九州大学大学院医学研究院 精神病態医学 研究室紹介

九州大学大学院医学研究院 精神病態医学
九州大学病院 精神科神経科

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更新日 2016-07-27 | 作成日 2008-03-25

  研究活動について

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精神病態医学分野での研究活動

研究活動について

精神疾患の生涯有病率はおよそ50%と高率であるにもかかわらず、未だに精神疾患は謎に包まれており、病因研究はもとより、診断法や治療法の開発においてもブレークスルーが待ち望まれている。九州大学精神病態医学分野では、乳幼児から高齢者にわたる幅広い精神疾患を対象として、様々な方法論を駆使しながら研究にあたっている。以下に研究室ごとに、活動の現状を紹介する。

精神病理

準備中

行動療法

行動療法研究室は、開設以来行動療法の実践に重きを置きながら、その対象となる強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder: OCD)の臨床研究を行っている。現在の構成メンバーは、研究室主任の精神科神経科講師・中尾智博、同助教・實松寛晋、同特別教員・村山桂太郎、臨床大学院生の本田慎一、猪狩圭介、桑野真澄、山田聖、心理士の富田真弓、久保浩明となっている。活動は行動療法、OCDを対象に臨床から生物学的探索まで多岐にわたる。臨床分野では、外来・入院での行動療法実践を第一に、治療技法や病態理解をより深めるためのカンファレンス(月曜夕方)、ワークショップ(行動療法学会)、テキスト作成を行っている。さらにDSM-5でOCDから独立した疾患概念となった、ためこみ症の疫学・診断調査や、近年のOCD治療のトピックである非定型抗精神病薬によるSSRI強化療法について、無作為割付法を用いた医師主導の臨床治験を実施している。研究分野では、OCD、ためこみ症の生物学的病態について神経心理、神経画像、遺伝子を用いた探索を行っている。これまでに得られた結果は、Biol Psychiatry(Nakao et al, 2005)、J Psychiatr Res(Sanematsu et al, 2010)、Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry(Murayama et al, 2013)などの国際誌に報告し、注目を集めている。今後もOCDおよびその関連疾患に対する臨床研究と行動療法を主体とした治療の実践を精力的に行ってゆきたい。
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脳生理

脳生理研究室の歴史は古く、1949年4月に、稲永和豊が自作の脳波増幅器で脳波記録を始めたのが研究室の始まりとされる。その後、稲永と中尾弘之を中心に、脳波や情動の研究で数多くの業績を上げ、一流の研究者を全国に輩出してきた。2003年、神庭教授就任後、ハーバード大学で臨床神経生理学の研鑽を積んだ鬼塚俊明がチーフとなり、統合失調症と双極性障害の病態を解明すべく、脳波・脳磁図(電気生理)やMRI(脳画像)を用いた研究を立ち上げ、特に同疾患の神経同期異常の解明においては、世界レベルの成果を上げてきた(ex. J Neurosci 2008)。研究は学内に留まらず、東京大学精神科、京都大学情報学研究科、九州大学臨床神経生理、肥前精神医療センター等との、多岐に渡る共同研究を進めている。さらに、学振の戦略的海外派遣プログラムを終え帰国した、平野羊嗣と織部直弥が中心となり、ハーバード大学精神科との国際共同研究を継続しており(現在平野昭吾が留学中)、統合失調症の発症やその進行に関わる生物学的指標を同定し、世界的にも注目されている(ex. JAMA Psychiatry 2014, Schizophr Bull 2014)。当研究室は、常に脳の現象を視覚化することで精神病の病態を捉え、臨床応用を含めへた橋渡し研究を目指している。
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<留学・国際共同研究先>
Neural Dynamics Laboratory
Psychiatry Neuroimaging Laboratory

精神薬理

当グループは,精神疾患の病態と向精神薬の作用について,動物実験と臨床研究の両面からアプローチすることを目指している。
【実験部門担当 本村啓介】マウスに免疫組織化学法と行動試験を用いて,(1) 抗うつ薬の行動試験の機能神経解剖学的研究,(2) 免疫負荷ストレスによるうつ病動物モデルの研究を行っている.
【臨床部門担当 三浦智史】(1) 双極性障害の認知機能の研究,(2) 双極性障害の薬物療法のメタ解析を行っている.双極性障害の維持療法に関するネットワークメタ解析の結果は,Lancet Psychiatry (Miura et al., 2014)に掲載された.
マウス脳の免疫組織化学標本(精神薬理).jpg
〈マウス脳の免疫組織化学標本〉

