前立腺がんの治療を受ける方へ

前立腺がんの放射線治療

前立腺がんの放射線治療には、外部照射(3次元原体放射線治療、強度変調放射線治療)、小線源療法があります。
また、放射線をより正確に照射するため、近年、画像誘導放射線治療という技術が用いられるようになっています。

強度変調放射線治療についてはコチラLinkIcon
画像誘導放射線治療についてはコチラLinkIcon

前立腺がんの放射線治療(外部照射)を受ける方へ

放射線治療の目的

前立腺癌の外部照射は、前立腺(±精のう)に放射線を集中させて治療します。治療成績は手術や小線源療法とほとんど変わらないと言われています。また、放射線治療は、侵襲が比較的軽微で、生活の質(QOL)も比較的高く保つことができるとされています。

治療の実際

原則的に、月曜日から金曜日までの週5回、合計35~38回(7~8週間)照射します。X線という放射線で、1回2Gy(放射線の単位で、グレイと発音します)、合計70~76 Gyを照射します。前立腺切除後の放射線治療では、前立腺のあった範囲に、33回ほど追加します(合計66Gy)。

放射線治療にかかる時間は、治療室に入ってから出るまで、10~20分程度、実際に放射線が出ている時間はさらに短く、痛みや熱さなどはまったくありません。

前立腺癌の放射線治療では、多分割絞り(下図参照)という装置を用いて、前立腺以外の正常部位になるべく放射線がかからないように、4~7方向から治療されます。

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治療前の注意

なるべく、放射線治療前1時間程度は排尿をがまんするよう心がけてください。排尿により膀胱が収縮すると、放射線のあたる範囲に膀胱や小腸が入り込んでくる可能性があり、副作用が強く出ることがあります。また、膀胱がふくらみすぎても、前立腺の位置がずれることがありますので、ご注意ください。

可能であれば同時に排便、排ガスをすませておいて下さい。直腸がガスや便などでふくらむと前立腺の位置がずれることがあります。

副作用

前立腺がんの放射線治療の副作用は、比較的軽微ですが、以下のような副作用が起こる可能性があります。放射線治療に伴う副作用は、治療中に起こるものと、治療後数ヶ月から数年後に起こるものに分類されます。

放射線治療中に起こる副作用
頻尿、排尿痛、排尿困難など:治療開始後2週間程度で、トイレの回数が増えたり、排尿時に軽い痛みを感じたりします。多くの場合症状は軽度ですが、個人差があります。きわめてまれですが、一時前立腺が腫れて、尿閉(おしっこがでない)になることがありますので、その時はすぐにご連絡ください。

排便回数の増加、下痢など放射線により、直腸の一部が刺激を受け、排便の回数が増えることがあります。また、括約筋がゆるんだ感じがすることがあります。

直腸、肛門の炎症、出血など:直腸の一部が刺激を受けるため、痔のような症状が起こることがあります。

倦怠感、食欲不振:あてる範囲がせまいため、ほとんどの方はどうもありません。

白血球低下:あてる範囲がせまいため、白血球が低下したとしても軽度です。

治療後数ヶ月から数年後に起こる副作用
直腸の炎症、出血(数~10%程度)など:放射線治療の晩期障害として、数ヶ月から数年後に、直腸から出血(血便)が見られることがあります。万一起こっても、大部分は出血はわずかであり、そのまま様子を見て大丈夫で、やがて改善します。症状がひどい場合には、薬や内視鏡で治療することがあります。直腸の炎症がひどいと、直腸潰瘍(かいよう)を起こすことがありますが、きわめてまれです。
 括約筋のしまりが悪くなり、便をがまんしにくくなることがまれに報告されています。

*前立腺近くの直腸(特に前壁)は放射線により粘膜が弱くなっていますので、将来的に大腸内視鏡を受ける場合には、前立腺近くの大腸粘膜の生検は原則的に避けてください。潰瘍などができることがあります(照射部位から離れたところは問題ありません)。

血尿、尿道狭窄(1%程度):まれに血尿が出たり、尿道が細くなったりすることがあります。

性的機能低下:前立腺のそばを通っている神経に放射線があたるため、数年後に男性機能が低下することがあります。

小腸の狭窄、腸閉塞(まれ):通常、小腸に放射線があたることはまれです。

発癌(きわめてまれ):放射線は抗癌剤と同じく、発癌作用があると言われていますが、きわめてまれな副作用です。

このホームページはあくまで一般的な場合の解説です。詳細につきましては、担当の医師にご確認ください。