強度変調放射線治療
本ページでは、近年急速に普及しはじめている強度変調放射線治療(IMRT;intensity-modulated radiotherapy)について解説いたします。
強度変調放射線治療とは
強度変調放射線治療とは、腫瘍の形状に合わせた線量分布を形成でき、正常組織の被ばく線量をより低減できる放射線治療のテクニックのひとつです。
強度変調放射線治療の原理
強度変調放射線治療では、各方向からの放射線を小さいビームに分け、各々の強度を変えることにより、腫瘍(赤枠で示しています)の形に沿った放射線の形状を作ります。
通常の放射線治療では、各方向の放射線の強さは均一であるため、凹みのあるような放射線の分布を作ることができません。
どのように強度を変調する?
強度変調放射線治療Tは、治療装置の照射口に取り付けられたMLCと呼ばれる多分割絞りを同一照射野内で動かすことにより、コンピュータで計算された不均一な線量分布を生み出し、標的臓器で最適な線量分布を形成いたします。
強度変調放射線治療
各方向からのX線ビームは小さい部分に分けられ、各々の強度を変えながら、合計として最適な線量分布となるように治療が行われます。
3次元原体放射線治療
各方向からのX線ビームは腫瘍に合わせた形で治療されますが、ビームは均一な強さで照射されます。
強度変調放射線治療の利点は?
強度変調放射線治療を用いることで、正常組織の被ばくが低減できます。左図は、強度変調放射線治療の線量分布を示していますが、従来の3次元原体放射線治療よりも直腸の線量を低減することができます。
通常の放射線治療とのその他の違いは?
・治療開始まで時間がかかります。
治療計画CTを撮影してから、実際に治療を開始するまで、1-2週間程度かかります。これは、強度変調放射線治療では、正確に放射線が照射されているかを確認するために、物理的検証が必要なためです。治療計画ごとに、数時間~十数時間かけて検証を行います。
・治療中、動かないように固定を行います。
強度変調放射線治療では、腫瘍に正確に放射線をあてるため、治療中に身体が動きをなるべく抑える必要があるためです。
・治療前に照射位置の確認を行います。
当院の治療装置(リニアック)には、治療寝台上で高い精度で位置のずれを検出できる装置を備えており、原則として毎回、位置確認を行います。(これを画像誘導放射線治療と言います。)
*毎回の位置のずれが少ない場合には、一部省略することがあります。
・一回の治療時間は少し長くなります。
通常の放射線治療では、治療室に入ってから、治療が終わるまで10分程度ですが、強度変調放射線治療では、上記のように、固定、位置確認などを行うため、一回の治療時間が15-20分程度かかります。
強度変調放射線治療の適応疾患
強度変調放射線治療は、前立腺がん以外にも、頭頸部がん、脳腫瘍などに行われます。
HOME
当院の放射線治療
研究
当院の放射線治療について