分子細胞学

初代グループ長・門司晃(現佐賀大・教授)から加藤隆弘(九大レドックスナビ・特任准教授)に引き継がれた分子細胞研究室では、設立以来、脳内免疫細胞ミクログリアに着目した精神疾患研究を推進している。齧歯類培養細胞およびモデル動物を用いた基礎研究に加えて、最近ではヒト体細胞由来誘導ミクログリア様細胞(iMG)の作製技術を開発し、ヒトを対象とした橋渡し研究を始動している。精神疾患患者由来iMGを製作・評価し、従来不可能であった患者脳内ダイナミックスをin vitro環境へ再現することで、無意識を含む多彩な臨床像(妄想・抑うつなど)との相関解析を行い、精神疾患におけるミクログリアの臨床的意義の解明を志している。
現在の主要テーマ(担当者:共同研究機関):
1. 神経−グリア相関・炎症・酸化ストレスに着目した薬理学研究
(関・早川・佐藤・下川・池田:佐賀大学)
2. 再生医学技術による橋渡し研究
(扇谷・佐方:ジョンズホプキンス大学・大阪大学・名古屋大学)
3. 無意識や社会的意志決定機構における炎症やグリアの役割
(加藤・堀川:モナッシュ大学)
4. 炎症に着目した気分障害の多軸的診断・治療法開発
(加藤・久保:オレゴン健康科学大学・札幌医科大学)
図ー九大精神科「分子細胞研究室」紹介-2014年9月提出版.tiff

児童精神医学

児童精神医学研究グループは、ライフスパンを通じての認知・情動・行動の発達の観点から、子どもと家族の精神保健の臨床と研究を進めている。特に、周産期精神保健では国内外の研究者との学術的交流や地域支援プログラムの策定など先進的な取り組みを行っている。また教育・福祉の分野で重要課題となっている注意欠陥多動性障害、学習障害、自閉症スペクトラムなど多様な発達特性をもつ子どもと家族への青年期・成人期まで視野にいれた支援や治療も、主要な研究領域である。臨床活動は母子保健や学校教育、児童福祉など多領域と関連が深く、様々な形で地域貢献を行っており、教育、心理、福祉など多職種のチームで、事例の評価や支援を進めることも大きな特徴である。教育研修では、吉田敬子がロンドン大学精神医学研究所との緊密なパートナーシップのもとで児童精神医学の専門的人材育成のための研修プログラム作りを推進している。

リエゾン精神医学

リエゾン・コンサルテーション・院内相談部門は、近年の身体医療の高度化、専門化の流れに合わせて下記の分野で対応している。新規リエゾン受診件数は約300件/年である。
1.一般リエゾン・コンサルテーション・院内相談部門: 
 器質性・症状性精神障害が約3~4割、神経症性障害が約2~3割を占める。 
2.先端医療リエゾン外来部門: 
 主に心臓、肝臓、腎臓の脳死後または生体間移植のドナー候補・レシピエント候補の精神機能評価を実施している。他、先端医療(癌免疫、再生医療、遺伝子治療)の同意能力を評価している。
3.高度救命救急センターとの連携部門: 
 自殺企図患者への介入や重症患者におけるせん妄の治療を担当する。
4.緩和ケア部門: 
 相談の約4割の原疾患が悪性腫瘍であり、精神腫瘍学に基づき対応している。
5.院内教育部門: 
 看護師、初期研修医を対象としたせん妄の講義、血液腫瘍内科との合同カンファレンスを開催している。
6.臨床研究: 
 当院入院患者における向精神薬の処方実態調査、せん妄の危険因子についての臨床研究、移植リエゾンの臨床研究、自殺行動のリエゾン受診者についての研究、ステロイド誘発性精神障害の実態解析などを実施している。

老年精神医学(久山町研究)

福岡県久山町では、1961年より精度の高い生活習慣病の疫学調査(久山町研究)が継続中である。この町では、1985年より認知症の、2005年からうつ病のコホート研究が開始された。久山町における認知症の疫学調査の特徴は、当教室の医局員と九州大学病態機能内科学の脳卒中専門医が認知症あるいはその疑い例の臨床的診断にたずさわり、その後亡くなられた認知症例を高率に剖検して九州大学神経病理学の専門家が最終的に病理診断を行っていることである。うつ病の有病率調査は当教室の医局員を中心に2005年、2007年、2012年の計3回実施された。
 当教室の医局員が関わった認知症研究の実績として、認知症の発症率、認知症の有病率の時代的変化、認知症の危険因子(高血圧、糖尿病、喫煙)、および認知症の防御因子(和食+野菜+牛乳、運動)が挙げられる。うつ病の研究では、男性においてメタボリックシンドロームはうつ症状と密接に関連することを明らかにした。当教室は今後も久山町研究との共同研究を継続し、地域住民における認知症およびうつ病の実態を明らかにしていく所存である。

