文部科学省科学研究費特定領域研究「性分化機構の解明」 *

領域活動

第1回「冬のワークショップ」開催報告

2006年2月27日(月)-3月1日(水)静岡県御殿場

 本特定領域の若手ワークショップが2月27日から3月1日にかけて御殿場にて開催されました。御殿場は富士山の裾野に位置しますので、本来ならば勇壮な富士山の姿に圧倒される、あの爽快感を味わえるはずだったのですが、残念なことに例によって天気には恵まれませんでした。だけれども、天気なんていうのはどうでもいいのであって、大切なのはワークショップの内容と若い人達の熱気だと思うのです。

 このワークショップは本研究班の金井先生(東大獣医)、菊水先生(東大獣医)、武山先生(東大分生研)、田中先生(基生研)を世話人として企画されました。企画と様々な準備、ならびに当日の運営について、この4人の皆さん方、および研究室の若手の皆さん方には多大な時間とエネルギーを費やされたことだと思います。まず、深くお礼申し上げます。

 このワークショップは若手が企画するものとして位置づけましたので、プログラムや招待演者などのワークショップのコンテンツの選択はこの4人の世話人に全面的にお任せしました。ただ、この4人の世話人の先生方は「口は出さずに、金だけ出せ」などとお行儀の悪いことを言ったわけではありません。だから、以下の2点について口を出してしまいました(後悔はしていませんが)。一つは仲良しグループの集まりになってもらっては困るということ。そしてもう一つは若手の口頭発表の質について。このワークショップが目指すところがありますので、それを達成するためにはあるスタンダードを示す必要があると思いました。ある基準を設定することと、世話人の先生方がその基準を意識してくれさえいれば、結果として良質のワークショップになるはずです。従って、その基準を確認しただけのことです。もちろん、4人の世話人の先生方は、それくらいの基準は既に持っていたはずですので、改めて確認することもなかったかもしれません。いずれにせよ、多くの参加者が感じたように大変有意義なワークショップでありました。実は世話人の皆さんには失礼な感想ですが、わたくしの個人的な感想としては、期待以上に刺激的で、疲れた身体に活を入れられたような有り難いものでした。特に若手の口頭発表は心地良い緊張感(話している方は心地良い以上の緊張感だったかもしれません)があって楽しめました。

 若い人たちは口頭発表に積極的であるべきです。若い人たちは溌剌と議論するべきです。年長者の存在を煙たがってはいけませんし、年長者の前で萎縮してはいけません。年長者に対しても堂々と接するべきだと思います。齢を重ねた人にはそれだけの知の蓄積と経験があることを尊重しつつ接することは、むろん大切なことですが、我々は共に研究者ですから。もし若者を萎縮させるような構造的な欠陥がこの特定領域にあるのならば改めなければなりませんので、遠慮なくご指摘下さい。

 ともあれ、この若手ワークショップが好評であったため、総括班としては来年度も支援することが決まっています。今回のワークショップ以上の内容となるよう、若手の皆さん方の奮起に期待します。

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