九大病院 精神科 院内相談部門

九州大学大学院医学研究院 精神病態医学
九州大学病院 精神科神経科

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更新日 2017-02-03 | 作成日 2008-03-25

  院内相談部門について

院内相談部門のご案内
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当科「リエゾン・コンサルテーション・院内 相談部門」について

当科外来部門の一部門として、「リエゾン・コンサルテーション・院内 相談部門」が存在する。本部門は、精神科以外の他の診療科との共同作業の中で精神医学において蓄積した方法論や成果を実践し、それらを一般医療全体へと統合しようとする指向性を持つ精神医学の専門分野である。結果として全人的医療、包括的医療の実践を実現しようとする。実際の活動は、総合病院の他の診療科に通院もしくは入院する身体疾患を有する患者の精神的諸問題への対処(評価、治療)が中心となり、当院における活動もそうである。

現在、当科「リエゾン・コンサルテーション・院内 相談部門」の外来は、以下のとおりになっている。

一般リエゾン・コンサルテーション・院内相談部門

【月曜から金曜日まで毎日受け付け】
 一般的な他の診療科における精神医学的諸問題についての受付

対象患者:
1)入院患者の精神的障害への対応
  器質性精神病、症状精神病、薬剤起因性の精神障害、入院患者のメンタルヘルス等

2)慢性疾患患者のメンタルヘルスへの対応
  病気を持って生きることへの苦悩、受容についての対応

3)慢性疾患患者を抱える家族のメンタルヘルスへの対応
  家族への経済的、ストレス、心理的問題への対応

4)治療スタッフについてのメンタルヘルスへの対応
  治療環境についての対応へのアドバイス

先端医療リエゾン外来

【毎週月曜日午前】
移植患者の精神機能評価をおこなう。生体(肝臓、腎臓、膵腎同時、小腸、骨髄)移植のドナー及びレシピエントの精神機能評価。脳死登録患者の精神機能評価(心臓、肝臓、腎臓、膵腎)。それぞれの移植適応委員会において、移植術適応が評価される際の精神的問題への評価をおこなう。移植を担当する各科から、受診願いを出していただき、対象者の診察を行い、精神的機能についての評価を書面にて返信する。また、移植後の精神的諸問題についても当外リア部門にてフォローアップをおこなっている。2007年11月に仙台市で開催された第43回に本移植学会において、当院先端医療リエゾン外来の設立について口演を行なった。このような試みは、日本全国初の試みである。

緩和ケア部門

【月曜から金曜日まで毎日受け付け】
当初、緩和ケアチームは、当院外来化学療法室において、麻酔科ペインクリニック、精神科、心療内科、内科系腫瘍グループ医師(1内科腫瘍グループ、呼吸器科)、外科系グループ(消化器、呼吸器、乳がん、耳鼻科、整形外科、放射線科、皮膚科、口腔外科等)、がん専門薬剤師、看護師等で組織されたが、2007年9月、当院がんセンター設置に伴い、緩和ケアチームががんセンターの一部門として活動するようになった。精神科医師もチームに入っており、悪性腫瘍に伴う種々の精神医学的問題について対処している。悪性腫瘍関連の相談は、リエゾン部門の相談件数の約3分の1と多くを占めており、重要な分野である。 緩和ケアグループは、週に一回のカンファレンスと症例検討会を毎週月曜日の午後15:00からおこなっており、それぞれの週に受診した症例の報告と検討。必要ならば合同の回診をおこなっている。

高度救命救急センターとの連携部門

【月曜から金曜日まで毎日受け付け】
当院は、福岡地域での最も大きな総合病院であるため、高度な救命措置を要する患者の搬送がおこなわれる三次救急指定病院となっている。精神障害を持つ身体合併症患者もその対象となっており、自殺企図、未遂、既遂患者等についても当院に搬送される場合がおおい。交通事故後の高次脳機能障害、パニック障害、疼痛性障害、精神運動興奮患者、せん妄など精神障害の来院者も多い。

地域医療連携室との連携部門

【月曜から金曜日まで毎日受け付け】
当院は基本的に地域の高度急性期医療を専門におこなう機関であり、精神障害者の身体合併症、あるいは、悪性腫瘍など身体合併症の終末期医療で精神症状のあるもの、救急救命センターで身体治療が安定し、精神症状があったものは、状態が落ち着けば、後方支援病院にての治療をおこなっていただくのが基本的な方針である。その際、後方支援病院への転院先をリスト化し、連携するのが地域連携室であり、特に精神障害者の受け入れの後方支援病院との連携をおこなう役割は、地域医療連携室が、大きな働きをしている。地域医療連携室との連絡、病状に応じた転院先の決定を共同で行う。

インフォームド・コンセント委員部門

【月曜から金曜日まで毎日受け付け】
対象は、主として移植医療の生体移植のドナー及びレシピエント、及び脳死登録のインフォームド・コンセント取得の適切性の評価をおこなう。内科系医師と精神科系医師との合同で面接を行い、当院移植対策室がマネジメントをしている。当院にはインフォームド・コンセント委員会があり、その構成員となっている医師がその役割をおこなう。劇症肝炎や心移植の移植術などの場合は、緊急で召集される。