LinkIcon久山町ホームページ
新聞記事
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実施中の臨床研究について

Research on East Asian Psychotropic Prescription Pattern Study(東アジアにおける向精神薬の処方状況に関する国際共同研究)

・はじめに

うつ病は、国内では生涯に約15人に1人が経験する身近なものと言われています。うつ病とは、気持ちの落ち込みや憂うつな気分などの抑うつ気分といった症状に加え、興味がわかない、意欲が出ない、考えがまとまらないといった心の症状や、眠れない、疲れやすいといった身体の症状が長期に続くことで日常生活に支障をきたす病気です。患者さんの50~60%が抗うつ薬で症状が改善すると言われています。統合失調症はうつ病と並ぶありふれた疾患であり、幻覚、妄想といった症状だけでなく、意欲低下、社会とのかかわりの減少など、うつ病とよく似た症状も見られます。統合失調症もうつ病と同様に50%程度の方が抗精神病薬で症状が改善すると言われています。これら抗うつ薬、抗精神病薬などを総称して、向精神薬といい、向精神薬を用いた治療がますます重要視されています。一方、既存の抗うつ薬で、副作用が併存することもあり、合理的な理由のない多剤併用を行わず、漫然とした使用は避けるべきだと警告されています。今回、私たちは東アジアにおける向精神薬の使用状況について調べ、統計学的に解析し、今後の向精神薬の治療法の可能性を探ります。

・対象

九州大学病院精神科神経科において向精神薬の処方を受けられた方のうち、約400名を対象に致します。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

・研究内容

本研究では、当院を含み、東アジア15カ国および地域における向精神薬の使用状況を調査し、ⅰ)向精神薬使用に関する対象疾患とその診断法、種類や用量に関しての国際比較を明らかにします。さらにⅱ)東アジアにおける向精神薬の使用背景を比較し、考察します。
この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

・個人情報の管理について

データの送付先は九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野とし、個人情報漏洩を防ぐため、同分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。現時点で、データの二次利用を行う予定はありませんが、データの二次利用が必要な場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

・研究期間

研究を行う期間は、倫理委員会承認日より2018年3月31日までの予定です。

・医学上の貢献

本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は向精神薬による治療法の発見の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

・研究機関(研究者の所属および役職は研究開始時のものになります)

研究責任者:神庭重信(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野 教授)
 研究分担者:加藤隆弘(九州大学先端融合医療レドックスナビ研究拠点 特任准教授)

黒木俊秀(九州大学人間環境学研究院臨床心理学 教授)
       久我弘典(九州大学大学院医学系学府精神病態医学分野 大学院生)
       佐藤美那(九州大学大学院医学系学府精神病態医学分野 大学院生)
       早川宏平(九州大学大学院医学系学府精神病態医学分野 大学院生)
       下川憲弘(九州大学大学院医学系学府精神病態医学分野 大学院生)
       久保浩明(九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野 テクニカルスタッフ)
 共同研究者:新福尚隆(神戸大学国際交流センター 名誉教授・REAP研究代表)
       川㟢弘詔(福岡大学精神医学教室 教授)
       上野雄文(肥前精神医療センター 臨床研究部長)
       門司晃(佐賀大学病院精神科 教授)
       下寺信次(高知大学病院精神科 准教授)
       飯田仁志(福岡大学病院精神科 講師)
稲田俊也(公益財団法人 神経研究所附属 晴和病院 院長)
山本暢朋(国立榊原病院 部長)
新谷太(医療法人 静和会 中山病院 部長)
梅根眞知子(特定医療法人社団 宗仁会 筑後吉井こころホスピタル理事長)
熊谷雅之(医療法人 優なぎ会 森本病院 理事長)
堀川英喜(医療法人社団 堀川会 堀川病院 副院長)
今泉暢登志(医療法人 済世会 河野病院 院長)
     Chong Mian Yoon (Chang Gung Hospital, Taiwan)
Yu Tao Xiang (Hong Kong Chinese University)
Kua Eee Heok (Singapore National Hospital)
Lee Min Soo (KNPA President, Korea)
Si Tian mei (Peking University, China)
J.K.Trivedi (K G Medical Hospital, India)
Pichet Udomratn (Songkla University, Thailand)
Andi J Tanra (Hasanuddin University, Indonesia)
Chee Kok Yoon (Kuala Lumpur Hospital, Malaysia)

