.研究班
「胎児仙尾部奇形腫の実態把握・治療指針作成に関する研究」研究班

研究者一覧

本研究の研究者は以下のファイルを参照してください。


menber.pdf

PDFファイルをご覧いただくにはAcrobat Readerが必要です。

PDFファイルをご覧いただくにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerがインストールされていない場合は、 左のアイコンをクリックして、ダウンロードした後インストールしてください。 Acrobat ReaderをインストールするとPDFファイルがご覧に頂けます。 詳しくは、アドビシステムズ株式会社のサイトをご覧ください。

研究結果報告書(平成24年1月10日時点)

研究結果報告書は下記のファイルをご参照ください