高度先進医療適応委員会部門

【必要時に随時受け付け】
当院で行われる高度先端医療(移植、再生医療、遺伝子治療等)についての適応を協議する委員会の構成員となっており、主として精神機能の適応評価を担当する。会議は、上記の治療に適応すると考えられる症例についての計画が作成された場合に会議が招集される。現在までに、第二外科の遺伝子治療(3症例)についての適応委員会が開催された。今後も増加する可能性があると考えられる。

医療従事者に対するメンタルヘルス部門

【必要時に随時受け付け】
正式な受診をせず、管理者から相談がある場合や、本人から直接相談がある場合、あるいは、本人の主治医から相談がある場合があり、それぞれの場合に臨機応変に対応している。正式な医療が必要な場合は、正式な受診手続きをとり、当大学健康科学センター(当大学産業医)との連携の下で、治療をおこなう場合もある。

上記全般に関する分野についての院内・院外における教育、啓蒙活動機能

【必要時に随時受け付け】
現在までに講演をおこなった対象は、以下の通りである。今後も啓蒙教育活動は継続の予定である。また、院内において頻回にみられる精神障害である、せん妄状態に関する治療のガイドラインのハンドブックを作成し、院内の医療スタッフに配布している(下記添付資料参照)

【院内】
せん妄勉強会:
学内においてせん妄患者の増加に伴い、パンフレットを作成し、それらを用いて学内講演会を主催している(下記添付資料参照)
・2内科脳循環グループ医師、看護師とのせん妄勉強会
・1内科腫瘍グループ医師、看護師とのせん妄勉強会
・口腔外科グループ歯科医師、看護師とのせん妄勉強会
今後も、救急部、ICU、CCU、ハートセンター、整形外科、放射線科等で予定されている。

緩和ケアについて:
・一内科腫瘍グループ、呼吸器科腫瘍グループ、小児科腫瘍グループとの定期的なカンファレンスと症例検討会
・小児科との緩和ケア勉強会
・院内院外緩和ケア研究会での講演
・九州大学がんセンター講演会における講演活動
・九州大学がん専門薬剤師講演会での講演

リエゾン精神医学について:
・精神科看護勉強会における講演会

【院外】
うつ病研究会:
・中央区、城南区、東区、南区、筑紫野各医師会でのうつ病講演会
・福岡市薬剤師協会におけるうつ病講演会
・福岡県精神科病院協会との双極性障害研究会

病病連携・病診連携研究会:
・福岡県精神科病院協会との病病連携研究会
・福岡県精神科診療所協会との病診連携研究会

メンタルヘルス講演会:
・福岡市職員研修所におけるメンタルヘルス研究会
・福岡市中央福祉協会におけるメンタルヘルス研究会
・福岡市城南区役所におけるメンタルヘルス講演会
・福岡県医師会におけるメンタルヘルス講演会
・膠原病友の会におけるメンタルヘルス講演会

精神医学全般:
・福岡市消防学校における精神科救急講義
・独立行政法人福岡東医療センターにおける精神科救急講演会
・福岡県看護協会・福岡県看護教育センターにおける精神科看護の講演会

院内リエゾン・コンサルテーション・院内相談部門カンファレンス

毎週月曜日午後14:00から1時間開催されている。前週での症例のまとめや治療方針の評価と検討を行い、それぞれの問題点についての勉強会がおこなわれている。医師、看護師、研修医、学生、が参加している。

関連学会

日本精神神経学会、総合病院精神医学会、臨床腫瘍学会、日本移植学会、
日本臨床腎移植学会、日本肝移植研究会等

結語

当院においては、精神障害者の身体管理について、院内及び院外と連携しながら、リエゾン・コンサルテーション・院内 相談部門やその他の種々の組織と共同作業を行い、さまざまな対象の身体疾患に対応しており、また、啓蒙、教育活動もおこなっている。地域の最大の総合病院としては、まだまだ不十分な点はあるかも知れないが、その役割を認識し、近年徐々に組織の改変がおこなわれ、期待以上の改善がなされていると考えている。 他の病棟に入院中の患者を当科から診察する場合は、年間約300例近く存在するが、1週間に1から2回の当科リエゾン・コンサルテーション部門の外来受診を行ってもらい、往診手続き(受診願い、基本表の発行手続き)後、病棟へ往診するシステムが出来上がっている。他科における管理が困難な患者は、病棟医長と相談し、上述のように、当科に空床があれば、同意能力あるいは自己決定能力の程度を判断し、精神科治療の必要性および身体合併症の程度を評価し、受け入れるか、当院地域医療連携室を通して他院への転院を評価する。 原則として週1回の当科におけるリエゾン・カンファレンス定例報告により、個々の身体合併症のある精神障害患者症例の対応に関して討議をおこなう。そして、チーム医療への工夫と改善をはかり、必要とあれば方針の見直しをおこなう。また、医療スタッフへの教育、啓蒙活動も行っている。