連絡先担当者: 〒812-8582
福岡市東区馬出3-1-1
電話:092-642-5627
担当:加藤隆弘

ためこみ症(Hoarding Disorder)における認知機能および臨床的背景についての研究

・はじめに

「ためこみ(hoarding)」とは、実際の価値とは関係なく、所有物を捨てることや手放すことが困難であり、それらのものを整理できず、ためこむ症状のことを指します。ためこみは結果として、生活空間をもので溢れかえらせ、生活機能に障害を及ぼし、深刻なケースでは、衛生的な問題や失火、崩落の原因となるなど、本人のみならず近隣住民にも多大な影響を及ぼす可能性が考えられます。
ためこみは、これまで強迫性障害における強迫症状の一亜型と考えられてきましたが、2013年にアメリカ精神医学会から刊行された精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において、「ためこみ症(Hoarding Disorder)」という新しい疾患概念として独立しました。
今回、ためこみ症・強迫性障害・健常対照者の方の認知機能、社会的背景、臨床所見を詳細に調査し、それらのデータを比較することで、ためこみ症の病像・病態を明らかにし、正確な診断や有効な治療法を検討することや、強迫性障害の病態理解を更に深めることを目的としています。
本研究は、承認後に調査・評価を実施する前向き研究と、過去に実施された先行研究より得られた情報を二次利用する後向き研究を含み、両方向からデータ収集を行う研究となります。

・対象

本研究の後向き研究における対象は下記の通りです。
平成27年3月31日から平成28年5月31日の期間中に、九州大学大学院医学研究院精神病態医学において実施されている先行研究①「溜め込み癖の疫学調査」②「高解像度MRIによる強迫性障害およびHoarding disorderの画像解析」に参加された方のうち、データの二次利用について文書にて同意を得られた約30名を対象に致します。
対象となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

・研究内容

ためこみ症群・強迫性障害群・健常対照者群における神経心理学的な検査結果や社会的背景、臨床所見を比較し、その差異や特徴を調べます。研究のために取得する情報は、下記の通りです。
 *背景・臨床情報(性別・調査時年齢・発症年齢・同居人の有無・婚姻状況・家族歴・教育歴・職歴・住居環境・診断名・既往歴)
 *神経心理学的検査(TMT・Stroop test・IGT・WCST)の結果
 *構造化面接(SIHD・SCID・CAADID)の結果
 *評価尺度(HRS・CIR・SI-R・自記式Y-BOCS・BDI-Ⅱ・AQ・CAARS・ASRS・GAF)のスコア

・患者さんの個人情報の管理について

個人情報漏洩を防ぐため、九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

・データの二次利用について

本研究において得られたデータ等は、原則として本研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院精神病態医学において、同分野教授・神庭重信の責任の下、研究期間終了後10年間保存した後、登録番号等を消去し廃棄します。
上記データ等のうち、あらかじめ文書で同意を得られた方については、将来別の医学研究に二次利用する目的で、前述の保存期間を超えて保存します。二次利用するデータ等は、将来新たに計画・実施される医学研究が、倫理審査委員会で承認された後に利用します。

・研究期間

研究を行う期間は承認日より平成30年3月31日まで

・医学上の貢献

本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は、ためこみ症の病像・病態を明らかにして正確な診断や有効な治療法を検討することや、強迫性障害の更なる病態理解の一助になり、関係する患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

・研究計画書の資料について

本研究の研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧希望の場合は、下記連絡先まで、Emailにてご連絡下さい。

研究機関

研究責任者:九州大学大学院医学研究院精神病態医学・教授・神庭重信
研究実施担当者:
 九州大学病院精神科神経科・講師・中尾智博
 九州大学大学院医学研究院精神病態医学・助教・村山桂太郎
 九州大学病院精神科神経科・特別教員・實松寛晋
 九州大学大学院医学系学府精神病態医学・大学院生・本田慎一
 九州大学大学院医学系学府精神病態医学・大学院生・猪狩圭介
 九州大学大学院医学系学府精神病態医学・大学院生・桑野真澄
 九州大学大学院医学系学府精神病態医学・大学院生・山田聖
 九州大学大学院医学系学府精神病態医学・大学院生・豊見山泰史
連絡先:〒812-8582 
    福岡市東区馬出3-1-1
    Tel:092-642-5627 Fax:092-642-5644
    Email:bt@npsych.med.kyushu-u.ac.jp(行動療法研究室)
    担当:中尾智博


