乳がんの治療を受ける方へ

当院の工夫

mannma2.jpg 当院では、乳房の照射を受ける方には、専用の乳房照射用ウェアを着用して治療を受けていただいております。
 乳房照射用ウェアは、放射線治療前後の肌の露出を最小限にすることができ、また、皮膚等が直接治療用寝台に接することを防ぐことができます。

 乳房照射用ウェアによる放射線の吸収はきわめてわずかで、治療にはまったく問題ありません。



mamma.png乳房照射用ウェアは、九州大学、福岡大学で開発されました。


乳房温存術後の放射線治療(外部照射)について

目的

早期乳がんの場合、乳がんの部分切除を行っただけでは、その近くから再発する可能性が高いと言われています。切除後に放射線治療を行うことにより、局所からの再発を抑えることができると考えられています。

治療の実際

breastfig5.png月曜日から金曜日までの週5回、合計25回照射します(合計50Gy)。もし、切除したすぐ近くに腫瘍細胞があった場合には、あてる範囲を小さくして、さらに5回ほど追加します(合計30回、60Gy)。

治療時には、両腕をあげて、手術をした側の乳房の全体に放射線をあてます。


副作用

乳がんの放射線治療の副作用は、比較的軽微なことがほとんどです。副作用の起こる時期によって、以下のふたつに分かれます。


放射線治療中に起こる副作用
放射線による皮膚の炎症:放射線治療に用いるX線は紫外線よりも強い、光の一種ですので、日焼けと同じような反応が起こります。はじめはどうもありませんが、治療の後半から、照射部位がやや赤くなったり、ぴりぴりしたりするようになります。人によっては、皮がむけたり、熱を持ったり、腫れた感じがすることもあります。治療終了~2週間頃がピークで、やがて元通りになります。照射部位が汗をかきにくくなることもあります。

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放射線皮膚炎の一例:反応は個人差があります。


倦怠、食欲低下:症状のない方が大部分ですが、きつい感じがする、眠たい感じがするなどの症状が見られることがあります。

白血球等の低下:乳房への放射線治療でわずかですが、白血球が低下することがあります。

治療後数ヶ月から数年後に起こる副作用
手術した側の腕のリンパ浮腫:放射線は手術した側の腋窩(わき)の一部にも当たるため、リンパの流れが悪くなることがあります(数%程度と言われています)。最近は早期の場合にはリンパ節を少なめに取る傾向にあるため、頻度はさらに少ないようですが、万一腕の腫れが起こった場合には主治医にご相談ください。

放射線による肺炎・肺臓炎:放射線は、図のように、肺の一部にも当たります。まれですが、百ー数百人に1人程度、放射線による肺炎が起こることがあります。熱が出たり、咳がでたりなどの症状が起こった場合には、主治医におたずねください。通常、放射線終了後3-12ヶ月頃に見られます。

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放射線は、肺のごく一部にあたります。



心臓への影響:左の乳房に照射する方は、放射線が心臓にわずかに当たりますので、心臓に影響の起こることがあるとされていますが、まれです。

肋骨骨折:照射部位の肋骨が後に骨折することがありますが、まれな副作用です。
発癌:放射線は抗癌剤と同じように、発癌作用があると言われていますが、きわめてまれです。

このホームページはあくまで一般的な場合の解説です。詳細につきましては、担当の医師にご確認ください。
本ホームページの図の一部は、福岡大学放射線治療部門と共同開発されています。