エビリファイ(成分名:アリピプラゾール)による副作用発現に影響を与える因子に関する臨床調査

・はじめに

エビリファイ(成分名:アリピプラゾール)は統合失調症や気分障害の治療薬として広く使用されている薬剤ですが、副作用である不眠やアカシジア(静座不能)、神経過敏が問題となり、しばしばエビリファイによる治療継続が困難になることがあります。しかしながら、エビリファイの副作用発現に影響する因子についての情報は十分ではありません。そこで本研究では、エビリファイの投与を受けた患者さんを対象に、エビリファイ投与に伴う副作用発現に影響を及ぼす関連因子の探索を目的としています。

・対象

九州大学病院精神科において、2010年4月1日から2014年3月31日の期間中に、外来または入院治療においてエビリファイを新規に開始した患者さん200人を対象としています。

・研究内容

電子カルテから対象となる患者さんの年齢、体重、性別、エビリファイの使用状況および併用薬についての情報を収集します。次に、これらの情報と副作用発現との関連を調査します。
研究計画書および研究の方法に関する資料を入手・閲覧することも可能です。希望される場合は担当者連絡先までご連絡下さい。

・患者さんの個人情報の管理について

本調査は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、患者さんの個人情報の保護に努めています。個人情報を含むファイルは、パスワードを設定し第3者がファイルを開くことができないようにします。必要な情報を収集後は患者さんの氏名やID番号等は削除し、患者さんが特定されない個人情報の管理を行ないます。本調査により得られた結果は、学会や論文にて発表する場合がありますが、その際には患者さんを特定できる情報については一切含まれておりません。
本人等からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示致しますので希望者は担当者連絡先までご連絡下さい。

・研究期間

研究を行う期間は2020年3月31日までと考えています。

・薬学上の貢献

今回の研究によってエビリファイによる副作用の発現に影響を及ぼす因子が明らかになることで、適切に投与量を決定し、副作用の発現を回避するための有用な知見となり、多くの患者さんの治療に貢献できると考えています。

・研究機関・組織

研究実施場所:九州大学病院
研究代表者(研究責任者):九州大学病院 薬剤部 教授:増田智先 
精神科神経科 助教:宮﨑恭輔
薬剤部 副薬剤部長:渡邊裕之、係長:池末裕明、薬剤師:永田健一郎、薬剤師:有村洋平、
薬剤師:白濱雅史、准教授:江頭伸昭
連絡先:〒812-8582
     福岡市東区馬出3-1-1
     Tel:092-642-5940
     担当:白濱雅史


肝臓移植ドナーおよびレシピエントに併存する精神疾患の後方視的多施設共同調査

・はじめに

国内での肝臓移植は、1989 年以降、生体肝移植の実施件数が増加してきており、2011 年末までに計7255 件に及び(脳死移植216 件、心停止移植3 件)、生体肝移植は肝移植数全体の97%を占めています(日本肝移植研究会、2014)。九州大学病院(以下、当院)での肝臓の移植件数(2013 年12 月までの累計)は、脳死肝移植13 件、生体肝移植499 件です。このように国内、当院ともに、肝臓の移植は脳死下・心停止下よりも生体間の肝臓移植が圧倒的に多い状況です。
生体臓器移植の生体ドナー(以下ドナー)の選定においては、医学的な移植可能性の評価とともに、倫理的配慮が不可欠であり、日本移植学会倫理指針においてはドナーの条件が規定されています。ドナーに関して「精神障害者は対象としない」という文言が2012 年の倫理指針改正で削除されており、精神障害の有無よりも、ドナー候補の意思決定能力の方が重要となっています(生体臓器移植ドナーの意思確認に関する指針、2013)。
また、ドナーの権利保護としては、①ドナーの提供意思は尊重されなければならないが、臓器提供においては、心理的、その他何らかの圧力がないことが、十分に確認される必要がある、②臓器提供にあたって、十分な術前検査の実施、周術期のケア等、ドナーの医学的安全性の確保に配慮される必要がある(日本移植学会倫理指針)ということが記載されています。
ドナーにはドナーとなる意思決定のプロセスにおいて多大な心理的負荷がかかると想像されます。また、移植後においてはドナー自身の手術の影響やレシピエントの治療経過から何らかの精神的負担を受ける可能性が考えられます。
これまで国内では、主にドナーに関する精神的quality of life(以下QOL)アンケート調査が行われています(Hashikuraら、2009)(Kawagishiら、2014)が、精神疾患そのものの実態は明確ではありません。
ドナーおよびレシピエントに生じた精神疾患については実態が明確にされていません。移植に伴う精神状態への影響については、レシピエント、ドナー両方に関して実態を把握した上で、精神的ケアの体制を作る必要があります。そのために、本研究の目的は、生体肝移植後のレシピエントとドナーにおける精神疾患の現状について、当院を含めた国内の多施設の共同調査を行い明らかにすることです。
本研究から得られる知見は、精神科医のみならず移植医療に関わる医療関係者にとっても、レシピエントとドナーのケアにおいて有益な情報になることが期待されます。また、それを通じて結果的にはレシピエント、ドナーの精神的健康水準を高めることに貢献できるという点で本研究は有意義であると考えられます。

・対象

九州大学病院消化器総合外科において平成20年(2008年)1月1日から平成27年(2015年)10月31日までに生体肝移植のドナーおよびレシピエントとして移植手術を受けられた方を対象に致します。対象者数は精神疾患群と対照者群を合わせて200名を目標とします。
対象者となることを希望されない方は、下記の九州大学の研究事務局の連絡先(担当:光安 博志)までご連絡下さい。

・研究内容

本研究は、九州大学病院で実施されますが、本研究は名古屋大学が主たる研究期間である多施設共同研究ですので、収集されたデータは、名古屋大学に提供されます。そこで複数の施設の情報を統合して解析を実施します。
<方法>
該当するレシピエントおよびドナーについて下記の情報を診療録から収集、集計します。
① 精神疾患群: 年齢、身長、体重、精神科診断名、精神疾患の臨床経過(症状の内容、程度)、精神疾患の家族歴、精神疾患に対する検査(脳波検査(実施された分のみ)、脳画像検査(実施された分のみ))及び治療内容(薬剤名、投与量、投与期間)、既往歴、家族歴、肝臓疾患の診断名、肝臓疾患の臨床経過(重症度分類、移植前の血液検査(総蛋白、アルブミン、ALT、AST、総ビリルビン、直接ビリルビン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼ、CRP、アンモニア、クレアチニン、ヘモグロビン、血小板数)、脳画像検査(実施分のみ)、脳波検査(実施分のみ))、移植手術の情報(手術時間、合併症の有無)、移植後の臨床経過(血液検査(総蛋白、アルブミン、ALT、AST、総ビリルビン、直接ビリルビン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼ、CRP、アンモニア、クレアチニン、ヘモグロビン、血小板数)、治療薬の内容、入院期間)(ドナーの場合はレシピエントの臨床経過)。
② 対照群: 年齢、身長、体重、家族歴、肝臓疾患の診断名、肝臓疾患の臨床経過(重症度分類、移植前の血液検査(総蛋白、アルブミン、ALT、AST、総ビリルビン、直接ビリルビン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼ、CRP、アンモニア、クレアチニン、ヘモグロビン、血小板数)、脳画像検査(実施分のみ)、脳波検査(実施分のみ))、移植手術の情報(手術時間、合併症の有無)、移植後の臨床経過(血液検査(総蛋白、アルブミン、ALT、AST、総ビリルビン、直接ビリルビン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼ、CRP、アンモニア、クレアチニン、ヘモグロビン、血小板数)、治療薬の内容、入院期間)(ドナーの場合はレシピエントの臨床経過)。
光安先生調査図.png

同様の調査は他の共同研究施設(北海道大学、京都大学、名古屋大学、慶應義塾大学、東京女子医科大学)でも行われます。そして、当院で収集されたデータおよび多施設共同研究で集積されたデータを名古屋大学にて取りまとめて統計学的解析を行います。ノンパラメトリック生存分析Survival Analysis (Nonparametric Model)、回帰モデルによる生存分析Survival Analysis (Regression Model)を行い、各要因が移植後の臨床経過(生存率)に及ぼす影響について、定性的、定量的に検討する予定です。
この研究を行うことで対象者となる患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

・個人情報の管理について

個人情報漏洩を防ぐため、九州大学大学院医学研究院・精神病態医学学分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

・研究期間

研究を行う期間は承認日より平成30年4月23日までです。

・医学上の貢献

本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は、生体肝移植のドナーおよびレシピエントの術後の精神症状の診断、治療、ケアおよび予防の解明の一助になり、関係する患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

・研究計画書の資料について

本研究の研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧希望の場合は、下記の九州大学病院の研究事務局(担当:光安 博志)まで、e-mailにてご連絡下さい。

・個人情報の開示について

研究に参加しているかどうか確認をしたい場合は下記の九州大学病院の研究事務局(担当:光安 博志)までお問い合わせ下さい。参加していることが確認された場合に、ご希望があれば、ご本人に九州大学病院へ来院頂き、ご本人であることを確認した後に研究事務局で保有している個人情報を開示いたします。

・他の研究機関への情報提供の停止について

収集したデータを主たる研究機関である名古屋大学へ提供することを望まれない方は、下記の九州大学病院の研究事務局(担当:光安 博志)までご連絡下さい。連絡を受けた方のデータは他の研究機関へ提供することを中止します。

・研究機関

■多施設共同研究の研究責任者:
名古屋大学大学院医学系研究科 細胞情報医学専攻脳神経病態制御学・教授・尾崎 紀夫
住所 名古屋市昭和区鶴舞町65番地
直通電話番号: 052-744-2282
FAX番号: 052-744-2293
e-mail: ozaki-n@med.nagoya-u.ac.jp

■九州大学の研究組織
研究責任者:九州大学病院・精神科神経科・助教・光安 博志(研究計画書作成担当者)
 研究分担者:九州大学大学院医学研究院・精神病態医学分野・共同研究員・川嵜 弘詔
九州大学病院・肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科・診療准教授・吉住 朋晴
九州大学病院・肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科・併任講師・池上 徹
九州大学病院・精神科神経科・臨床心理士・松尾 裕美
九州大学病院・精神科神経科・臨床研修医・南里 幸一郎


■多施設の共同研究者:
名古屋大学大学院・医学系研究科・教授・尾﨑 紀夫
名古屋大学・医学部附属病院精神科・講師・木村 宏之
名古屋大学・医学部附属病院親と子どもの心療科・准教授・岡田 俊
名古屋大学・大学院医学系研究科精神医療寄附講座・講師・藤城 弘樹
名古屋大学・医学部附属病院移植外科・病院准教授・小倉 靖弘
京都大学大学院・医学研究科・脳病態生理学講座精神医学・講師・野間 俊一
北海道大学大学院・医学研究科・神経病態学講座精神医学分野・講師・田中 輝明
北海道大学大学院・医学研究科・神経病態学講座精神医学分野・助教・成田 尚
慶應義塾大学・医学部付属病院・精神科・専任講師・藤沢 大介
東京女子医科大学医学部精神医学教室・准教授・西村 勝治

■共同研究事務局:
名古屋大学医学部附属病院精神科医局
名古屋大学医学部附属病院精神科・講師・木村 宏之
住所: 名古屋市昭和区鶴舞町65番地
直通電話番号: 052-744-2282
FAX番号: 052-744-2293
e-mail: kimurahi@med.nagoya-u.ac.jp

■九州大学病院の研究事務局:
住所: 〒812-8582  福岡市東区馬出3-1-1
電話番号:092-642-5626
e-mail: hm_ku@npsych.med.kyushu-u.ac.jp
担当者名: 光安 博志

・参考文献

(1) 日本肝移植研究会:肝移植症例登録報告.移植 47(6), 416-428, 2014
(2) 日本総合病院精神医学会 治療戦略検討委員会・臓器移植関連委員会:生体臓器移植ドナーの意思確認に関する指針,星和書店,2013
(3) 日本移植学会倫理指針:http://www.asas.or.jp/jst/pdf/info_20120920.pdf
(4) Hashikura Y, Ichida T, Umeshita K, et al: Donor complications associated with living donor liver transplantation in Japan. Japanese Liver Transplantation Society. Transplantation. 2009 Jul 15;88(1):110-4.
(5) Kawagishi N, Takeda I, Miyagi S, et al: Donors' quality of life evaluated by short form-36 analysis after living donor liver transplantation in a single-center experience. Transplant Proc. 2014 Apr;46(3):675-7



ラモトリギン誘発皮膚障害発現に影響を及ぼす因子に関する   臨床調査

・はじめに

ラミクタール錠(成分名:ラモトリギン)はてんかんや気分障害の治療薬として広く使用されている薬剤ですが、しばしば副作用として皮膚障害を引き起こすことが知られています。皮膚障害は重篤化すると致死的になることもあるため細心の注意が必要です。しかしながら、ラミクタールによって起こる皮膚障害に関連している要因についての情報は十分ではありません。そこで本研究では、ラミクタールの投与を受けた患者さんを対象に、ラミクタール投与に伴う皮膚障害発現に影響を及ぼす予測因子を調べることを目的としています。このように本研究は、ラミクタールの適正使用や医療安全の面からとても重要であると考えています。

・対象

九州大学病院精神科において、2011年7月1日から2014年6月30日の期間中に、添付文書の記載に準じてラミクタールを新規開始した外来患者さんおよび入院患者さん200人を対象としています。

・研究内容

電子カルテより年齢、体重、性別、ラミクタールの用量、用量の変更スケジュール、併用薬および皮膚障害の有無と発現日および重篤度について情報を収集します。次に、これらの情報と皮膚障害発現との関連を調査します。
研究計画書および研究の方法に関する資料を入手・閲覧することも可能です。希望される場合は担当者連絡先までご連絡下さい。

・患者さんの個人情報の管理について

本調査は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、患者さんの個人情報の保護に努めています。個人情報を含むファイルは、パスワードを設定し第3者がファイルを開くことができないようにします。必要な情報を収集後は患者さんの氏名やID番号等は削除し、患者さんが特定されない個人情報の管理を行ないます。本調査により得られた結果は、学会や論文にて発表する場合がありますが、その際には患者さんを特定できる情報については一切含まれておりません。
本人等からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示致しますので希望者は担当者連絡先までご連絡下さい。

・研究期間

研究を行う期間は平成30年3月31日までと考えています。

・薬学上の貢献

今回の研究によってラミクタールによる副作用の発現に影響を及ぼす因子が明らかになることで、適切な症状把握によって副作用がひどくなるのを予防できる様になり、ラミクタールの適正使用にもつながると考えています。

・研究機関・組織

研究実施場所:九州大学病院
研究機関の長:九州大学病院 薬剤部 教授:増田 智先 
研究代表者(研究責任者):九州大学病院 薬剤部 教授:増田 智先 
精神科神経科 助教:宮﨑 恭輔
薬剤部 副部長:渡邊 裕之
係長:池末 裕明
薬剤師:永田 健一郎
薬剤師:有村 洋平
薬剤師:白濱 雅史
准教授:江頭 伸昭
連絡先:〒812-8582
     福岡市東区馬出3-1-1
     Tel:092-642-5940
     担当:有村

九州大学精神科における成人発達障害外来受診患者の特徴に関する研究

・はじめに

広汎性発達障害は、社会性の障害、対人コミュニケーションの質的な障害と、行動、興味および活動の限定的、常道的な様式を特徴とする疾患です。また、注意欠陥多動性障害(ADHD)は、不注意症状、多動性、衝動性を特徴とする疾患です。いずれも、児童・青年期に診断される事の多い疾患ですが、近年これらの疾患を対象として法整備が進められた結果、活用できる社会資源が増えるなど、社会的支援が広がっており、それに伴い成人後にはじめてこれら疾患の診断を求めて精神科を受診する症例が増えています。
これらの症例の多くは、児童・青年期に症状が顕在化していなかったわけですから軽症例が多く、しかも過去にさかのぼって症状の有無を確認する必要がありますので、診断に際しては、二重の困難さをもっています。
これらの社会的な要請に答えるために、九州大学病院精神科外来では、成人発達障害外来を設置して、スクリーニングツールや各種心理検査を行い、成人の発達障害の診断と治療に力を入れてきました。
今回、私たちは成人発達障害外来を受診した、もしくはみずから発達障害またはADHDの診断を求めて当科外来を受診した症例を対象として、神経心理学的な検査結果を統計学的に解析し、その特徴を明らかにするとともに、今後の成人発達障害の診断と治療に関する問題点について検討します。

・対象

九州大学病院精神科において2008年4月1日から2014年3月31日までに、成人発達障害外来を受診、もしくは自ら発達障害もしくはADHDの診断を希望して当科外来を受診した、約500名を対象に致します。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

・研究内容

当科で行った神経心理学的な検査結果と患者さんの背景や診断結果を比較して、成人発達障害外来を受診する患者さんの特徴を調べます。研究のために取得する臨床情報は、受診時の年齢、父親の年齢、性別、受診目的、紹介元医療機関の区分、発達歴、学歴、職歴、診断名、転帰、WAIS-III検査所見、AQ, ASQの点数、POMS, NEO-FFI, SF-36の点数です。
この研究は、既に日常診療として行われた検査結果を、診療録から抽出して情報を得ますので、患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

・個人情報の管理について

個人情報漏洩を防ぐため、九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野においては、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしております。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

・研究期間

研究を行う期間は承認日より2018年3月31日まで

・医学上の貢献

本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、研究成果は成人発達障害の診断と治療の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

・研究機関

九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学分野
教授  神庭 重信 (責任者)
助教  三浦 智史
助教  本村 啓介
臨床心理士 松尾 裕美
大学院生  石坂 望
連絡先:〒812-8582
     福岡市東区馬出3-1-1
     Tel:092-642-5627
     担当:三浦

おわりに


精神医学は、分子から文化におよぶ世界を対象として、精神疾患と取り組む学問である。それはまた、人の全存在を考えることでもある。以上紹介したように、当分野では、幅広い領域の研究を行っており、それは我が国の他の精神医学教室の追従を許していない。さらに今後は、これまでの研究領域を統合してさらに先駆的な研究を展開していきたい。